FPに聞いた! 結婚後仕事を辞めるメリット・デメリットとやりくり上手になる方法

最近では結婚した後も共働きをする女性が増えていますが、中には結婚を機に仕事を辞める女性もいますね。では、結婚を機に仕事を辞めて家庭に入ることには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか? 今回は、「結婚後仕事を辞めた場合のお金の面でのメリット・デメリット」や、仕事を辞めた場合にうまく家計を回すための「やりくり上手になる方法」を探ります。
■結婚したら仕事を辞めたい?
そもそも、結婚をしたら仕事を辞めたいと考えている女性はどのくらいいるのでしょうか? その割合や辞めたいと思う理由をアンケートで調べてみました。
◇結婚したら仕事を辞めたいと考える未婚女性の割合
Q.結婚したら仕事を辞めたいと思いますか?
思う(38.1%)
思わない(61.9%)
※有効回答数197件
「結婚したら仕事を辞めたいと思う」と回答した女性は約4割となりました。「仕事を続けたい」という女性のほうが多いようですね。では、辞めたいと思う理由、辞めたくないと思う理由はなんなのでしょうか? それぞれの回答者に聞いてみました。
◇辞めたい理由
☆働きたくないから
・「もう仕事に疲れたから」(23歳/学校・教育関連/専門職)
・「働かないで生活していけるのなら働きたくない」(42歳/その他/その他)
☆専業主婦に憧れているから
・「専業主婦に憧れを持っているから」(22歳/その他/その他)
・「ずっと専業主婦になりたいと思っているから」(24歳/自動車関連/その他)
☆子育てに専念したいから
・「子育てが落ち着くまでは、家のことをしてあげたい」(36歳/その他/事務系専門職)
・「子どもができたらそばにいてあげたいので」(25歳/学校・教育関連/その他)
「結婚を機に仕事を辞めたい」と回答した人からはこうした理由が挙がりました。中でも多かったのが「働きたくないから」というもの。現在の仕事が合わない人や仕事に疲れている人にとっては、結婚は仕事を辞めるちょうどいい機会なのかもしれません。
また、子どものころから専業主婦に憧れている人や、子育てに専念したいことが理由で仕事を辞めたいと思っているという意見も見られました。
◇辞めたくない理由
☆経済面が不安だから
・「2馬力のほうがいざというときに安心。自立していたいとも思うから辞めたくない」(22歳/自動車関連/技術職)
・「2人で働いたほうがお金がたまり、生活が裕福になりそうだから」(21歳/その他/その他)
☆仕事が楽しいから
・「自分が今第一線で働いているし辞める理由がない」(41歳/医療・福祉/専門職)
・「仕事が楽しくて好きだし、自分で使えるお金も持ちたいから」(41歳/機械・精密機器/技術職)
☆専業主婦になりたくないから
・「ずっと家にいるのも疲れるし、働いているほうが自由だから」(42歳/建設・土木/事務系専門職)
・「自分が専業主婦には向いてないとわかっているから」(34歳/医療・福祉/専門職)
「辞めたくない理由」では「経済面が不安だから」という声が多く挙がりました。結婚しても共働きをすれば2人分の収入で家計を支えられますから、よっぽどの理由がなければ共働きが理想ですよね。
また、仕事で重要な役割を与えられていたり、現在の仕事が楽しいから辞めるつもりはない、という人もいます。そもそも専業主婦になりたくないという女性も多いようでした。
■FPに聞いた! 仕事を辞めるメリット・デメリット
では、結婚を機に仕事を辞めることにはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの川部紀子先生に聞いてみました。
◇メリット
生活面、精神面、夫婦の考え方によって、さまざまなメリット・デメリットはあると思いますが、あくまで「お金」面に絞ったメリット・デメリットをご紹介します。
☆夫の所得税・住民税が下がる
妻側が仕事を辞めて働いていない場合、夫は「配偶者控除」という「所得税と住民税が下がる制度」の恩恵が受けられます。
☆国民年金保険料、健康保険料の自己負担がゼロになる
妻は夫の健康保険の「被扶養配偶者」になります。この場合は、健康保険料負担なしで保険証を持つことができます。また、年金保険料の負担なしで国民年金保険料を全額払っていると扱われます(国民年金の第3号被保険者)。※2
☆家計の管理がしやすくお金がたまりやすい傾向がある
夫のお金を完璧に管理し、節約に尽力するという条件はつきますが、専業主婦が家計の管理や節約をしている家庭では、夫の年収が特段高くなくてもしっかりと貯金できる例が見受けられます。会社によっては毎月「扶養手当」などが支給される場合もあります。
◇デメリット
☆世帯年収が下がる
結婚を機に仕事を辞める場合、当たり前ですが共働きの家庭と比べると世帯年収が下がります。大きく世帯年収が下がるのであれば、先に挙げたメリット以上のデメリットとなるでしょう。
☆老後の年金が下がる
厚生年金を払わなくなることで、払い続ける場合よりも将来の年金額が下がります。年金制度は2階建てで、1階が国民年金(基礎年金)、2階が厚生年金です。厚生年金の額は、給料が高いほど、払った月数が多いほど多く受け取れる仕組みなので、人によって大きな差が生じます。
仕事を辞める時期が早ければ早いほど、もらえる厚生年金額は少なくなります。国民年金(基礎年金)は現状満額でも月に6万5,000円程度ですから、それだけだと心細いですね。
☆「もしも」のとき弱くなる
失業や病気、けが、死亡といった、なんらかの理由で夫が働けない状況(収入が得られない状況)になった場合、大変なピンチに陥る可能性があります。また、夫の死亡や離婚といったケースにも対応が難しくなります。
■FPがオススメ! やりくり上手になる方法
結婚を機に仕事を辞めた場合、どのようなことを心がけると、やりくり上手になれるのでしょうか? 川部先生に聞いてみました。
◇家計責任者となる
担当者ではなく家計の「責任者」として、長い目で見て倒れない家計を築く努力と工夫をすることが挙げられます。具体的には「成果を出すこと」です。
たとえば、「3年後に家を買うので3年で500万円の頭金をためる」など金銭面での人生設計を立て、夫の職場の積立制度を調べてフル活用し、家計簿も分析して目標を達成する……こんなイメージです。夫に「独身の自分だったら絶対できなかったよ」と尊敬されるような妻であれば、共働き夫婦よりも貯蓄が多くなることもあるのです。
◇知識と情報を得る
これからの時代は単に節約をするだけでは「強い家計」はつくれません。知識や情報を得て行動することも重要です。以前はまじめに働いていれば強い家計はつくれましたが、これからは給料アップも期待できず、退職金や年金も以前より期待は持てず、消費税の増税も覚悟しなくてはいけないでしょう。
そうした時代の中、たとえば、お得な職場の貯蓄制度や共済はないのかを調べて活用したり、住宅ローンや保険を比較したりすることが重要となります。また、「お得」といわれるふるさと納税や確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)を取り入れるなど、資産運用の勉強をして挑戦するのもいいですね。
キャッシュレス時代に対応するためにクレジットカードや電子マネーをお得に使う方法を探るのもオススメです。知識・情報と行動で格差が広がる時代だと心得ましょう。
◇夫に頼り切らない
現在は、以前ほど夫の収入や退職金に頼れなくなっている時代です。また、専業主婦を優遇する制度も縮小傾向にあります。夫に頼り切らないように心がけ、いざというときに仕事に復帰できるような機動力を備えることは、家計をうまくやりくりするためにも重要なことです。そのためにもまず大切なのは「気持ち」です。
自分は一生専業主婦だと決めつけずに、夫が働けなくなったら「自分はすぐに仕事をはじめられる!」と考えておくことが重要です。
また、再就職を考える場合は、資格の勉強をする、最低限パソコンを使えるようにする、求人情報を見て業種や給料の相場を知る、など実際に働いている人と感覚やスキルに差がつきすぎないように意識して勉強するのもいいでしょう。在宅ワークで収入を得る方法もあります。子育てをしながら、自宅でプチ起業をしてどんどん収入を増やしている人も多くいます。自分の得意な分野を磨くのもいいですね。
■専業主婦になる場合も家計を支える意識を高く持つ
結婚を機に仕事を辞めたいという人は約38%と、およそ3人にひとりの割合でいました。ただ、やはり夫一人の稼ぎでは「もしも」の場合ピンチになる可能性もあるかもしれませんし、夫に頼り切るような考えで家庭に入っても家計を上手にやりくりすることは難しいのではないでしょうか。家計をうまくやりくりして「家」を支えられるよう、川部先生のアドバイスを参考に、高い意識と責任感を持って「強い家計」をつくるよう心がけましょう。
(文:川部紀子、中田ボンベ/dcp)
※画像はイメージです
※1 マイナビライフサポート調べ
調査日時:2018年9月12日~9月13日
調査人数:197人(20~44歳の未婚女性)
※2 夫が会社員・公務員など健康保険に加入している場合
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