子どもとどう向き合う? シングルマザーが幸せな再婚をするには

離婚してシングルマザーになると、再婚を考える人も多いと思います。とはいえ、シングルマザーの婚活は独身時代の婚活とは考慮するべき点が大きく変わってくるものです。
実際に私が相談を受けたケースなどをもとに、今回はシングルマザーが婚活するときに知っておいてほしいポイントについて解説します。
子連れ再婚で起こりがちな問題とは
結婚したカップルのうち夫婦のどちらかが再婚である割合は10年ほど前に比べて増加傾向にあり、2016年度の厚生労働省による人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」(※1)では婚姻件数の26.8%が夫もしくは妻が再婚の夫婦となっています。
再婚の中でも、子連れ再婚の場合は、夫婦関係だけでなく新しい親子関係をどう作っていくかが問題になります。女性の子連れ再婚の場合、相手の男性、自分の子ども、前の夫との間でどのような問題が起こりうるのでしょうか。
相手男性との間では
シングルマザーになるとつい再婚を焦ってしまいがちです。多くの場合、離婚すると結婚していたときよりも金銭的に苦しくなります。ひとりで子どもを育てるのにはかなりの苦労を伴うので、今の生活から逃れるためにと再婚を急ぎ、「この人と結婚すれば苦しい生活から逃れられそう」という視点で結婚することで、あまり相性のよくない相手を選んでしまい、結局後悔をするというパターンが多く見られます。
金銭面の条件ばかりを重視して結婚してしまうと、また離婚するのには時間も手間もかかり、精神的なダメージも残ります。
「前の結婚は失敗だったけど今回はうまくいくはず」と切り替えて急いで再婚するのも悪くはありませんが、前の結婚のどこが失敗だったのか、どこを修正すればうまくいく可能性が高くなるのかを冷静に考えるほうが、同じ失敗を防げる確率は高くなるでしょう。
子どもとの間では
新しい夫との間に子どもができて、その結果前の夫との子どもをかわいがれなくなるというケースもよく見られます。両親の側が扱いに差が出ないように気をつけていても、子どもは「新しいきょうだいに比べて自分は愛されていない」と寂しい思いをしてしまうこともあるので、非常に難しい問題です。
再婚相手の男性は家族としての連帯感を強めるために自分との間にも子どもがほしいと思うことが多いですが、その結果上の子どもが疎外感を覚えてしまっては意味がありません。
新しい夫との間に子どもを作る場合は、扱いに差が出てしまわないように、子どもが疎外されていると感じないように、惜しみなく愛情を注ぐようにしましょう。
前の夫との間では
前の夫から子どもの養育費が支払われている場合、その子どもが次の夫の養子になると、次の夫の収入に応じて養育費が減額されたり、支払い義務がなくなったりします。
そのため、再婚すると前の夫から養育費の決め直しの連絡が来ることもあります。その場合は再度協議が必要で、調停を行うこともあります。
再婚を考えたときの子どもとの向き合い方
再婚のための婚活をはじめるときは、子どもへのケアが欠かせません。
子どもときちんと向き合わないまま再婚にこぎつけてしまうと、後々家庭内での問題に発展する恐れがあるので、細心の注意を払いましょう。
まず、婚活をする場合は、子どもを親などに預けるようにしましょう。
預ける先を見つけられず、子連れでお見合いやデートに行く人も少なくありませんが、会う相手がひんぱんに変わると子どもはどの人が母親とどういう関係にあるのか、なぜ自分は複数の大人に会っているのかわからなくなって、混乱したり不安になったりしてしまいます。
婚活で子どもを振り回すようなことはせず、ある程度相手との関係が熟成して、結婚が視野に入るようになってから子どもに紹介するようにしましょう。
また、交際がはじまると、相手との恋愛に夢中になるあまり子どもをおろそかにしてしまう女性も見受けられます。
母親として子育てをがんばっている分、女性としての幸せをもう一度手に入れたいという気持ちになるのも人情ですが、婚活だけに集中しすぎず、子どもと接する時間を意識的に持つようにしましょう。
子連れ再婚で幸せになるためのポイント
最後に子連れ再婚で幸せになるためのポイントを2つお伝えします。
再就職のつもりで婚活をしない
上にも書いた通り、金銭面を理由に婚活をしてしまうと後悔することになる可能性があります。相手を選ぶときの視点が、「裕福そうか」「すぐに結婚してくれそうか」という点に偏ってしまうからです。
もちろん経済面は相手選びの際の大きなポイントですが、そこを重視するあまりに十分な恋愛関係を経ずに結婚を決めようとすると、自分と相手の相性が見極められなくなってしまうかもしれません。
「いい彼氏」と「いいパパ」は別
十分な交際期間を経てから結婚したほうがいいとはいえ、交際相手として楽しい相手が子どもにとっていいパパになってくれるとは限りません。
恋愛しているときは「結婚したら君の子どもをちゃんとかわいがるよ」と言っていても、いざ結婚すると面倒になって子育てをせず、自分との間にできた子どもにばかり目をかけるというケースは意外と多いものです。
自分と子どもの両方とうまくやっていけそうな人か、今いる子どもと次に生まれる子どもに分け隔てなく接することができそうな人か、結婚に踏み切る前にじっくりと相性を見極める必要があるでしょう。
オススメなのは、言葉ではなく行動を見ることです。実際に子どもと会っているときの接し方をよく見て、相手と子どもは気が合いそうか、口先だけの人ではないかどうかをチェックしてみるようにしましょう。
シングルマザーの婚活は子ども優先で
婚活と子育てというのはある意味矛盾した性質を持つ行為で、子どもに愛情を注ぎつつ次の男性と一緒になるために恋愛をするというのは両立が非常に難しいといえるでしょう。
子どもの存在をいつ明かすか、どのくらい仲よくなってから引き合わせるか、そういった判断を常に迫られる点で、シングルマザーになってからの婚活は独身時代の婚活とまったく異なります。
夫とは離婚することができますが、母親と子どもの関係は一生続きます。まず自分と子どもの関係を一番大事にして、その上で新しい幸せをつかみたいのであれば、自分と子どもに合う人はどういう人かをよく考えて婚活をするようにしましょう。
離婚で傷ついているときに目の前に素敵な人が現れると、「きっとこの人が幸せにしてくれる」と思い込んでしまいがちです。が、この人は私たち親子の白馬の王子様だ、この人しかいないと思ってしまうと、自分や子どもをその人に合わせるようになってしまいます。
そうした相手ありきの考え方で自分たちを無理に相手に合わせようとしてしまうと、せっかくの新しい家庭内で問題が起きてしまうこともありえます。
一度結婚と離婚を経て結婚へのハードルが下がる心理もあるかもしれませんが、子どものためには2回目こそ失敗できないと考えて、より慎重に婚活をするようにしましょう。
(堀井亜生)
※画像はイメージです
※1 出典:厚生労働省 平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/01.pdf
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