木のポーズとは? 効果とやり方&ふらつく時の対処法【ヨガの基本】
木のポーズとは、サンスクリット語で「ブリクシャ・アーサナ」と言います。今回は、ヨガインストラクターの村上華子さんがやり方と効果を解説。ふらつく、足が上がらないなどできない時の対処法と、少し難易度を上げたバリエーションの増やし方も紹介します。
片脚で伸びやかな姿勢を保つ「木のポーズ」は、ヨガの代表的な立位のバランスポーズです。
姿勢を安定させる秘訣は、体幹(コア)の意識にあり。シンプルな動作でありながら、頭上に伸ばした腕の角度によってさまざまな体験が得られるなど、実は奥が深いポーズでもあります。
今回は、木のポーズの効果とやり方、バランスが取れないときのコツなどをお伝えします。
木のポーズとは?
サンスクリット語で「ブリクシャ・アーサナ(木のポーズ)」と呼ばれる、立位のバランス系ポーズ。
大地に根を張るように、体の中心軸を意識しながら、ゆるぎない土台の強さと、しなやかなバランス感覚を養います。
片足で姿勢を保つためには、次に挙げるポイントを同時に意識する必要があります。
ひとつ目は、軸足の太ももの筋肉を強く保ち、持ち上げた足裏と押し合うことで、下半身に力強さと安定感を生み出すこと。その働きの連動作用によって、上半身が伸びやかに、軽やかに整います。
2つ目は、視線を一点に集中すること。これも重要なポイントで、視線が安定することで、心と体に調和的なバランスをもたらします。
ポーズの効果
主なポーズの効果は以下の通りです。
全身にエネルギーが巡る
バランス系のポーズは体幹を鍛えたり、美しい姿勢に整えたりするほか、全身にエネルギー(生命エネルギー)を巡らせるなど、シンプルな動きの中にたくさんのメリットがあります。
集中力と自信を高める
微細なバランス調整を探る意識によって、集中力を高めます。また、「倒れるのではないか?」という不安を克服することで、自分への信頼感も生まれます。
木のポーズのやり方とコツ
ここでは、木のポーズのやり方についてくわしく解説します。
1.足の裏全体で床を踏みしめながら、背筋を伸ばす。
2.右脚を持ち上げて、徐々に左脚へ重心を乗せる。右足を、軸足になる左脚の太ももに押しつける。太ももと足裏で互いに押し合うイメージで。
3.もう一度、左脚の裏全体で床を踏みしめたら、息を吸いながら両手を持ち上げ胸を引き上げる。視線を一点に保ち、3~5呼吸キープ。1に戻り、脚を入れ替えて反対側も同様に行う。
応用編
両腕を肩幅に開いた状態で真上に上げた3のポーズでは集中が深まります。
一方、両腕をY字に開くと解放感が増していきます。
どちらか好きなほうを選び、自分に合ったポーズで心地良くキープしましょう。
木のポーズがうまくできないときの対処法
バランスポーズの醍醐味のひとつは、中心感覚を磨くことと、呼吸が深まること。片脚を高く上げなくても、まずは、心と体が安定する形を見つけていきましょう。
ふらつく場合
片脚を高く持ち上げるとふらつく場合は、足を持ち上げなくてもOK。つま先を床に置いた状態で、かかとを軸足に軽く押しつけ、中心感覚を意識していきます。
足がすべる場合
ポーズがぐらついて安定しない、または、持ち上げた足裏がすべるという場合は、軸足の太ももがうまく活用できておらず、軸の意識がゆるんでいることが多くあります。
その場合、持ち上げた足裏を太ももに押しつける動作によって、骨盤の左右が大きくゆがむので、ポーズの要になる土台の安定感がなかなか培われません。意識すべきことは、軸足の太ももをしっかり引き締め、足裏と互いに押し合う感覚。
それによって中心感覚が磨かれ、ポーズが安定することで、同時に足のすべりも解消されます。それでも改善しない場合は、ヨガウェアの素材などに影響があるかもしれないので、今一度見直してみましょう!
2つの感覚を楽しめる木のポーズ
腕の角度によって、得られる感覚が異なる木のポーズ。
腕を肩幅に保ち持ち上げることで、まるで杉の木のような、真っすぐに立ち昇る強さや集中力が培われます。反対に、腕を横に広げることで、胸まわりや肩の解放感が増していくでしょう。
腕の角度によって変わる、「集中」と「解放」の体験。そんな感覚の違いを楽しめるのも、木のポーズの奥深さです。
シンプルでありながら、心の状態まで反映される優れたヨガポーズ。木のポーズを通じて、日々変わるバランス感覚を楽しんでください。
(文:村上華子、撮影:洞澤佐智子)
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※この記事は2020年01月24日に公開されたものです