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雑学 女性の身体

産婦人科医に聞く! 女性ホルモンが「多い女性」と「少ない女性」のちがいとは

女性の体調バランスに大きく関わっている「女性ホルモン」。整っているとなんとなくいいことはわかっていても、「分泌量のちがいによって体や性格にちがいはあるの?」「多ければ多いほどいいの?」など、疑問に思うことも多いですよね。そこで今回は、そんな女性たちの疑問を解消するべく、聖マリアンナ医科大学の五十嵐豪先生にお話を伺いました。

■読者アンケート「女性ホルモンが『多い人』と『少ない人』のちがい」とは?

まずは読者の働く女性たちに、女性ホルモンが「多そうな人」と「少なそうな人」のちがいに関するアンケート調査を実施。それぞれの特徴のイメージについて考えてもらいました。

<「女性ホルモンが多そうな人」のイメージ>

◆胸やおしりが大きい人

・「バストが大きくハリがあり、おしりが大きく引き締まっている」(34歳/小売店/販売職・サービス系)

・「胸やお尻が大きい人」(26歳/医療・福祉/専門職)

◆ふっくらした体つきの人

・「ふっくらしていて、女性らしい体つきの人」(30歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

・「女性らしい丸みがある。太っているまではいかないが、ふっくらしたイメージ」(33歳/人材派遣・人材紹介/販売職・サービス系)

◆肌がつやつやしている人

・「肌が潤っている」(29歳/学校・教育関連/専門職)

・「肌がつやつやしている」(25歳/人材派遣・人材紹介/事務系専門職)

胸やおしりの肉づきがよい女性らしい体型の人や、肌が潤った人など、女性ホルモンの多さは見た目に顕著に現れるのでは、と考えている女性が多い様子。続いて、女性ホルモンの分泌が少なそうな人のイメージについても聞いてみました。

<「女性ホルモンが少なそうな人」のイメージ>

◆痩せている人

・「全体的に痩せていて細い」(30歳/情報・IT/事務系専門職)

・「痩せている女性」(34歳/医療・福祉/専門職)

◆いつもイライラしている人

・「イライラしていることが多く、ヒステリーになりがちな人は、女性ホルモンのバランスが崩れていそう」(33歳/食品・飲料/事務系専門職)

・「感情の起伏が激しく、いつもイライラしている人」(27歳/建設・土木/事務系専門職)

◆筋肉質な体型の人

・「筋肉質でアスリート体型をしてそう」(30歳/団体・公益法人・官公庁/専門職)

・「筋トレをやっていて、筋肉質な人」(33歳/医療・福祉/専門職)

■専門医が解説! 女性ホルモンが「多い女性」と「少ない女性」のちがい

読者の女性たちに聞いたところ、女性ホルモンが「多い女性」と「少ない女性」のイメージは、どうやら対照的のよう。女性たちのイメージは果たして正解なのでしょうか。また、そもそも女性ホルモンが「多い」「少ない」のちがいはあるの? 女性ホルモンにくわしい医師の五十嵐豪先生が解説してくれました。

今回お話をお伺いした、五十嵐豪先生

日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学会専門医。平成14年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業。現在は、聖マリアンナ医科大学病院婦人科副部長を勤め、多くの女性たちの悩みと向き合っている。

◆女性ホルモンにはどんな種類があるの?

 大きくわけて、女性ホルモンには2つの種類があります。一般的にはエストロゲンと呼ばれることもある、「エストロジェン」。そして、もうひとつは「プロゲストロゲン」。これらは、女性らしい体を作り上げる作用があるほか、妊娠する能力を築く働きを持っています。それ以外に、エストロジェンには骨の形成を手助けしたり、子宮の筋肉を発達させたりする働きがあります。また、悪玉コレステロールの数値を下げるほか、皮膚を保湿する効果も。一方、プロゲストロゲンには子宮内の膜を肥厚させたり、基礎体温を上昇させたりする働きがあります。この2つが正常に分泌されていると、受精卵が着床しやすい環境が子宮の中に作り上げられるのです。

◆一般的に「女性ホルモンが多い人」は存在しない!?

女性の体における女性ホルモンの分泌量は、正常であれば一定に保たれています。したがって、女性ホルモンが過剰に増えるということは、医学的な行為を施さなければ、一般的にはあり得ません。この“医学的ケース”とは、体外受精で卵子を育てるために女性ホルモンを注射するなどの場合。それが何もしない自然状態で増えるということは、まず考えにくいです。

たとえば、みなさんの意見にあった「女性ホルモンが多い人は胸が発達している」という話ですが、生理前に胸が張ったり、妊娠により一時的に乳腺が発達してサイズが増えたりということはあるかと思いますが、もともとの遺伝などによる“個体差の問題が大きい”と言えるでしょう。欧米の女性と日本の女性では、体型にちがいがありますよね。

したがって、「女性ホルモンが多いのか、少ないのか」ではなく、「正常なのか、少ないのか」という議論になってくると思います。ということで、さまざまな原因によって「女性ホルモンが少ない人」は存在すると言えるでしょう。

◆「女性ホルモンが少ない人」の特徴とは?

一般的に言われているのは、「無月経」ですね。もちろん、無月経になってしまう原因はさまざまあるので、一概に「女性ホルモンが少ない人=無月経」と言い切れるわけではありませんが、ひとつの可能性ではあります。あとは、激しいストレスを抱えている人。そして、体重の増減が激しい人も考えられますね。

女性ホルモンが少なくなってしまう主な原因としては、「急激な痩せ」「喫煙」「染色体の異常」などが挙げられます。特に、激しいダイエットをしているとき、体が飢餓状態になると脳の部分に障害が起こってしまい、卵巣へ正しい指示が行かずに生理が止まってしまう例があります。生理が止まっている状態は、女性ホルモンの分泌が悪くなってしまっているということです。また、喫煙をしている女性は、平均して閉経が2年ほど早くなってしまうという報告も。ということで、喫煙自体が卵巣へ悪影響を与えていると言えるでしょう。

◆女性ホルモンが少なくなってしまうことのデメリット

まずは、「骨粗鬆症のリスク」が上がるということ。それに加え、40歳未満で閉経してしまった女性は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がるという報告もあります。また、海外の文献では、記憶力の低下や死亡率の上昇も指摘されています。ただし、これらは「40歳未満で閉経してしまうほど、女性ホルモンが少ない場合」だと考えてください。

女性ホルモンの分泌が少なくなってしまうには、必ずどこかに原因が潜んでいます。卵巣の機能が悪い場合だけでなく、甲状腺の病気や母乳を出すホルモンであるプロラクチンの増加なども考えられるでしょう。若いころに女性ホルモンの分泌が少なかった場合、先ほど説明したリスクに後々起因することもあるので、ぜひ働く女性のみなさんには自分自身の体としっかり向き合ってもらいたいですね。

■まとめ

よく女性たちのあいだでは、「女性ホルモンが多い人」という表現を使うことがありますが、これは一般的に間違った概念であることが判明しました。また、女性ホルモンの分泌が少ない人は、「急激なダイエットにより痩せている」「ストレスを抱えている」など、女性たちのイメージが当てはまる部分も。女性ホルモンの分泌が「正常か、少ないか」という観点で考えた場合、やはり女性ホルモンの分泌が少ないことによるデメリットは多々ある様子。ぜひ、自分の体を見つめ直して、ホルモンバランスの整った健康的な体を築いていけるといいですね。

(監修:五十嵐豪、取材・文:マイナビウーマン編集部)

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