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2023年01月18日 15:46 更新

離乳食での茶碗蒸しには注意が必要!赤ちゃんOKの安心レシピ紹介【管理栄養士監修】

やわらかく、だしの旨味が魅力の茶碗蒸し。赤ちゃんも喜んで食べてくれそうなイメージですが、実は気をつけなければいけない料理なのです。今回はなぜ離乳食で茶碗蒸しが要注意なのか、またいつからなら食べられるのかなどを解説します。

茶わん蒸し、赤ちゃんは離乳食でいつから食べていいの?

茶碗蒸しの離乳食開始時期の目安

茶碗蒸しは口あたりがなめらかなので、赤ちゃんはすぐに食べられそうですが、卵の加熱が不完全な場合もありますので、1歳をすぎてからのほうがいいでしょう。その前に加熱をした卵料理が食べられていることが目安の1つです。

また、茶碗蒸しにはいろいろな具材(種物:たねもの)が入っていますので、そちらにも注意が必要です。

茶碗蒸しってどんなものが入ってる?

茶碗蒸し

皆さんもご存じかと思いますが、茶碗蒸しとは溶き卵と調味した出し汁を合わせ、魚介、鶏肉、三つ葉、椎茸、かまぼこなどの種物とともに茶碗に入れて蒸した料理。地域によって具材の種類は多少相違がありますが、蒸し器で調理する日本の代表的な料理ですね。

具材だけ見ると赤ちゃんが食べるのには、かたかったりするものが多いです。

茶碗蒸しは、なぜ離乳期には避けたほうがよい?

茶碗蒸しを離乳期に避けたほうがいい理由について、解説します。

2. 茶碗蒸しは加熱できているかわかりづらい

茶碗蒸しを蒸す

茶碗蒸しは、器に具材を入れて卵液を注ぎ、蒸して作ります。

・具材への加熱具合の不安
一般的な蒸し時間の目安としては、蒸し器で約15分ほど。しかし、離乳食としてあげることを考えると、具材が赤ちゃんにとって食べやすいかたさになっているか、しっかり加熱できているか、などがわかりづらいでしょう。

・卵液(卵)への加熱具合の不安
卵のアレルゲンは加熱の温度と時間に比例して力が弱まります。茶碗蒸しは卵を出汁で薄め、なおかつ蒸して作るため、卵そのものを茹でたり焼いたりする料理よりも温度が上がりません。加熱が不十分だと、アレルゲンが多く残ります。

離乳期の卵の進め方

鶏卵は、乳児における食物アレルギーで一番患者数が多い食材です。また、鶏卵は消費者庁の定めるアレルギー特定原材料7品目の1品目です。

そう聞くと少しこわくなってしまうかもしれませんが、遅く開始したからと言ってアレルギーが予防できるわけではありません。生後6カ月くらいから卵黄を少しずつ食べて、慣れたら全卵へ進み、20分ゆでた全卵を完了期に1/2~2/3個程度食べられることが現在の目安です。

離乳食の卵の進め方については以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎離乳食の卵の進め方!量は?卵白はいつから?

2. 腐敗しやすい

家庭で調理する際に出汁と鶏卵がベースとなります。蒸した後はすぐに食べられるといいでしょう。加熱時間と温度が十分ではありませんので、赤ちゃんには念のため、保存はおすすめしません。

  ■ワンポイントアドバイス■

茶碗蒸しを赤ちゃんに食べさせる際に気を付けること

では、完了期以降に赤ちゃんに茶碗蒸しを食べさせるにあたっては、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。

① 加熱の状態に注意

卵と赤ちゃん
高温で加熱すると、すが入る

ゆで卵や炒り卵に比べ、茶碗蒸しの調理法では加熱温度は低いという問題があります。

茶碗蒸しや蒸しプリンなど卵を使った蒸し料理は、高温で加熱してしまうと水分の沸騰温度(100℃)と卵が凝固し始める温度(60℃)の差によってボコボコと気泡が入ってしまいます。これを「すが入る」といい、すが入ることを防ぐため茶碗蒸しなどでは蒸す温度が調整されます。

離乳食では見た目ではなく、しっかり加熱することを優先してください。十分に加熱した上でに、最初は少量を様子を見ながら食べさせてあげましょう。

  ■ワンポイントアドバイス■

② やけどに注意

茶碗蒸しを食べさせるときはやけどに注意が必要です。熱い状態では食べられないので、十分に冷ましてください。食べさせる前に、大人が温度を確認しましょう。

③ 外食時や市販品に注意

家庭で調理のであれば塩分などを調整できますが、外食時や市販品などは大人用のため、赤ちゃんには味が濃すぎます。できるだけ避けるといいでしょう。市販品の場合は添加物も含まれますので、表示をよく確認しましょう。

また、具材にエビやかまぼこ、しいたけなど噛み切りにくいものが含まれていることが多いのであわせて注意しましょう。鶏肉もサイズが大きめでかたいこともあるので、よく見て赤ちゃんが食べられるもの・状態かどうかを確認してからから与えましょう。

完了期の赤ちゃん向け 茶碗蒸しの離乳食レシピ!

最後に1歳すぎの赤ちゃん向けの茶碗蒸しレシピをご紹介します。加熱する際に一手間加えることで、中まで熱が入りやすくなりますよ。

<離乳完了期のレシピ>茶碗蒸し風野菜あんのせ

茶碗蒸しをスプーンでほぐす

■材料(作りやすい分量)
・卵(Mサイズ) 1個
・出汁  150cc
・ほうれん草 20g 
・大根 20g
・鶏ささみ 30g
・あん用の出汁 100cc+片栗粉小さじ2を作っておく

■作り方
① 卵と出汁を混ぜ、ざるなどで濾して容器へ流し入れる
② フライパンまたは鍋に3cmくらい水をはり、①を入れて中火で15分、落し蓋をして加熱する
③ ②を一度取り出し、スプーンなどで粗くほぐしたら再度3分加熱する。このときに、はった水が少なければ足す
④ あらかじめ、ささみと野菜をしっかり加熱後、食べやすい大きさに切っておいたものを、あん用の出汁で加熱する。すでに片栗粉が入っているので弱火でとろみをつけていく
⑤ ③と④が出来上がったら、くずれた茶碗蒸しの上にあんをかけて出来上がり

  ■ワンポイントアドバイス■

まとめ

離乳食を食べる赤ちゃん

茶碗蒸しは赤ちゃんにとって不向きです。大人にとってはよい調理法も、赤ちゃんにとってはアレルギーを起こす原因になることがあります。また、保存管理なども少し手間ですね。同じ調理法でを食べたいという気持ちはとても大切ですが、月齢を考慮して代替品などで楽しんでくださいね。

(文:シライカヨコ 先生、監修:川口由美子 先生)

※挿入画像はイメージです

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