育児 育児
2023年01月18日 15:52 更新

離乳食の食材の選び方は?一覧表でチェック!ポイントや注意点も解説【管理栄養士監修】

赤ちゃんは初めからいろいろな食材を食べられるわけではなく、徐々に食べることに慣れていき食べられる食材も増えていきますよね。離乳食の食材を選ぶにあたって、どの食材はどの時期から食べられるのか、整理がつかなくて悩みの種になってはいませんか。主な食材の時期ごとの目安とポイントをお伝えします。

食材ごとに違う!離乳食開始の目安一覧

離乳食と野菜

離乳食は赤ちゃんの成長に合わせて初期(5~6ヶ月)、中期(7~8ヶ月)、後期(9~11ヶ月)、完了期(12~18ヶ月)に分類され、食べられる食材の種類や量、硬さなどの目安が変わっていきます[*1]。しかし実際には食べるものや発育発達はそれぞれ異なるものです。そのため、以下に示すものはあくまでも「目安」です。使用する食材は旬や家族の食事も含めて考えていけばよいですよ。

「〇」「✕」だけではなくポイントもお伝えするので参考にしてみてください。

米・パン・麺類の目安

離乳食はなるべく薄味が望ましいので、主食は味がついていない米がゆをベースとすることがおすすめです。うどんやパンは知らない間にそれだけで塩分をとってしまうので、おかずの味付けとの兼ね合いも考えるようにし、頻度も多くならないようにしましょう。

米、パン、麺類

■米
おかゆは赤ちゃんのお口の発育に合わせて硬さを変えていきましょう。「〇倍がゆ」というような数字にこだわるよりも見た目の軟らかさや、赤ちゃんが食べられているかを見てあげてください。食べにくそうにしていたら、少しつぶしてからお湯を加えて電子レンジで再度温めると軟らかくなります。

玄米は繊維が多いのでおすすめとは言えません。与えるのであれば、便の調子を確認しながら少量だけにしておきましょう。

■パン
食パンはみみの部分が硬いので最初のころは中身だけを使いましょう。サンドイッチ用は厚みがなくあげやすいのでおすすめです。菓子パンは油脂、塩分、糖分が多いのであげないようにしましょう。

■麺類
うどんそうめんなどには塩分が含まれているので、しっかり茹でてから茹で水を捨てましょう。茹でたものをペーストにすれば初期からも食べられますが、無理にあげなくても大丈夫です。

スパゲッティ・マカロニはなめらかに裏ごしをするのが難しいので中期ごろからでよいでしょう。つるっとのどに入りやすい点に気を付けてください。また、弾力があるので軟らかくなるまでしっかり茹でるようにしましょう。

大豆類・魚類・肉類の目安

大豆類や肉、魚はあわせて「タンパク質類」になります。豆腐や白身魚などから始めるようにとされていますが[*1]、軟らかくて調理しやすいという理由からです。順番にあまりこだわらなくても大丈夫ですよ。

離乳食の豆類の目安

■大豆類
赤ちゃんが食べやすい大豆製品は豆腐です。初期のうちはつぶしやすい絹ごし豆腐がよいでしょう。

きなこも離乳食には欠かせないお助け食材。おかゆにかけるなど手軽に使えてミネラル補給もできますが、むせやすいので水分とよく混ぜるといいですよ。

納豆も細かく刻んだりつぶしたりすれば初期から食べられます。誤嚥(※)が心配なら軽くつぶしてもいいですね。

茹で大豆や枝豆などを丸いままあげるのは幼児期以降から。離乳期の赤ちゃんはそのまま丸呑みしてしまったりして危険なので避けてください。与える場合は裏ごしなどが必要です(参照▶大豆枝豆)。

また、炒り大豆のような硬いものは小さく刻んでも気管に入ってしまうことがあるので、こちらも与えないようにしましょう。

なお、大豆製品は食物アレルギーを起こす可能性もあるので、初めて与えるときには注意しながら進めてください。

(※食べ物が誤って食道ではなく気管に入ること)

離乳食の魚の目安

■魚類
最初に食べやすいのはしらすでしょう。しらすは軟らかく、すでに茹でられている商品になるため調理も簡単です。塩分を含むので茹でこぼすか湯をかけて塩抜きをすると安心して食べられます。

・ひらめ・カレイなどの白身魚は、低脂肪で身も軟らかいので使いやすいでしょう。

マグロ、かつおは鉄が豊富に含まれるので離乳食にはおすすめの食材です。身の軟らかい白身魚を食べられたら試すといいでしょう。パサつきがちなのでおかゆと混ぜてもいいですね。

エビやタコなどは茹でると硬くなるので注意が必要です。また、エビはアレルギー特定原材料7品目にも含まれています。

離乳食の肉類の目安

■肉類
鶏ささみ鶏胸肉はタンパク質が多く脂肪が少ないので、食べやすいでしょう。すじをとって最初のうちはペーストにするとよいですね。鶏ひき肉は脂身が含まれます。もも肉よりも脂肪の少ない胸肉のものがおすすめ。また、調理によってはボソボソして食べにくくなる点にも注意したいですね。

豚肉はなるべく赤い色が多く、白い部分(脂肪)の少ない部位を選ぶとタンパク質がとれるのでおすすめです。鶏肉同様、豚ひき肉も脂肪が多い場合があります。脂肪が悪いわけではありませんが、タンパク質を多くとりたいので色が白っぽいものではなく、ピンク色のものを選ぶといいでしょう。

牛肉の赤身の部分は鉄が豊富なので積極的にとりたい食材の1つ。もも、ロース、ヒレなど、脂肪分の少ない部位を選ぶと必然的に鉄もとれます。

肉類は基本的にペーストにすれば離乳初期ごろから食べられます。

野菜類・きのこ類・海藻類の目安

離乳食の野菜の目安、根菜など
離乳食の目安、野菜、きのこなど

■野菜類
野菜は基本的に離乳期に見合った硬さに調理すれば食べることができます。食べにくいところ、硬いところは取り除いて、軟らかく茹でるようにしましょう。

大根かぶにんじんかぼちゃ玉ねぎなどは軟らかくなりやすく甘みもあるので離乳食に最適です。葉物野菜のキャベツ白菜ほうれん草小松菜などは繊維があるので、初期や中期では芯や茎は取り除き、葉の部分を茹でて軟らかくすると食べやすくなります。

■きのこ類
きのこは弾力がありかみ切りにくいので細かく切ります。

■海藻類
わかめは赤ちゃんには食べにくい食材です。茎がある場合は取り除き、軟らかく煮てから細かく刻みます。使う量も彩り程度にするとよいでしょう。また、塩蔵わかめは避けてください。

海苔(のり)は口の中に張り付きやすい食材なので、刻みのりのように小さく切って使いましょう。

芋類の目安

離乳食の芋類の目安

離乳食では米などの穀類の仲間として考えられています。食べやすいのは、じゃがいもさつまいもです。軟らかくなりやすく調理しやすいので常備したい食材ですね。甘みがあり食べやすく、とろみを付けるときにも活用できます。

里芋はつぶしやすいですが、ぬめりがあり、かゆみがでることもあります。

山芋長芋は消化が悪く、かゆみがでやすいです。とろろなどは生のまま食べたくなりますが、離乳食のうちは加熱をしてからあげるといいでしょう。また、口のまわりにワセリンをぬってから食べさせてあげると皮膚への刺激を予防してくれるのでおすすめです。

果物の目安

離乳食の果物の目安

果物もアレルギーがあるので心配かもしれませんが、果物アレルギーの多くは学童期以降に発症することが多く、乳児期にはそれほど多くありません。様子を見ながらあげるといいでしょう。ただ、果物は甘味が濃いものもあります。大人が味見をして味が濃いと感じたら茹でるかお湯で少し薄めると、赤ちゃんにほどよい甘さとなります。

りんごなどは大きく切ると硬いことがあるので、薄切りにして加熱するようにしましょう。ぶどうは丸い粒のままだとのどにつまらせたりすることもあるので、1/4に切ってあげましょう。

ぶどうの切り方
ぶどうの切り方
 主な果物の進め方について詳しくはこちら▼

調味料の目安

離乳食の調味料の目安

離乳食では基本的に調味料による味付けはなくてもOKです。とはいえ、まったく調味料がないと食べにくい食材もありますよね。そのようなときには使ってもいいでしょう。

味が濃くならないように大人のおいしいと思う味のだいたい半分くらいの塩分と覚えておくといいかもしれません。ご飯は味をつけない、汁物は汁を少なく具を多めにするなども減塩のコツですよ。調味料がダメ!というわけではないので、少量をうまく使っていきましょう。

離乳食の食材で注意したいもの

離乳食と赤ちゃん

離乳食で使う食材で注意したい点は大きく2つあります。食物アレルギーと、赤ちゃんに向かない食材の特徴についてお伝えします。

1.食物アレルギーを起こす可能性のある食品

乳幼児期に多い食物アレルギーの原因となる食べ物は牛乳・小麦です。

食物アレルギーは食材に含まれているタンパク質がアレルゲンとなり、かゆみ、じんましん、腹痛などを発症します。原因になる食べものを食べてから2時間以内に現れることが多いので、初めて食べる食材を使うときは、アレルギー症状を起こした場合にすぐ医療機関を受診できるよう、平日の午前中にあげるようにしましょう。

容器包装されている加工食品では、卵、牛乳、小麦などの特定原材料7品目は表義務表示、アーモンド、いか、大豆など特定原材料に準ずる21品目は推奨表示となっています。食品パッケージに記載されているので必要に応じて確認してください[*2]。

特定原材料(表示義務)
卵、乳、小麦、落花生(ピーナッツ)、えび、そば、かに
特定原材料に準ずるもの(表⽰推奨)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、⽜⾁、くるみ、ごま、さけ、さば、⼤⾖、鶏⾁、バナナ、豚⾁、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン

 離乳食を遅らせてもアレルギー予防にはならない

食物アレルギーが心配で離乳食をなるべく遅くスタートさせたいと思う方もいるかもしれまんが、その必要はありません。離乳食の開始を遅らせたり、特定の食品を与え始める時期を遅らせてアレルギーを予防することに科学的根拠はないためです。また、自己判断で気になる食物を除去しすぎると栄養不足が心配になります。医師の診断なしに除去するのは避けましょう。

関連記事▶赤ちゃんが食物アレルギー反応を起こす原因と症状
関連記事▶離乳食アレルギーで出る症状は? 口の周りが赤い……よだれかぶれとの見分け方は?

2.赤ちゃんには避けたいNG食品

●はちみつ
はちみつは乳児ボツリヌス症を引き起こすリスクがあるため、1歳を過ぎるまでは絶対に与えないようにしましょう。ボツリヌス菌は熱に強いため、はちみつそのものだけでなく、はちみつの入った食べ物(食パンなど)も避けてくださいね。

●豆やピーナッツなどのナッツ類
丸くて小さい豆やナッツ類は誤嚥や窒息のリスクがあります。5歳を過ぎるまではあげないようにしましょう[*3]。

●餅
弾力だけでなく粘着性もあり、のどに詰まりやすいのであげないようにしてください。

●その他の避けた方がよいもの
・かみ切れないもの
・かまぼこのような弾力のあるもの
・塩分の多いもの
・繊維の多いもの
・添加物が多いもの
・脂肪分の多いもの
・生もの
離乳期の赤ちゃんは胃腸の発達が未熟なうえ、食べ物を噛んでかみ砕くことが十分ではありません。これらの食品は避けたほうがよいでしょう。

まとめ

赤ちゃんの成長に合わせて食べられる食材の形状や種類も増えていきます。苦みやくせのあるものは無理にあげなくでも大丈夫なので、素材そのものに甘みがある食べやすいものを利用しましょう。誤嚥・窒息やアレルギー症状などの変化にも対応できるように、赤ちゃんが食べるときはママやパパなど、ご家族がそばにいて見てあげてください。お子さんにあったペースで離乳食を進めてみてくださいね。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-