なんとなく不吉なイメージをいだいてしまう「鬼門」。言葉は知っていっても、実際にどんな意味や影響があるのか、自分の家の鬼門はどこかなどは知らないのではないでしょうか。
鬼門とは何か、鬼門に対してどんな対策をすれば良いのか、詳しく知りたいところ。
そこで、人気風水師の李家幽竹先生に、鬼門の意味や歴史、自宅の鬼門の調べ方から対策まで、すぐに役立つ知識を教えていただきました!
■鬼門とは
風水学的に鬼門とはいったいなんなのでしょうか。鬼門や裏鬼門の意味、また鬼門の歴史について学んでいきましょう。
◇鬼門の意味
鬼門とは「北東」の方角のこと。通説によると、「鬼が入ってくる方位」と日本ではいわれているものです。
鬼門の門番が眠っている間に鬼がこっそり通ってしまうことで、昔から「悪いことが起こるかもしれない」「気をつけなければならない」といわれる方角なのだそうです。
鬼門は不吉だとして捉えられがちですが、幽竹先生によると風水ではあまり鬼門を恐れる必要はないのだとか。
風水において鬼門とは、「変化」の方角と考えるそうです。鬼門を良い意味で利用すれば、良い変化を起こしていくことができるのだそう。
もちろん悪い状態にしておけば、悪い変化が起きるので要注意。鬼門で運気を上げるには、より清浄にしておくことがポイントだそうです。
◇裏鬼門の意味
裏鬼門とは、鬼門の対角側にあたる「南西」の方角のこと。北東と南西の間が、鬼の通り道となるわけですね。
鬼門と裏鬼門は互いに気を引っ張り合ってしまうので、片方が悪い状態であればもう一方も悪い状態になってしまうそう。
悪い運を通しやすくしないためにも、鬼門だけでなく、裏鬼門もつねに清浄にしておく必要があるようです。
◇どう捉えられてきた? 鬼門の歴史
ではなぜ、鬼門がそこまで日本人に恐れられてきたのでしょうか。
☆日本の「陰陽道」で恐れられてきた鬼門
風水自体は中国で生まれ、アジア近隣諸国、遠くはトルコまで渡っていったもの。それぞれの国の風土に合わせて形を変えながら根付いていきました。
もともと、風水がベースとなっている日本の「陰陽道」で、鬼門は恐れられていたそうです。
日本人は昔から怨霊や呪い、祟りといった闇の世界が大好物。陰と陽で言えば「陰」に着目することを好んだようです。そんな日本人の気質が鬼門信仰を生み出した、と考えられるかもしれません。
☆徳川家康、織田信長も恐れていた鬼門
中でも、徳川家康は鬼門をとても恐れていたそうです。
鬼門にあたる北東は、風水において「変化」の方位。鬼門によって国が変わり、政権が代わってしまうことを恐れたわけですね。
また、織田信長が焼き討ちをした比叡山延暦寺も、鬼門にあたる北東の方位。変化を起こす必要があったからこその焼き討ちの判断であったともいわれているとか。
世界中でも、鬼門信仰は日本だけのものだそう。あまり気にする必要がないとのことですが、なるべく悪い変化は避けて良い変化を起こしたいものですよね。とりあえず、自宅の鬼門を把握しておきたいところです。
■自宅の鬼門の調べ方
自宅の鬼門はどうやって調べたら良いのでしょうか。詳しく調べ方を教えてもらいました。
◇(1)家の間取り図で中心の場所を確認
まず、家の間取り図があれば用意しましょう。家の中心となる場所を確認します。
部屋の中心は、間取り図の対角線を結び、交わったところ。もし部屋に欠けがある場合は、イラストのように欠けを補って考えるそう。張りの場合は省いて考えましょう。これで中心の場所を求めます。
◇(2)中心に立って北東が鬼門、南西が裏鬼門
家の中心がわかったら、実際にその場所に立って北東にあたる60度の方角が鬼門、南西にあたる60度の方角が裏鬼門です。
フロアが2階以上に分かれる場合は、それぞれの中心から測りましょう。
◇(3)方角は方位磁石で調べよう
ただし、風水では地図の真北ではなく、やや西に傾いた「磁北」を中心に定めるそうです。方位磁石で測るか、もしくはスマホアプリなどを使うと便利ですよ。
■自宅の鬼門対策
自宅の鬼門と裏鬼門がわかったところで、次は対策法です。それぞれの気をつけるべきポイントや対策とは?
◇トイレが鬼門・裏鬼門にある場合
トイレが鬼門や裏鬼門の場合、つねに清浄な状態を保つことが大切だそうです。
インテリアのベースカラーは白にして、清潔さを心がけましょう。悪い気を生む雑菌や悪臭を溜め込むのはもっともNG。悪い気は床へと溜まりやすいので、毎日、床からこまめに掃除をしましょう。
トイレのスリッパは必ず置くようにするのが良いとのこと。悪い気が家の中に入ってくるのを留めてくれます。
◇玄関が鬼門・裏鬼門にある場合
玄関はすべての気の入り口であり、「変化」が多い場所。鬼門か裏鬼門にあたる場合、良い気が入ってくるか、悪い気が入ってくるかは玄関の状態次第だそうです。
特に大切なのは、玄関のたたき。悪い気は床から入ってくるそうなので、たたきは毎日水拭きをしましょう。
また、靴を出しっぱなしにすることなく、靴箱に収納してスッキリとさせることが肝心だそうです。
玄関マットは悪い気をブロックしてくれるそうなので、必ず置くようにしましょう。
◇お風呂が鬼門・裏鬼門にある場合
お風呂が鬼門や裏鬼門の場合、湿気や寒さ、雑菌に注意することが大事だそうです。
お風呂の残り湯は雑菌の温床になるようなので、なるべくその日のうちに流しましょう。入浴後は必ず換気して室内を乾燥させること。
バスマットは、乾きが早くて雑菌が繁殖しにくい珪藻土のものがオススメだそう。布製ならコットン製のものにしてみましょう。菌が繁殖しないように除菌スプレーを吹きかけ、こまめに洗濯をするのが良いそうです。
◇寝室が鬼門・裏鬼門にある場合
寝室の場合、ほかの鬼門や裏鬼門に比べてそれほど気にする必要はないそうです。ただし、余計なものをあまり置かずに、スッキリとした空間を心がけるのが大切だそう。
人は寝ている間に悪い気を流し、新たな運気を吸収しながら運を再生させるそう。寝室が散らかっていると、その乱れた気がそのまま体の中に入ってきてしまうので要注意です。
シーツや布団カバー、枕カバーなどはこまめに洗濯をして、つねにベッドまわりは清潔さを心がけましょう。
◇キッチンが鬼門・裏鬼門にある場合
キッチンの場合、水まわりを扱うので雑菌に注意が必要だそう。シンクや排水溝はもちろん、スポンジやまな板、布巾などもこまめに除菌を。
また、キッチンは「水」と「火」が同じ空間にあるため、気のバランスが崩れやすい場所。冷蔵庫やシンクなどの「水」に属するものと、コンロや電子レンジ、炊飯器などの「火」に属するものを混在させないことが大事だそうです。
鍋や調理器具、皿も収納し、スッキリとした清浄な状態を意識しましょう。
■鬼門・裏鬼門に置くと良いものダメなもの
鬼門に置くと良いアイテムや、ダメなものとは? または、すると良いことと、してはダメなこととは?
良いこととNGなこと、それぞれ5つずつ教えてもらいました。
◇鬼門に置くと良いもの&すると良い習慣
☆(1)空気清浄機を置く
たとえ鬼門にあたる場所をきれいにしていても、空気の入れ替えがまったくない状態では気が淀んでしまうのでNGとか。できれば空気清浄機を置いておくのがオススメだそうです。
不浄な空気が流れた瞬間に悪いことが起こる場合もあるそうですよ。窓を開けて空気を入れ替えたり、利用しない部屋でも1日1回は人が入って気を通すのが良いみたいです。
☆(2)良い香りを漂わせる
鬼門には、良い香りを漂わせておくと良い変化が期待できるそう。恋人ができたり、チャンスに恵まれたりするなど、縁を呼び込む「風」を起こすことができるのだとか。
玄関の靴の臭いや、トイレの雑菌の臭い、キッチンの生ゴミの臭いなどには十分に気をつけましょう。
香りはラベンダやパパ―ミントなど、浄化を促すような香りがオススメだそう。拭き掃除のときにパパ―ミントオイルをちょっと垂らすだけで、浄化力が大きく違うようですよ。
☆(3)花や観葉植物を置く
生気のある花や観葉植物は、鬼門に良い気を呼び込んでくれるそう。玄関、トイレ、リビング、キッチンなど、すべての場所に効果的のようです。
生気によって命を活性化させる場所にすることで、つねに良い変化が起きやすくなるとか。植物の手入れだけでなく、鉢植えの周辺もきれいにメンテナンスすることを心がけましょう。
☆(4)季節の置き物を飾る
鬼門には「時」をつかさどるアイテムを飾るのもオススメだそうです。時計やカレンダー、季節やイベントの置き物など。時を表すアイテムを鬼門に置くことで、良い変化を起こしてくれるそう。
ただし、時計は必ず正確な時を刻んでいるかこまめに確認を。
また、季節外れのアイテムを置いておくと逆にチャンスやタイミングを逃しやすくなってしまいます。置いたアイテムが旬を過ぎていないかも、こまめにチェックしましょう。
☆(5)重曹で掃除する
鬼門や裏鬼門の掃除は、重曹を使って拭き掃除をするのがオススメだそう。悪い気を一緒に拭きとることができ、普通の水拭きよりも「気」がさらにきれいになるそうです。
塩を使って浄化することも効果的ですが、二度拭きしなければいけないので手間になりがち。重曹を効率よく活用して、毎日きれいな気を保ちましょう。
◇鬼門に置いてはダメなもの&してはダメなこと
☆(1)死を表すものを置く
枯れた花やドライフラワー、ポプリなどは「死」を表すアイテム。鬼門に置くとより悪い変化を起こしやすくなるそうなので、すぐにやめましょう。動物の毛皮や剥製、ペットの遺骨も同様だそうです。
また、フェイクファーでも、見た目が同じなので「死」をイメージさせるアイテムなのだとか。処分できないものは、なるべく他の場所に収納するようにしましょう。
☆(2)古いものを置いておく
古いものを鬼門や裏鬼門に置いておくのは、運気を下げてしまうのでNGだそう。古い雑誌や本、いつか着るかもしれないと眠っている流行遅れの洋服、なんとなく捨てられないいただきものや旅行のお土産など、心当たりのあるものがありませんか。
鬼門や裏鬼門に限らず、古いものをいつまでもとっておくと、チャンスに弱い体質になってしまうそうです。ホコリが溜まっている状態は、もっともNG。なるべく古いものは処分して、運気を活性化させたいですね。
☆(3)黒いものを置く
鬼門や裏鬼門の場所に、黒いアイテムを置くのは避けたほうが良いそうです。黒は「陰」の気を増幅してしまい、良い気が離れていってしまう色なのだとか。
小物などに黒を使う分にはかまわないそうですが、インテリアのメインカラーに黒を使用したり、家具やベッドまわりに黒を用いるのはやめましょう。なるべく鬼門は白く、明るく、きれいにしておくことが基本だそうです。
☆(4)物を詰め込む
鬼門や裏鬼門に収納がある場合、物を無理に詰め込んだり、ごちゃごちゃに入り乱れた状態にしたりしていませんか。
物を詰め込み過ぎていると、せっかくの良い気も入ってくることができず、悪い気が停滞してしまうことになるそう。
収納は中身が見えないからと安心することなく、スッキリと整頓しておきましょう。
☆(5)裏鬼門に極度に重いものを置く
裏鬼門においては、重たいものを置くのを避けるのが良いそうです。特に、絶対に動かせないような極度に重たい家具などはNG。
そうした重量のあるものを裏鬼門に置くことで、地盤が重くなって運気もダウンしてしまうそう。引っ越しや模様替えをする前に、頭の片隅に入れておきましょう。
鬼門を利用にして良い変化を起こそう
不穏なイメージを持たれがちな鬼門ですが、風水ではあまり鬼門にとらわれる必要はないようです。
怖がることなく、つねに明るく清浄な状態にしておけばOK!
むしろ鬼門を利用して、生活に良い変化をもたらしていきたいですね。
(監修:李家幽竹、文:水野久美)
※画像はイメージです