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弓のポーズとは? 効果とやり方・できない時の対処法を解説【ヨガの基本】

村上華子(ヨガインストラクター)

弓のポーズとは、胸や肩周り、太ももを使うヨガポーズ。さまざまな筋肉を使うため、特に初心者さんは膝が痛い、胸が上がらないなど「できない」と悩んでいる人も多いのでは? ヨガインストラクターの村上華子さんが、ポーズのやり方と効果を解説します。

「後屈系(背中を反らせる)ポーズが苦手!」という人でも、体のパーツごとに分解して動作の方向性がわかると、無駄な力みが抜け、爽快感を味わうことができます。

効果的な体の動かし方や、目線の方向で変化する首のリラックスなど、弓のポーズから心地よい後屈のコツを紐解いていきましょう。

今回は、そんな弓のポーズの効果とやり方、うまくできないときの対処法をお伝えします。

弓のポーズとは?

「弓のポーズ(ダヌラ・アーサナ)」は、「弓の弦」が語源になったポーズ。

その名の通り、両手で足首をつかみ、体を弓なりに反らせます。これら、背中を反らせる後屈系のポーズの醍醐味は、胸まわりの筋肉が大きく広がることで呼吸が深まり、前向きな気持ちにシフトチェンジができるところ。

ところが、体の準備ができてないまま無理に行うと、腰が痛い、首がつまって苦しいなど、本来の爽快感とは程遠いものに。

意外かもしれませんが、体の柔軟性だけではポーズをうまく行うことができません。“腹筋力”や、“中心感覚(軸の捉え方)”も大切なポイントに。

上半身と下半身、それぞれのほぐし方や、ポーズをさらに心地良いものにするためのコツを、ひとつひとつ段階を踏みながら掴んでいきましょう。

ポーズの効果

ポーズの効果は以下の通りです。

姿勢が美しくなる

胸の周辺や肩回りの筋肉をストレッチすることで上半身のコリをほぐし、美しい姿勢の意識づけに。

むくみ緩和と血行促進

太ももの大きな筋肉や、リンパが多く集まる足のつけ根(鼠径部)を刺激するので、下半身のむくみ緩和や、全身の血流を促すのにも効果的。

運動不足や、末端冷え性の人にもおすすめです。

弓のポーズのやり方とコツ

ここでは、弓のポーズのやり方についてくわしく解説します。

弓のポーズのやり方1

1.うつ伏せになり、両腕は体側に置く。足は腰幅程度の間隔を保ちます。

2.両膝を曲げていき、それぞれの手で足首を掴む。ここで膝の間が大きく開かないよう、腰幅をキープしておく。

3.息を吸いながら、掴んだ手と足で互いに拮抗(※均等に引っ張り合う)させて上体を引き上げる。

4.おへその下に重心を置くようなイメージで、下腹を引き締める。そのままの姿勢で3~5呼吸キープ。(反動をつけないように)息を吐きながら、1の姿勢に戻る。

ポーズのコツ

あごを上げて頭を後ろに傾けると、首の後ろがつまって窮屈な姿勢に。

視線は正面、もしくはやや下に向けることで首を穏やかに伸ばすことができます。背中側では肩甲骨を引き寄せながら、肩から耳を遠くに離すようなイメージで肩回りをスッキリとさせましょう。

弓のポーズがうまくできないときの対処法

気持ちが先行するあまり、体の準備が整わない状態で無理に足を引き寄せようとすると、腰や膝を痛めるリスクが高まり危険です。

ここでは、上半身と下半身、それぞれ違うアプローチから柔軟性を高め、心地良く動作を行うコツを探ります。ポーズがうまくできないときの参考にしてください。

足が掴みにくい場合はエクササイズで準備

上半身、特に左右の肩甲骨を引き寄せる感覚や、胸まわりの柔軟性が十分に培えていないと、手と足の距離を近づけることに苦戦してしまいます。

無理に足を掴んだとしても、腰に負担がかかりすぎてしまたり、膝が大きく開くことで、上半身が床方向に崩れ、せっかくの胸の解放感が味わえないという結果に……。

無理に足を掴むために、膝の間隔を過剰に広げてしまうのは×。肩甲骨を寄せる意識も弱いので肩が持ち上がり、首回りが窮屈な状態に。

NG例のようなポーズになってしまうときは、次に紹介する準備のエクササイズを行い、体を十分にほぐしていきましょう。

体をほぐす準備エクササイズ

胸と腕の境目にある筋肉や肩甲骨周辺をほぐすので、弓のポーズやコブラのポーズ、ラクダのポーズといった後屈系の準備に最適です。

1.楽な姿勢で座り、後ろで手を交差する。

2.息を吸い、互いの手を押し合いながらできる範囲のところまで腕を引き上げる。同時に肩を下げ、左右の肩甲骨を引き寄せる意識も保つ。

3.3呼吸ほどキープしたら、吐く息で腕を下ろし、楽な姿勢に。組む手の上下を入れ替えて、同様に行う。

腰に痛みを感じる場合は「反りすぎない」

腰に痛みを感じる場合の多くは、自分が持つ柔軟性よりも過剰に背中を反りすぎていることが考えられます。

膝を腰幅以上に開かないようにする目的のひとつは、腹筋を意識するため。おへその下(丹田)に重心を置くように、下腹を締めることで腰への過剰な負担を軽減できるのです。

また下腹を締めることで、“中心感覚(軸の捉え方)”も見つかるので、ポーズが安定し、無理なく心地良いカーブを描けるようになります。

膝を腰幅に保ち、腰がつまりすぎないように。おへその下(丹田)辺りでバランスを取るような意識で全身をすらりと伸ばしたい。

膝に痛みを感じる場合は筋肉をゆるめよう

写真)腕で体を支えながら、片脚ずつ膝を曲げて大腿四頭筋を伸ばすエクササイズ

膝に痛みを感じる場合は、膝の周辺や太ももの前面にある筋肉をゆるめる準備がおすすめです。うつ伏せの姿勢で、片方ずつ足を体に引き寄せるようなストレッチが効果的。息を止めずに、心地良い刺激を感じる程度に行います。

「反らせる意識」は一旦手放そう

弓のポーズが苦手な方の多くは「反らせる」ことに多くの意識を向けすぎているのかもしれません。

後屈系のポーズなのに、反らせることではない、というのはちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、それ以上に肩甲骨の引き寄せや膝の間隔を意識し、「中心に集めながら、ゆるやかに伸ばす」イメージが重要なのです。

また、恥骨が床に当たると痛む場合は、お腹の下にブランケットを敷くなどの対策が◎。

大切なのは、焦らず、しっかり準備を行うこと。そうすれば、弓のポーズの恩恵は多くの人に体験していただけると思います。

(文:村上華子、撮影:洞澤佐智子)

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チャトランガ・ダンダアーサナ

※この記事は2020年01月23日に公開されたものです

村上華子(ヨガインストラクター) (ヨガインストラクター)

ヨガインストラクター、薬膳フードデザイナー。綿本彰氏のもとでヨガを学ぶ。2008年、ヨガ仲間と銀座に「HASYOGA」を立ち上げる。現在は、伝統的なヨガのクラスに加えて、身近な食材で作る、薬膳講座なども開催している。

インスタグラム:https://www.instagram.com/tokimusubian/

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