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2021年07月27日 18:00 更新

知っておきたい離乳食のとろみ! おすすめ食材や注意点も【管理栄養士監修】

とろみづけひとつで、今まで食べてくれなかった食材も食べてくれるようになることもあるほど、離乳食ではとろみづけがとても重要です。今回は離乳食にとろみをつけるメリットやとろみづけにおすすめの食材もご紹介します。


離乳食にとろみをつけるメリット

離乳食のとろみ

離乳食に食べ慣れるまでの離乳初期〜中期にかけては、離乳食にとろみをつけることが大切です。

飲み込みやすくなり、詰まる心配がなくなる

離乳初期では口に入ったものを舌で前から後ろへ送り込んでいます。まだ舌を前後に動かすだけなので、離乳食にとろみがあった方飲み込みやすいです。また、汁物にもとろみをつけることで、むせたりする心配も少なく飲み込みやすくなります。

舌と上顎で食べ物をつぶしていく動きを覚えるのが離乳中期です。とろみが特に必要なのが、この舌でつぶして食べる時期です。つぶした食べ物を口の中でひとまとめにする動きを覚えていく時期なので、とろみをつけて飲み込みやすい離乳食作りを心がけていきましょう。

赤ちゃんの口の動きや飲み込む様子を観察し、とろみの濃度も変えていくことも大切です。

固形だと食べづらいとき、とろみがあると食べてくれやすい!

食べる赤ちゃん

形あるものやパサパサした食材にはとろみがあると赤ちゃんも飲み込みやすいです。離乳食の食感がボソボソした仕上がりであったり、逆にサラサラと水っぽい状態であったりすると赤ちゃんはうまく飲み込めない場合があります。そのようなときには、ぜひとろみをつけてあげましょう。

例えば、ほうれん草のような葉物も食べにくいことがあります。そのようなときにはつぶした豆腐などでとろみをつけたりする「白和え」など、そぼろなどボソボソするものは、じゃがいもやかぼちゃなどとろみのある食べ物と一緒に調理すると食べやすくなります。

日本には、昔からそのような料理が存在していましたよね。食べにくいものはとろみのある食材と食べると食べやすくなるというのは、生活の知恵だったのでしょう。

とろみを付ける方法、食材、調味料

とろみは様々な食材を使ってつけることが出来ます。それぞれ料理に合った食材を使い上手にとろみづけをしてみましょう。

簡単なのは片栗粉

片栗粉

一般的に料理にとろみづけをする際には片栗粉を使う人が多いでしょう。離乳食にも、もちろん使うことができます。片栗粉には水溶き片栗粉の他にも、水に溶かすことなくそのまま料理にふりかけとろみをつける顆粒タイプの片栗粉もあります。

離乳食の1回分を作る際には煮汁が少ないこともあります。薄めに作った水溶き片栗粉(片栗粉少なめ)だと、とろみづけの際の失敗しにくいでしょう。

いも類、納豆、バナナなどでも代用可能

すりおろしのジャガイモ

いも類の中でも特にじゃがいもは離乳期にはおすすめの食材で、とろみづけにも最適です。生のまますりおろした少量のじゃがいもを煮立ったところに加えるととろみがつきます。

かぼちゃやさつまいもなどをつぶしたものも、とろみがつきますね。また、おかゆもとろみのある食材ですので、食べにくいものは、おかゆと混ぜることを覚えておくと便利です。ほかにも、納豆やバナナ、ヨーグルトもとろみづけに使えます。バナナはつぶすと色が変色してしまうため食べる直前につぶし、他の食材と和えると良いでしょう。

スープには高野豆腐や麩がおすすめ

とろみ付けに使う麩

スープなど汁気が多いものには高野豆腐や麩がおすすめです。どちらも水に戻さずそのまますりおろして使います。加熱することで適度なとろみがつき、またふわふわの食感にもなるので赤ちゃんにとって食べやすくなります。また、高野豆腐も麩も栄養価が高い食品のため、離乳食に栄養をプラスできます。

離乳食のとろみの注意点や豆知識

離乳食の便利なとろみをつける際に気をつけたい点をご紹介します。

麩を使う場合はアレルギーに注意

離乳期では食物アレルギーがある可能性も考え、まだ与えたことのない食材を試す場合は赤ちゃんの体調が良い日に少量から試し、医療機関を受診することも考えて平日の午前中にします。

また、食物アレルギーのある場合には注意し、市販品を与える際には必ず原材料表示を確認しましょう。特に上記で紹介したおすすめのとろみをつける食材に麩がありますが、麩の原材料は小麦粉です。小麦は特定原材料7品目に指定されているため、食物アレルギーには注意しましょう。

冷凍するなら片栗粉は不向き

片栗粉は冷凍すると粘度が弱くなりとろみがなくなってしまう性質があります。特に水分の多い野菜は、解凍すると食材からの水分が出て水っぽくなってしまうので、とろみはなくなります。そのため離乳食を冷凍保存するのであれば、とろみはつけず冷凍し、食べる食前にとろみをつけます

離乳食のとろみを使ったおすすめレシピ

とろみをつけた方が離乳食を食べてくれることも少なくありません。上手にとろみを活用しながら離乳食を進めていきましょう。電子レンジを使ってとろみある離乳食を作る時短レシピもご紹介します。

アレンジ可能!野菜と鶏肉のとろみあんかけ<離乳中期〜>

皮をむいたかぶ

■材料(約1回量)
・鶏ひき肉 15g
・かぶ 10g
・小松菜 5g
・だし汁 60ml
・醤油 少々 ※離乳中期の場合、味付けはしなくてOK
・水溶き片栗粉 適量

■作り方
① 鍋にだし汁を入れ、皮を剥いて7mm角に切ったかぶをやわらかくなるまで煮る
② ①に水大さじ1でほぐした鶏ひき肉と細かく切った小松菜を加え、ひと煮する
③ ②に水溶き片栗粉を加え、とろみをつけ醤油で味付けをする

やさしい味付け 野菜と高野豆腐のとろみ煮<離乳中期〜>

片手鍋

■材料(約1回量)
・高野豆腐 5g
・ツナ(水煮缶詰) 小さじ1/2
・キャベツ 10g
・だし汁 50ml
・醤油 少々(離乳中期の場合は味付けはしなくてOK)

■作り方
① キャベツはやわらかく切り、みじん切りにする
② ツナは湯通しして、塩抜きする
③ 鍋にだし汁を入れ、①、②、すりおろした高野豆腐を加えて煮て、醤油で味をととのえる

レンジで簡単!野菜のとろとろスープ<離乳中期〜>

食べさせてもらう赤ちゃん

■材料(約1回量)
・ブロッコリー 10g
・じゃがいも 15g
・人参 10g
・カットトマト缶(無添加の物が望ましい) 大さじ1 
・だし汁 80ml
・水溶き片栗粉 適量

■作り方
① ブロッコリーは小房に切り分けて、耐熱容器に入れ水を振りかけてふんわりとラップをし、電子レンジ(600w)で2分ほど加熱してから、花蕾を細かく切る
② じゃがいも、人参は5mm角程度に切り、耐熱容器に入れて食材が浸かる程度の水を入れ、ふんわりとラップをしてやわらかくなるまで電子レンジで加熱をする
③ ①、②とカットトマト缶、だし汁を耐熱容器に入れ、ラップをふんわりとかけ電子レンジ(600w)で1分30秒~1分50秒加熱する
④ 水溶き片栗粉を加え混ぜ、ラップをかけて電子レンジ(600w)で10~20秒程加熱し混ぜる

まとめ

スプーンで食べる赤ちゃん

赤ちゃんにとってパサパサとしたものはとても飲み込みづらく、少しのとろみづけで食べてくれなかった食材を食べてくれることも多いです。特に離乳後期以降は、とろみのないメニューも増えてきます。食欲が落ちたなと感じたら、とろみあるものを加えるだけで食べてくれる場合もあるので、試してみましょう。とろみづけにはいろいろな方法があります。片栗粉だけではなく、とろみづけに便利な食材も上手に使い、離乳食にとろみをつけていきましょう。

(文:茅野陽 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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