「ヨガ」とは? 効果や目的・おすすめポーズを初心者向けに解説
ヨガとは、古代インドが発祥の修行法のこと。現代では、心と体を整えるエクササイズのひとつとして取り入れられています。今回は、そんなヨガに興味がある初心者さんに向けて、ヨガの始め方、効果や目的を分かりやすく解説します。
「ヨガを始めてみたいけれど、何が必要? 何から始めるべき?」とお悩みではありませんか?
今回は、そんな初心者さんに向けて、ヨガの効果や目的、自宅でもできるおすすめポーズを解説!
これからヨガを始めたいと考えている人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
※この記事は、過去にマイナビウーマンで公開されたヨガインストラクター監修の記事を基に作成しています。
ヨガの目的・効果とは?
ヨガとは、5000年近い歴史を持つ古代インド発祥の修行法。悟りを開き、瞑想を深めるためのものでした。
現代では、心身の健康目的で取り入れている人が増えています。ヨガには、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
(1)肩こりや腰痛の予防・改善
ヨガのポーズの多くは、体幹(コア)を意識しながら姿勢を保持します。そのため正しい姿勢が習慣化しやすくなり、悪い姿勢が原因の肩こり・腰痛の予防につながるのがメリット。
日常生活では使わない筋肉や関節などにくまなく働きかけるため、継続することでボディラインを整える効果も期待できるでしょう。
(2)呼吸によって自律神経のバランスを整える
ゆったりとした気持ちの良い呼吸は、自律神経のバランスを整える効果があり、心のキャパシティを広げてくれるもの。
いつもは無意識に行っている呼吸を、ヨガを通して意識的な呼吸に切り替えるだけで、はやる心を落ち着かせることができます。
(3)眠りにつきやすくなる
ヨガで深く呼吸をすることで副交感神経が優位になると、自律神経が整ってリラックス効果を得やすくなります。
眠りにつきにくいと感じている人は、寝る前にヨガをすることで、日中凝り固まった筋肉や疲れをほぐしてあげるのがおすすめ。
凝りや血流の悪さをヨガで解消してあげることで眠る時の姿勢が定まりやすくなり、安眠効果が期待できるでしょう。
ヨガとピラティスって何が違うの?
もしかしたら、「ヨガとピラティスって何か似てない!?」と感じている人もいるのではないでしょうか。
ピラティスとは、元々リハビリを目的に開発された動き。一方ヨガは、前述の通り瞑想や修行のために行われていました。このように、本来この2つは全く違う目的で生まれたものなのです。
しかし最近では、どちらも「フィットネス」として取り入れられるようになり、違いがあいまいになってきています。一概にどちらが良いとは言えないため、悩んだ時は両方試してみて、自分に合う方を選んでみるのが良いかもしれません。
ヨガとピラティスの違いについては、この記事で詳しく解説しています。
ヨガの始め方とは? 必要なものリスト
ヨガの効果や目的を見て、「ヨガを始めたい欲」が高まってきたのではないでしょうか。
ヨガの始め方には、レッスンに通ったり、自宅で動画を見ながらポーズを取ったりする方法があります。
ここからは、ヨガを始める時にそろえておくといいものをご紹介します。
(1)動きやすい服装
ヨガでは、あぐらの姿勢や体をねじるポーズなど、バラエティに富んださまざまな動きを行います。
体の動きに集中しながらストレスなくヨガを行うためには、動きやすい服装を用意するのがおすすめ。具体的には、以下のようなものをそろえると良いでしょう。
・適度に体へフィットしつつ、締めつけすぎない下着
・伸縮性が高いレギンスやヨガパンツ
・Tシャツや重ね着用のトップス
デザイン性が高いおしゃれなヨガウェアがたくさん出ているので、ファッションも楽しみながらヨガを行いたいですね!
ヨガの服装の基本を、イラスト付きで分かりやすく解説します。
(2)ヨガマット
ヨガマットも持っておくと便利です。やや厚みがあるものが多いので、家でヨガをする時にも防音になったり、手足が滑るのを防いだりできるのがメリット。
「ヨガを続けるぞ!」と自分に気合いを入れるためにも、1枚用意すると良いかもしれませんね。
(3)タオル
ヨガを行うと体が熱くなって、想像以上に汗をかく可能性があります。
汗を拭く目的はもちろん、休息のポーズなどの時にアイピロー代わりにも使えるため、タオルも用意しておくと良いでしょう。
(4)飲み物
たくさん汗をかいた時に備えて、飲み物も用意しておくのがおすすめです。
合間に水分補給を行いながらヨガを行いましょう。
自宅でヨガを始める時に必要なものを、美筋ヨガインストラクターの廣田なおさんが解説します。
ボルスターはバスタオルやブランケットで代用可
ポーズによっては、「ボルスター」と呼ばれる体を支えるクッションが必要な場合があります。
慣れてきたらこうしたものも用意すると良いですが、ない場合は折り畳んだバスタオルやブランケットなどでも代用が可能ですよ!
手作りボルスターについては、この記事で写真と共に解説しています。
自宅でできるものも! おすすめヨガポーズ17選
ここからは、おすすめのヨガポーズ17選をご紹介していきます。
自宅でできるものもたくさんあるので、ぜひ参考にして取り入れてみてくださいね!
(1)チャイルドポーズ
サンスクリット語で「バーラ・アーサナ(子どものポーズ)」と呼び、心と体に安らぎを与えるのがこちら。
正座から上半身を前に倒しておでこを床につけることで、体の重みを使って心地良くストレッチができます。
(2)ダウンドッグのポーズ
ヨガのレッスンでは避けては通れないこのポーズ。サンスクリット語では「アド・ムカ・シュヴァーナ・アーサナ(下を向いた犬のポーズ)」と言います。
手足を床につけ、腰を引き上げながら背中を伸ばすため、肩回りや背中をストレッチ。全身の血液循環を促すポーズです。
(3)三日月のポーズ
サンスクリット語で「アンジャネーヤ・アーサナ(三日月のポーズ)」と呼ばれるポーズ。
両足を前後に開脚することで股関節(特に鼠径部)をストレッチします。鼠径部とは下半身のリンパの通過点とも呼ばれる大切なポイント。このポーズでは、リンパのつまりや滞りを解消する効果が期待できますよ。
(4)鳩(はと)のポーズ
サンスクリット語で「カポタアーサナ」と呼びます。上半身を反らせ、胸を膨らませた姿勢が鳩に見えることから名づけられました。
太ももや股関節の柔軟性が鍵となるため、無理をせずに少しずつ行っていきましょう。
(5)三角のポーズ
三角のポーズとは、サンスクリット語で「ウッティタ・トリコーナ・アーサナ(伸ばした三角のポーズ)」と呼びます。
手足を大きく開き、全身で三角図形をつくるこのポーズ。太ももや腰、背中など全身の筋肉を使うので、体全体をリフレッシュさせてくれます。
(6)コブラのポーズ
サンスクリット語では「ブジャンガ・アーサナ」と呼び、コブラが鎌首を上げて獲物を狙う姿から名づけられました。
うつ伏せの姿勢から両手を床につき、背筋を使って上半身を持ち上げます。背中の筋肉をしっかり働かせられるので、美しい姿勢に整えてくれるでしょう。
(7)英雄のポーズⅠ(ウォーリアⅠ)
サンスクリット語では「ヴィーラバドラ・アーサナ」と言うポーズ。別名「戦士のポーズ」と呼ばれることもあります。
足を大きく踏み出しながら腰を落とし、天に向かって腕を伸ばすこの動き。体側が気持ち良く伸びることで、深い呼吸が促されるでしょう。
(8)英雄のポーズⅡ(ウォーリアⅡ)
サンスクリット語で「ヴィーラバドラ・アーサナⅡ」と呼びます。
足を踏み出しながらどっしりと腰を落とし、腕を大きく広げるこのポーズ。重心を落とすことで下半身の筋肉が強化され、体の安定感が増していくでしょう。
(9)英雄のポーズⅢ(ウォーリアⅢ)
英雄のポーズⅠ、Ⅱの流れで行うことも多いこのポーズ。サンスクリット語で「ヴィーラバドラ・アーサナⅢ」と呼びます。
立位の姿勢から両手を天井に伸ばし、片足を軸にしてもう片方の足を持ち上げます。高いバランス力や集中力が必要なこのポーズには、お尻から太もものライン、ふくらはぎまでを引き締める効果が期待できますよ。
(10)鷲(わし)のポーズ
サンスクリット語で「ガルーダ・アーサナ(鷲のポーズ)」と呼ぶこちらのポーズは、ヨガを代表するバランスポーズのひとつ。
腕を絡めて肩甲骨を開く上半身の動きと、足を絡める下半身の動きで、それぞれの部位のコリをほぐしてくれます。
(11)ハイランジ
ヨガスタジオなどでは、一般的に英語名の「ハイランジ」と呼ばれるポーズ。サンスクリット語では「ウッティタ(伸びた)、アシュワ(馬)、サンチャラナーサナ(踏み出す)」と表現します。
足を前後に大きく開き、両手を天井方向に上げていきます。お尻から太もものラインやふくらはぎなど、下半身のシェイプアップに効果的ですよ。
(12)木のポーズ
サンスクリット語で「ブリクシャ・アーサナ(木のポーズ)」と呼ばれる、ヨガの代表的な立位のバランス系ポーズ。
大地に根を張るように体の中心軸を意識し、片足でバランスを取りながら両手を持ち上げます。体幹や美しい姿勢を整えることにつながるでしょう。
(13)ラクダのポーズ
サンスクリット語で「ウシュトラ・アーサナ(ラクダのポーズ)」と呼ぶポーズです。
体を後ろに反らせ、胸を天井に突き出した上半身のシルエットがラクダのこぶに見えることから名づけられました。胸や肩周りが開き、猫背解消の目的や美しい姿勢づくりに適しています。
(14)猫のポーズ
英語で「キャットポーズ」と呼ばれることもあるこのポーズ。サンスクリット語では「ビダーラアーサナ」などと表現します。
「牛のポーズ」と併せて一連の流れで行うことで、こわばった背骨がゆるみ、呼吸をしやすい体の状態をつくっていきます。
(15)鋤(すき)のポーズ
サンスクリット語で「ハラ・アーサナ(鋤のポーズ)」と呼ばれ、「からすき」という牛に引かせる農具の形をイメージしています。
うなじから背中の上部にかけてストレッチされると共に、互いの肩甲骨を引き寄せる動きによって、凝り固まった首や肩の筋肉をほぐします。
(16)弓のポーズ
弓の弦が語源のこのポーズは、サンスクリット語で「ダヌラ・アーサナ」と呼びます。
体を弓なりに反らせることで胸周りの筋肉が大きく広がり、呼吸が深まるのがメリット。美しい姿勢の意識づけに役立つでしょう。
(17)チャトランガ・ダンダアーサナ
プランクと一緒に練習したいこのポーズは、有名ですが難易度が高め。
サンスクリット語で「チャトランガ(四肢の)ダンダ(棒)」と言い、両手両足の四肢で体を支えるポーズです。全身の筋肉を総動員して姿勢を保つため、心や体がエネルギッシュになっていきます。
ヨガのポーズ一覧
※ポーズ名をクリックして詳細をチェック!
ここまでご紹介したポーズを一覧表にまとめました。ポーズ名or画像をクリックすると、詳しいやり方を写真付きで確認できますよ!
子どものポーズ |
ダウンドッグ |
三日月のポーズ |
鳩のポーズ |
三角のポーズ |
コブラのポーズ |
英雄のポーズ |
鷲のポーズ |
ハイランジ |
木のポーズ |
ラクダのポーズ |
猫のポーズ |
鋤のポーズ |
弓のポーズ |
チャトランガ |
効果と目的で選ぶフローヨガ
実際のヨガクラスやレッスン動画では、フローヨガ(流れるようにいくつかのポーズを取っていくもの)を行うことも多い印象です。
ここからは、肩こりや反り腰のケアなど、効果や目的で選ぶフローヨガをいくつかご紹介。
関連記事をクリックすると、実際の流れを動画で確認することもできます。ぜひ自宅で取り組んでみてくださいね!
有酸素運動でスッキリしたい時は「太陽礼拝」
太陽礼拝とは、1日の始まりに太陽への感謝を込めて行うヨガの基本。全部で12個のポーズで構成されています。
一呼吸一動作で全身を動かすので、有酸素運動としての効果が期待できますよ。全身の筋肉をバランス良く使うため、体全体をスッキリさせたい時におすすめです。
基本を学びたい時におすすめの「ハタヨガ」
サンスクリット語で太陽を意味する「ハ(Ha)」と、月を意味する「タ(Tha)」、結ぶという意味の「ヨガ(Yoga)」が語源になっている「ハタヨガ」。多くの流派の元となっているヨガです。
広義では体を動かすヨガ全てを「ハタヨガ」と言うので、上述の「太陽礼拝」もハタヨガのひとつ。基本的な動きを学びたい時におすすめのフローを、下記記事の動画でご紹介していますよ。
椅子に座ったままでもOK! 「肩こり解消ヨガ」
スペースを確保してヨガマットを敷いて……という、本格的なものだけがヨガではありません。
「忙しくてまとまった時間が取れない」という人も、オフィスや自宅で座りながらヨガに取り組むこともできますよ。肩周りの筋肉をほぐすヨガで、肩こり解消を目指しましょう。
おなかを鍛える「反り腰解消ヨガ」
反り腰とは、骨盤が前に傾いておなかが引っ張られ、腰が反ってしまう状態のこと。
原因として、太ももや足のつけ根の筋肉が硬くなっている、腹筋が弱くなっていることなどが挙げられます。縮んだ筋肉を緩めたり、おなかを鍛えたりするヨガポーズで、反り腰改善を目指してくださいね!
1日のモチベーションを高める「朝ヨガ」
朝ヨガには、寝姿勢でこわばった背中や腰の筋肉をほぐしたり、やる気や元気の源になる「気」を巡らせたりする効果が期待できます。
1日の始まりを贅沢な時間にする朝ヨガ、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
この記事では、動画ではなく写真で細かい動きを解説しています。
寝る前にベッドでできる「夜ヨガ」
ヨガの深い呼吸で安眠を促す夜ヨガ。ゆったりとしたストレッチのような動きで血液や体液の流れをスムーズに促し、むくみが気になりにくい体に整えます。
ベッドに入った後、寝る前にちょこっとヨガポーズを取ってみるのもおすすめですよ。
リラックスしたい時におすすめの「陰ヨガ」
陰ヨガとは、1つのポーズを2~3分と長く行うリラックス系のヨガのこと。別名「restorative yoga(リストラティブ・ヨガ)」と呼ばれ、筋肉の緊張を緩めて体を休める目的で行われます。
寝る前や疲れている時など、リラックスしたい時におすすめです。
少し強度を上げたい上級者さんには「アシュタンガヨガ」
アシュタンガヨガとは、基本的なポーズから強度の高いポーズまでを順番で行うヨガ。太陽礼拝など、一連の流れを繰り返し行うため、運動量が多いのが特徴です。
全身の筋肉をフル活用させ、筋肉の可動域や柔軟性を高めていきます。継続して行うことで体へのポジティブな変化が感じられ、結果的に気持ちが前向きになる効果も期待できるでしょう。
ヨガの効果を実感するためのポイント
最後に、ヨガの効果を実感するためのポイントをいくつか紹介します。
(1)効果的な時間帯は「朝」
ヨガインストラクターの村上華子さんによると、ヨガをするのにおすすめの時間帯は「朝」。
寝起きのヨガで心身を目覚めさせ「今日も頑張ろう!」という、前向きなエネルギーを呼び起こしてくれるんだそうです。
(2)「だらだら1時間」よりも「集中の15分」
また、だらだらと練習する1時間よりも、自分と向き合う集中した15分間の方が、充実度もリラックス度も上がるんだとか。
頻度は毎日、マイペースに継続することが大切だそうですよ。
(3)やりすぎや無理は禁物
アシュタンガヨガなどの強度が高めのフローを行う時は特に、無理のない運動量で行うことを意識しましょう。
ヨガのポーズは優雅に見えますが、実際にやってみると慣れない動きが多く、無理をすると体を痛める原因になりかねません。
上述の通り、マイペースに行うことが大切ですよ!
ヨガで理想の自分に出会おう
ヨガとは、自分と向き合う贅沢な時間。
いつも忙しい日常を送っていると、仕事や家族のこと、友達のこと……のように他人を思うシーンはあっても、「自分」だけにゆっくり向き合える時間って、意外と少ないのかもしれません。
自分のことだけに時間を使う贅沢な時間で、理想の体型やマインドを手に入れられたらうれしいですよね。一緒に頑張りましょう!
(マイナビウーマン編集部)
※画像はイメージです
※この記事は、過去にマイナビウーマンで公開されたヨガインストラクター監修の記事を基に作成しています。