育児 育児
2023年01月17日 15:05 更新

離乳食の野菜は何から始める?おすすめの順番・進め方と楽チン調理テク【管理栄養士監修】

野菜には、ビタミンやミネラルなど体の調子を整える栄養素が含まれます。離乳食ではいつから、どんな野菜から食べさせたらいいのでしょう。離乳食の野菜の進め方、調理のコツ、注意点などについてお話しします。

離乳食で野菜はいつからOK?

野菜

離乳食はいろいろ不安なこともありますね。野菜はいつから食べられるようになるのか見ていきましょう。

野菜は離乳食初期から食べさせて大丈夫!

離乳食の初期、つぶしがゆに慣れてきたころから野菜も食べさせていきます。野菜のかたさの目安は、おかゆと同じようになめらかにすりつぶした状態で、「ヨーグルト」または「ポタージュ状」です。食べさせる量についてもおかゆと同じように1さじから始め、徐々に増やしていきましょう。

離乳食の初期でも食べられる野菜

離乳食の初期におすすめなのは、にんじんかぼちゃかぶ玉ねぎなどの甘みのある野菜です。つぶしがゆに慣れてきたら、これらの野菜をやわらかくゆでてなめらかにつぶしたり裏ごして使います。野菜は食物アレルギーの心配は少ないですが、新しい食材を食べさせるときは、1日1種類ずつ増やしていきましょう。

関連記事▶離乳食の基本「おかゆ」の作り方|つぶしがゆ~5倍がゆ

離乳食の野菜の進め方

離乳食の野菜はどのように進めたらいいのでしょうか。たくさん食べて欲しいと思っても、思ったように進まないこともありますよね。オーソドックスな進め方をご紹介しますので、一つの参考にしてください。

離乳食の野菜の進め方のポイント

最初は甘く舌ざわりのよい野菜がおすすめ

かぼちゃの裏ごし

ごぼうなどの繊維の多い野菜やナスなどのアクの強い野菜は、離乳初期の赤ちゃんには食べにくいので、甘みがありクセの少ない野菜からはじめていきましょう。甘みのあるにんじんやかぼちゃなどは、下ごしらえの際に、皮をむいてゆでて裏ごしやすりつぶすと、なめらかに仕上がり、赤ちゃんが食べやすい野菜です。

慣れてきたら葉もの野菜もプラス

ほうれん草の裏ごし

にんじんやかぼちゃなどの野菜に慣れてきたら、白菜ほうれん草小松菜などの葉もの野菜も取り入れていきましょう。繊維が多いと食べにくいので、やわらかい葉先部分をゆでてペースト状にして与えます。また、ほうれん草や小松菜はゆでたときにアクが出てきます。ゆでた後は水にさらしてアクを抜いてから使いましょう。

クセのある野菜は中期~後期から

ナスとズッキーニ

離乳食がすすんでくると、食べられる野菜も増えてきます。しかし野菜の中には、苦みの強いものや、食感が硬いものがあります。離乳初期からそういった野菜を与えると、赤ちゃんもびっくりしてしまい、次の野菜にすすめることが難しくなってしまうことがあります。甘みがあり、クセの少ない野菜からはじめましょう。

離乳中期からは、なすズッキーニなど少しアクのあるものにもチャレンジしてみてもいいでしょう。無理にはじめる必要はありませんが、食べにくいようであれば慣れているおかゆや甘みのある野菜と一緒に食べさせることもおすすめします。

主な野菜の時期別の目安

離乳初期でも食べられる野菜

野菜ごとに異なる開始時期の目安を一覧にしました。初期から使えるものもあれば、中期や後期からの方がよいものもあります。それぞれの野菜の詳しい解説ページもありますので、参考にしてくださいね。

■初期からOKの野菜

初期
(5〜6ヶ月)
中期
(7〜8ヶ月)
後期
(9〜11ヶ月)
完了期
(1歳~1歳半)
にんじん
かぼちゃ
かぶ
大根
トマト
小松菜
キャベツ
ブロッコリー
玉ねぎ
さつまいも
アスパラガス
レタス
チンゲン菜
白菜
きゅうり

◎:おすすめ!
○:OK! 適量を食べやすい硬さ・大きさで
■中期・後期からOKの野菜

初期
(5〜6ヶ月)
中期
(7〜8ヶ月)
後期
(9〜11ヶ月)
完了期
(1歳~1歳半)
なす
ズッキーニ
いんげん
ミックスベジタブル
里芋
れんこん
もやし
山芋
ねぎ
アボカド
ごぼう

◎:おすすめ!
○:OK! 適量を食べやすい硬さ・大きさで
△:避けたほうが無難
✕:食べさせない

離乳食に野菜を入れるときのテクニック

離乳食に野菜を取り入れるときはどのように調理したらいいのか、ポイントについてお伝えします。

離乳食の野菜の調理のポイント

最初は裏ごしして舌ざわりをよくする

最初は野菜をやわらかくゆでて「ヨーグルト状」または「ポタージュ状」にします。裏ごしをすることで、つぶつぶ・ざらざらした食感がなくなり、赤ちゃんが飲み込みやすくなります。野菜を細かく切ってからゆでるとなかなかやわらかくならないので、大きめに切ってゆでることがポイントです。

芋類はすりつぶす

じゃがいもやさつまいもなどの芋類は、裏ごし器を使わなくてもすりつぶすだけで十分やわらかくなめらかになります。水分が少ないとパサパサしたり、ボタッとして飲み込みにくいので、白湯や野菜のゆで汁でのばして、なめらかに仕上げましょう。

とろみをつけて食べやすく

野菜をおかゆに混ぜる

野菜の繊維が口の中でバラバラになったり、サラサラで水っぽかったりすると、赤ちゃんがうまく飲み込めないことがあります。おかゆに混ぜたり、片栗粉や米粉でとろみをつけたりしてのどごしをよくすることで、赤ちゃんが飲み込みやすくなります。

食べないときはスープにする

野菜をなかなか食べてくれないこともあります。そんな時はとろみをつけたスープにすることでのどごしがよくなります。スープは野菜の栄養を手軽に取れて、水分の補給もできます。また野菜をゆでた時に残るゆで汁はうま味のある野菜スープとして、だし汁の代わりに使うこともできます。

関連記事▶簡単で万能「離乳食の野菜スープ」アレンジレシピと保存テクニック【管理栄養士監修】

野菜の冷凍保存が便利

離乳食用の野菜の冷凍保存

よく使う野菜は、やわらかくゆでた後、水分をしっかり切って1回分ずつに分けて冷凍すると、次の離乳食作りが楽になります。下処理が終わっているので時短になりますね。

食材によっては冷凍に向かないものもありますが、ペーストやピューレ状にすれば冷凍できる野菜もあります。冷凍した野菜は1週間を目途に使い切り、鍋やレンジなどで再加熱をして食べさせましょう。

関連記事▶離乳食の冷凍保存|メリットやポイント、食材別テクニック

離乳食に野菜を取り入れるときの注意点

野菜は離乳初期から食べるものですが、ちょっとした注意点もあります。

アレルゲンになる野菜に注意

離乳食を食べる赤ちゃん

乳児期の食物アレルギーの原因は、鶏卵・牛乳・小麦がほとんどを占めます。しかし全ての野菜で絶対にアレルギーを起こさないわけではないので、初めて食べさせる食材は少量にして、念のため医療機関の開いている日の午前中に食べさせましょう。

なお、食物アレルギーとは違いますが、ほうれん草・なす・トマトなど一部の野菜には「仮性アレルゲン」といって、その食べ物を食べた時にじんましんなどアレルギーと同じような症状が出るものがあります。初めて食べさせるものは特に、少量で様子をみておきましょう。

食物繊維の摂りすぎは赤ちゃんの負担になることも

消化機能の未熟な赤ちゃんは、食物繊維の摂りすぎによって便秘や下痢になるなど体に負担がかかります。野菜の皮は分厚くむく、すじや芯などは取り除く、葉もの野菜はやわらかい葉先を使用して茎は使用しないなど、工夫をするようにしましょう。

まとめ

野菜を食べる赤ちゃん

野菜には赤ちゃんの成長に必要なビタミンやミネラル分が含まれています。おかゆに慣れてきたら野菜を積極的に取り入れましょう。旬の野菜は新鮮で栄養価も高く手に入りやすいです。初めは少量から食べさせ、赤ちゃんの食べる様子や体調を見ながらゆっくりと進めてくださいね。

(文:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

PICK UP -PR-

関連記事 RELATED ARTICLE

新着記事 LATEST ARTICLE

PICK UP -PR-