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2022年12月08日 11:33 更新

生後2ヶ月の赤ちゃんの体重と増え方|太ってる・増えない場合の対処法

生後1ヶ月を無事にすぎ、2ヶ月に入ったころになると、赤ちゃんの体重の増え具合が気になり出すママもいることでしょう。太りすぎを心配することもあれば、増え方が少ないことが不安なパパ・ママなど、悩みは人それぞれ。ここでは、生後2ヶ月の赤ちゃんの平均体重や増え方、状況に応じた注意や知っておきたいポイントをまとめました。

生後2ヶ月の赤ちゃんの体重はどのくらい?

生後2ヶ月の赤ちゃんの体重を計るイメージ
Lazy dummy

赤ちゃんの体重は個人差が大きいものの、「発育曲線」を見ると平均的な目安を知ることができます。発育曲線とはどういうもので、生後2ヶ月の赤ちゃんの体重はどのくらいなことが多いなのでしょうか。

男の子は5.8kg、女の子は5.4kgが中央値

平成22年(2010年)のこの調査をもとに示された発育値を見ると、生後2~3ヶ月の赤ちゃんのうち94%が4.41kg~7.18kg(男の子)、4.19kg~6.67kg(女の子)の範囲内に入っています。

なお、体重の中央値は男の子で5.84kg、女の子で5.42kgです[*1]。

発育曲線の上手な見方

母子健康手帳を開けば、男の子と女の子別に「乳児身体発育曲線」と「幼児身体発育曲線」が載っています。乳児身体発育曲線は出生から1歳になるまで、月齢ごとに身長と体重の標準的な発育の目安を知ることができるもの。同様に幼児身体発育曲線は1歳から6歳までを対象にしたグラフです。

これは厚生労働省が10年ごとに乳幼児の身体発育を調査している「乳幼児身体発育調査」のデータがもとになっています。母子手帳のグラフに示された色の付いた帯の中には各月齢・年齢の94%の子どもが入るとされ、自分の子どもが全体の中でどれぐらいの発育状態にあるのかを知ることができます。

乳幼児の発育は個人差が大きいため、一つの目安として活用されています。

ケース1. 赤ちゃんの太りすぎが心配……

生後2ヶ月の体重を気にしながら赤ちゃんを抱くママ
Lazy dummy

赤ちゃんが太りすぎると、将来の肥満につながるのではないかと心配する親御さんもいます。育児書などでは「赤ちゃんが欲しがるだけ飲ませていい」などと書かれていることもありますが、この時期の赤ちゃんで、体重の増えすぎを気にする必要は本当にないのでしょうか?

このころの赤ちゃんは1日およそ30gずつ増える

個人差はありますが、一つの目安として、生後0~3ヶ月の赤ちゃんで1日に期待される体重増加は25~30gと言われています[*2]。3~6ヶ月になると15~20g、6~12ヶ月だと10~15gと増加のペースはゆるやかになっていきます。

生後2ヶ月ごろの赤ちゃんで1日に目安以上の体重が増えているからといって、自己判断で授乳量を減らすと、発育に必要な栄養摂取量を摂(と)れなくなる可能性があります。生後2ヶ月ごろの赤ちゃんには、欲しがるだけ授乳しても大丈夫です。この時期は太りすぎでもあまり心配しないようにしましょう。

乳児期の「体重が重い」は、ほとんどの場合は様子を見ていい

たしかに幼児期肥満の25%、学童前期肥満の40%、思春期肥満の70~80%は成人肥満につながるとされ[*3]、生活習慣の改善による肥満予防は大切とされています。

ただし、乳児期については「症候性肥満(2次性肥満)」以外は様子を見てよいとされています。症候性肥満とは、なんらかの病気により引き起こされた肥満のことで、この場合は、体重は増えているのに身長の伸びが悪くなるのが特徴と言われています。

基本的に1歳までの肥満が将来の肥満につながるかどうかはあまり気にしなくて良いとされています。寝返りやはいはい、歩行などを始めると自然に体重の増加は緩やかになっていくことが多いからです。乳児期を過ぎても肥満が続いているようであれば、1歳6ヶ月健診や3歳健診でまずは生活習慣の改善を指導されるでしょう。

ケース2. 赤ちゃんの体重増加がゆるやかで心配……

生後2ヶ月で体重が少ししか増えずに、ミルクを飲む赤ちゃん
Lazy dummy

体重の増えすぎとは逆に、少しずつしか増えないことを心配している保護者さんもいるでしょう。体重増加が少なく、健診時などに助産師さんなどから育児用ミルクを足すことを薦められるケースもあるかもしれません。体重増加がゆるやかな赤ちゃんを育てているときの不安や心配なときは、どうすれば良いのでしょうか。

母乳育児だと体重増加がゆるやかなことも

母乳育児で育てていると、赤ちゃんの体重増加がゆるやかで母乳が本当に足りているのか、ミルクを足した方が良いのか、迷ってしまうケースがよく見られます。

一般的に母乳中心に育つ赤ちゃんは、ミルク使用の場合に比べて体重増加はゆるやかなことが知られています。そのため母子手帳に載っている発育曲線でチェックすると、標準以下になってしまうこともあるでしょう。

母乳育児専用の発育曲線

このような現状を踏まえ、日本母乳哺育学会では母乳育児専用の発育曲線を作成し、公表しています[*4]。この曲線では、母子手帳に掲載されている発育曲線よりも身長や体重は10%ほど低く示されています。母乳育児中で赤ちゃんの成長について心配な人は、一度この発育曲線でも確認してみても良いかもしれません。

■日本母乳哺育学会「母乳育児の子には母乳育児専用の発育曲線を

その子のペースで増えていれば大丈夫

ただ、赤ちゃんは一人一人違うので、授乳量には大きな差があって当たり前。飲む回数や間隔もそれぞれ違うので、育児書などで書かれている通りに授乳ができなくてもあまり気にすることはありません。

体重増加が少ないと感じるときでも、
・おしっこがちゃんと出ている
・うんちもその子のペースで出ている
・その子のペースで「飲む・寝る」を繰り返しながら、機嫌の良さそうな素ぶりを見せる


といった様子であれば、まず心配いらないことを覚えておきましょう。

体重のことで心配な時に知ってほしい5つのこと

ごくごくミルクを飲んで体重も増加する生後2ヶ月の赤ちゃん
Lazy dummy

育児書やwebでは、母乳/育児用ミルクに関して様々な情報が掲載されています。中には誤解や間違った情報もあるので専門家の意見を聞いたり、確かな人に相談したりするなどして、あまり惑わされないようにしましょう。

1. 飲み足りているかどうかを見極める

母乳だけで育てたいと思っていても、様々な理由で十分な母乳が出ていないこともあります。ミルクとは違い、母乳の場合は赤ちゃんがどれぐらいの量を飲んだのかが分かりません。以下のような様子のときは、母乳の飲みが不十分な可能性もあります。

・20分以上授乳していてもおっぱいを離したがらない
・授乳後、1時間もしないうちにおっぱいを欲しがって泣く
・体重がなかなか増えない
・頑固な便秘が続いている
・機嫌が悪いことが多い、夜泣きする

このようなときは医療機関を受診するようにしましょう。

2. 「ミルクで太る」は誤解

2019年に厚生労働省が発表した「授乳・離乳の支援ガイド」(改訂版)では、完全母乳で育った赤ちゃんと、育児用ミルクと母乳の混合栄養で育った赤ちゃんにおいて、肥満の発症に差はないことが明記されました。育児用ミルクを少しでも与えると肥満になる、というのは誤解である、ということも書かれています[*5]。

3. 母乳にこだわりすぎない

同ガイドでは、母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使うことも大事だと書かれています。「母乳神話」という言葉もあるように、母乳で育てることが最適である、という過度な思い込みにより、自らを追い詰めてしまうママもいます。

母乳の出る量にも個人差はあって当然なので、赤ちゃんやママ自身の状況・体調に応じて育児用ミルクを使う、ということも柔軟に考えていきましょう。母乳とミルク、いずれかが劣るということはありません。

4. ミルクは必ず適正な濃度で作る

赤ちゃんの体重増加を心配し、育児用ミルクを薄めたり、逆に体重が増えないからと濃く作ったりしてはいけません。適切な栄養を赤ちゃんに与えるためにも、商品説明に記載されている適正な配分で作るようにしましょう。

5. 心配なときは専門家に相談を

赤ちゃんの体重増加について疑問や不安があるときには、医師や助産師に相談してアドバイスを受けましょう。より気軽に相談できるよう、「母乳外来」や「助産師外来」を設けている医療機関もあります。

また、地方自治体が提供する母子保健サービスのなかで、保健師等による訪問指導のほかにも子育て中の保護者が相談できる窓口を設けている場合もあります。こうしたサービスを積極的に利用するのも良いでしょう。

まとめ

体重増加も順調でぐっする眠る生後2ヶ月の赤ちゃん
Lazy dummy

生後2ヶ月の赤ちゃんでも、赤ちゃんによって母乳や育児用ミルクを飲む量や回数、頻度は異なり、日によってもムラがあるのは当たり前です。そのため身長や体重が身体発育曲線のどの位置にあるかに神経質になるよりも、機嫌が良いか、おしっこやうんちはスムーズに出ているか、よく眠れているか、といった総合的な状況で赤ちゃんの様子を見守るほうが良さそうです。
ただ、体重がまったく増えない場合や、いつも機嫌が悪い、便秘気味であるなどというときは授乳量が足りない可能性もあります。こうした場合は医師や助産師などに相談するようにしましょう。

(文:剣崎友里恵/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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