【医師監修】離乳食に牛乳、いつから、どうやって与えればいい?

【医師監修】離乳食に牛乳、いつから、どうやって与えればいい?

赤ちゃんが生後5~6ヶ月ごろから始めることが多い離乳食。いろいろな食材がある中で、牛乳はいつから、どのように与えれば良いのかご存じでしょうか。意外と知られていない、離乳食に牛乳を使うときのポイントや注意点についてまとめました。


牛乳を飲み物として与えるのは1歳を過ぎてから

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離乳食の材料としては、乳製品は生後7~8ヶ月の離乳中期から使用OKとされています[*1]。一方、牛乳を飲み物として与える場合はどうでしょうか。

乳児の場合は鉄欠乏性貧血になることも

厚生労働省による『授乳・離乳の支援ガイド』によると、「牛乳を飲用として与える場合は、鉄欠乏性貧血の予防の観点から、1歳を過ぎてからが望ましい」とあります[*1]。

これは、牛乳に含まれる鉄分は少ないうえ、母乳中の鉄分に比べて吸収率が非常に低いので乳児ではほとんど吸収されないことに加え、乳児期、とくに生後6ヶ月までに牛乳を飲むと少量の消化管出血を起こすことがあることが理由とされています。

1歳をすぎたら少しずつ飲ませてみても

一般的には1歳を過ぎれば牛乳を飲ませても良いと考えられていますが、様子を見ながら少しずつ始めていく必要があります。人肌程度に温めた牛乳で、最初は50mLぐらいから始め、飲んだあとに下痢をするなどしなければ1日300~400mLまでを目安に増やしていきましょう[*2]。

ただし、上記の量はあくまでも目安で、この時期、牛乳は必ず摂取しなければいけないわけではなく、たくさん飲ませる必要はありません。むしろ飲みすぎにより満腹感が得られ、ほかの離乳食を食べられなくなる方が心配です。また、少ない量だからといって牛乳によるアレルギーが起こらないわけではありません。子どもの様子をよく観察しながら、ゆっくりと摂取を進めていきましょう。

牛乳アレルギーが心配なときは

牛乳と言えば、アレルギーの心配をするママも多いかもしれません。離乳食を進めるにあたり、知っておきたいアレルギーの基礎知識をまとめました。

乳児期に注意したい食物アレルギーとは

厚労省の『授乳・離乳の支援ガイド』では、食物アレルギーを「特定の食物を摂取した後にアレルギー反応を介して、皮膚・呼吸器・消化器あるいは全身に生じる症状のこと」と記しています。また乳児から幼児早期にアレルギーを引き起こす主要原因食物は「鶏卵、牛乳、小麦の割合が高く、そのほとんどが小学校入学前までに治ることが多い」ともしています[*1]。

牛乳が原因で起こるかもしれないアレルギー

牛乳を飲んだことで起こるかもしれないアレルギーとはどのようなものでしょうか。

まず牛乳を摂取後、1~2時間以内、特に15分以内に嘔吐や全身蕁麻疹、咳、下痢、呼吸困難などさまざまな症状が現れる、「即時型食物アレルギー」があります。乳児期にとても多いタイプです。

また、乳児期には、「牛乳アレルギーが原因のアトピー性皮膚炎」になることもあります。ただし、乳児期のアトピー性皮膚炎のすべてが食物が原因で起こるというわけではなく、約50~70%に食物が関与していると言われています[*3]。幼児以降は、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因となることは少なくなっていきます。

一方、新生児から乳児期前半の時期、牛乳を飲むことによって血便や下痢、嘔吐など消化器に何らかの症状が現れる「新生児・乳児消化管アレルギー」というものもあります。冒頭で紹介したとおり、このことからも、牛乳は1歳まで飲ませない方が良い、とされています。

アレルギーが心配だから離乳食の開始を遅らせた方がいい?

離乳食によってアレルギーを起こす可能性があるのであれば、できるだけ離乳食を遅く開始すれば良いじゃないの?と考えるママもいるかもしれません。ところが、厚労省の『授乳・離乳の支援ガイド』では、離乳の開始や特定の食物の摂取時期を遅らせればアレルギーを予防できる、という考え方には科学的根拠はない、としています。

また、海外では、離乳食の開始を生後6ヶ月を大幅に超えるほど遅らせると、乳児が鉄欠乏性貧血やその他の微量栄養素不足のリスクにさらされる可能性が高くなるとする報告もあります[*4]。離乳食はあくまでその子の成長具合に合わせて進めるものですが、食物アレルギーが怖いからといってむやみに開始を遅らせるのはあまり得策ではないようです。

一般的には生後5~6ヶ月ごろから離乳を開始しますが、もし食物アレルギーが疑われる症状がみられたら、自己判断で対応せず、必ず受診して医師の診断を仰ぎましょう。自己判断で対応するとかえって状態が悪化することもあります。

まとめ

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カルシウムが豊富な牛乳ですが、離乳食に使うのは中期以降、飲み物としては1歳を過ぎてから、がポイントです。1歳を過ぎても少量ずつ飲ませるようにし、多くを与える必要はありません。
一方、離乳食の開始を遅らせることがアレルギーの予防につながる、ということは科学的な根拠がないとされています。どう牛乳を取り入れて良いか心配なときや、アレルギーが気になるときは自己判断せず、医師の診断をあおぐようにしましょう。

この記事の監修ドクター
梁 尚弘先生
りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

(文:剣崎友里恵/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省 改訂版「授乳・離乳の支援ガイド」P32~34, 2019年3月.
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
[*2]赤ちゃん&子育てインフォ「はじめての離乳食」<実践編>12ヶ月から18ヶ月頃 https://www.mcfh.or.jp/jouhou/rinyushoku/jissen12_18.html
[*3]東京都福祉保健局「食物アレルギーのタイプ」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/knowledge/food_allergy.html
[*4]Canadian Paediatric Society: Weaning from the breast, Paediatr Child Health. 2004 Apr; 9(4): 249–253.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2720507/

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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