コブラのポーズとは? 効果とやり方&できない時の対処法【ヨガの基本】
太陽礼拝にも出てくる「コブラのポーズ」。今回は、このポーズの効果とやり方をインストラクターの村上華子さんが解説! また、混同しやすい上を向いた犬のポーズ(アップドッグ)との違いも写真とともに説明します。
「コブラのポーズ」はその名の通り、コブラが長い首を伸ばした姿をイメージしたポーズ。
基本的なポーズを13個連続して行う、「太陽礼拝」という一連の動きにも登場するため、ヨガのクラスで行う頻度の高いポーズのひとつです。
ところが、その知名度のわりには「上を向いた犬のポーズ」との違いがよくわからない……。 という疑問が聞こえてくることも。
今回は、コブラのポーズの効果とやり方、上を向いた犬のポーズとの違いについて解説していきます。
コブラのポーズとは?
サンスクリット語では、「ブジャンガ・アーサナ」と呼び、コブラが鎌首を上げて、獲物を狙う、猛々しい姿から名づけられました。
シンプルな後屈系(背中を反らせる)のポーズですが、体の基礎的な使い方を学べるのがポイントです。
また、後屈系のポーズで大切なのは、見た目の完成度よりも、ポーズのキープ中「心地良いいか、苦しいか」です。このような体感によって、体が上手く使えているか、判断できるポーズともいえます。
ポーズの効果
主なポーズの効果は以下の通り。
美しい姿勢を作る
お腹や胸を伸ばしながら、背筋を使って上半身を持ち上げるので、背中の筋肉をしっかり働かせて強化。周囲の目を引く、美しい姿勢に整えてくれます。
やる気アップ!
ヨガでは、背骨に沿って主要な“気(※)の流れの通り道”があると考えることから、背中のコリをほぐし整えることで全身に気が巡り、心も体も活性化していきます。
※気……ヨガにおける生体エネルギーのこと
コブラのポーズのやり方
ここでは、コブラのポーズのやり方についてくわしく解説します。
ポーズの手順
1.うつぶせの姿勢で、足は骨盤の幅に開く。両手を胸の横に置き、脇は閉める。
2.息を吸いながら、足の甲と太もも、恥骨で床を押して、上半身を持ち上げる。
3.吐く息で肩甲骨を下げ、耳から肩を遠ざける。
4.肘が伸びきらないところで、そのまま3~5呼吸姿勢をキープ。
ポーズのコツとNG例
上半身を持ち上げるとき、実は、手の力はあまり使いません。その代わり、手のひらで床を後ろに引くような意識を加えることで、二の腕の筋肉が働き、引き締め効果が生まれます。
また、つま先から頭頂まで、ゆるやかな弧を描くようなイメージで伸びていくと、気持ちよく体を誘導することができます。
肩をすくめてしまうのはNG
下半身の土台が、気持ちの良い背骨のムーブメントの鍵に。ところが、体を持ち上げることばかりに意識が先行すると、肩や首がつらいポーズになってしまいます。
肩甲骨を下げて首回りをスッキリ!
手のひらで床を押しながら上半身を持ち上げる際、ついつい肩に力が入ってしまうという人は、下半身の使い方を今一度確認してみましょう。
かかとはまっすぐに
足の甲でも床を押すため、かかとを外側に向けないことがポイント。足のつけ根からつま先まで、まっすぐなラインを保つように足を伸ばしましょう。
肘を伸ばし切らない
恥骨が浮くと、腕だけで上半身を支えることになり、肩が自然と持ち上がってしまいます。肘を伸ばし切らず、恥骨と太ももを使って床を押すと◎。
下半身の安定が肝
下半身を安定させることでポーズの土台ができ、背骨がうまく使えるように。上半身が無理なく引き上がると、その結果、肩の力が抜けて、首回りもすっきり! さらに、首や肩周りにスペースが生まれると、気持ちいい呼吸が行えるようになります。
「上を向いた犬のポーズ」とはどう違う?
どちらも床に手をつけ、上半身を持ち上げる動きなのですが、実はそれぞれの目的が違います。
例えば、コブラは地を這う生き物。そのイメージの通り、恥骨と足(下半身)を床につけた状態で、大地を感じながら、背筋を使って上半身を持ち上げる動きを行います。
それに対し、上を向いた犬のポーズは“犬が顔を上げて伸びをしている”ような形を取るポーズ。腕をしっかり伸ばし、恥骨を浮かせ、手のひらと足の甲で体を支えます。その動作のなかで、肩甲骨を内側に引き入れ胸を開く。さらに足を使って体を支えることで、腹筋が生かされ、その結果として背中が伸びていくというアプローチになります。
大きな視点で見ると、“体の背面に効かせる”コブラのポーズと、“体の前面に効かせる”上を向いた犬のポーズという風に、お互いは似て非なるものなのです。
コブラのポーズで自分と対話しよう
体の使い方の理解を深めながら、練習を行っていくと、気づいたらふっと無理なくポーズが行えている! という、うれしい体験がやってきます。
また、コブラのポーズと上を向いた犬のポーズの目的は違うとお伝えしましたが、どのヨガのポーズも、つま先から頭のてっぺんまで、ひとつながりで動いているという感覚は共通です。
体の動きを丸ごと感じながら、ポーズを作るプロセスを大切にして、自分と対話するための時間にしていきましょう。
(文:村上華子、撮影:洞澤佐智子)
ヨガのポーズ一覧
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※この記事は2019年11月29日に公開されたものです