一生独身で後悔しないために。知っておきたいメリット・デメリット

50歳まで一度も結婚したことのない人の割合を示す「生涯未婚率」。厚生労働省の研究機関である国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2015年には男性が23.37%、女性が14.06%とここ数年で上昇しているようです。「一生独身でいい」と考えている女性も増えているのかもしれませんね。 そこで今回は、「結婚のメリット・デメリット」と「独身でいることのメリット・デメリット」を45~65歳の女性に調査しました。
■既婚者・未婚者の割合は?
まずは既婚者・未婚者がどのくらいいるのか調べてみました。
Q.あなたは結婚していますか?
している(70.3%)
していない(16.8%)
過去にしていた(13.0%)
(※)有効回答数400件
(※)四捨五入の関係でちょうど100%にならないことがあります。
現在結婚をしている女性は約70%でした。一方の「していない」人は約17%となりました。仮に「していない」と回答した人がこのまま結婚しないのであれば、冒頭で挙げた女性の生涯未婚率14%に近い数値になりますね。
■結婚のメリット・デメリット
「結婚したほうがいい」と勧める人もいますが、結婚は楽しいこともあれば、そうでないこともありますよね。そこで「結婚することのメリット・デメリット」について調べてみました。
◇結婚したことを後悔することってある?
まずは「結婚したことを後悔した経験があるか」を、現在結婚している女性281人に聞いてみました。
Q.結婚を後悔したことはありますか?
ある(41.6%)
ない(58.4%)
(※)有効回答数281件。単数回答式(「結婚している」と回答した人)
結婚を後悔したことのある人は約42%。全体の約4割ほどでした。半数以上の人は結婚したことに後悔はないようですが、後悔した人も確かにいるようです。
◇結婚したことを後悔するのはどんなとき?
では、どんなときに結婚を後悔したのでしょうか? 上で「ある」と回答した117人に聞いてみました。
☆自由な時間がまったく取れないとき
・「毎日の家事はすべて私がしなければならない。正社員で働いているわけではないが、主婦は365日休みがない」(46歳/その他/販売職・サービス系)
・「家政婦のように感じるとき。自分の時間が自由に取れない」(55歳/金融・証券/販売職・サービス系)
☆夫と性格や価値観の相違が生まれたとき
・「配偶者との考え方にギャップがあるとき。性格の不一致など」(51歳/医療・福祉/専門職)
・「住まいのことや子育てに関して、相手と考え方が大きく違うとき」(53歳/小売店/販売職・サービス系)
☆家庭内でトラブルが起こったとき
・「家族との折り合いが悪いとき。自分のための時間をすごしていないので、人生が楽しいと思えない」(51歳/その他/事務系専門職)
・「結婚した後に旦那の借金がわかったとき」(51歳/小売店/販売職・サービス系)
現在結婚をしている人たちは、こうしたときに「結婚して後悔した」とのこと。確かに自分の時間がまったくなく、自由がない状態で生活しなければならなくなれば、後悔してしまうかもしれませんね。
また結婚相手との折り合いが悪くなったり、借金などのネガティブなことが発覚した場合も、「なんで結婚したんだろう……」と思ってしまいますよね。
◇結婚してよかったと思うことは?
一方で、結婚してよかったという声ももちろんあります。では「結婚してよかった」と思うことはどんなことなのでしょうか?
☆家族と日々の出来事を共有できる
・「子どもが生まれたとき。親が亡くなったとき。スポーツ観戦やテレビをみているとき。一緒に喜んだり悲しんだり、気持ちの共有ができると感じたとき」(59歳/学校・教育関連/専門職)
・「楽しいことや喜びをわかち合えることや子どもと一緒に楽しい時間をすごせること。つらいときや不安なときに心強い」(47歳/その他/その他)
☆お互いに支え合える
・「毎日家族のためにやることがあり、私が困っているときは家族が助けてくれるから」(51歳/医療・福祉/専門職)
・「一人ではできないことが、二人ならできる」(57歳/医薬品・化粧品/技術職)
☆子どもに恵まれたとき
・「子どもがいて生活にハリがある。頑張れる」(48歳/医療・福祉/専門職)
・「子どもたちの顔を見ると『結婚してよかったなぁ』といつも思います」(55歳/その他/その他)
「結婚してよかったと思うこと」はこのようになりました。「家族と日々の出来事を共有し、支え合いながら人生を歩んでいけることがよかった」との声が非常に多く挙がっています。
また、子どもを授かったことやその成長を見守れることも、結婚してよかったと思うことのようです。確かにこれらは独身では得られないものでしょう。
■独身のメリット・デメリット
次は、「独身でいることのメリット・デメリット」について調べてみました。
◇独身を後悔することってある?
若いうちは「独身でも問題ない」と思っていても、ある程度の年齢を重ねると「結婚しておけばよかった」と後悔する人も少なくありません。
では実際に「独身を後悔したこと」のある人はどのくらいいるのでしょうか?
Q.独身を後悔することはありますか?
ある(31.9%)
ない(68.1%)
(※)有効回答数119件。単数回答式(「結婚していない」と回答した人)
「独身を後悔することがある」と回答した人は約32%でした。約7割近い人が、独身でいることを後悔したことはないようですね。「独身貴族」という言葉があるように、独身でいることはメリットも多いのでしょうか?
◇独身を後悔するときってどんなとき?
続いて、上の質問で「後悔したことがある」と回答した38人に「どんなときに独身でいることを後悔したのか」を聞いてみました。
☆老後を考えたとき
・「将来の不安(金銭的、認知症などの介護される側になるとき、孤独死)を感じたとき」(48歳/その他/事務系専門職)
・「自分の老後を考えるとき。独りは寂しいから」(52歳/その他/その他)
☆病気になったとき
・「腰から足にかけて激痛が起こり立ち上がれなくなったとき。電話もかけられず半日も倒れた状態だったとき『誰かいてくれたら』と思った」(52歳/小売店/販売職・サービス系)
・「体調を崩したときに」(52歳/その他/事務系専門職)
☆子どものことを考えたとき
・「老後を考えて子どもがほしいと思ったとき」(48歳/団体・公益法人・官公庁/その他)
・「親戚縁者の結婚生活が困難だったのですが、子どもが居ると乗り越えられる、と見ていて感じた時です」(53歳/その他/その他)
多く挙がっていたのが「老後を考えたとき」でした。年を取って体が思うように動かせなくなったり、金銭面で不安になったりしたときに「家族がいれば……」と思ってしまいますよね。
また「病気になったとき」も同じように「誰かがいてくれたら」と思って後悔するものですよね。年齢を重ねるごとにそうした思いが強くなるのかもしれません。また「子どもがほしい」と思ったときに後悔する人が多いようでした。
◇独身でよかったと思うことは?
独身だと「寂しい」と思うこともありますが、反対に「独身でよかった」と思うこともありますよね。そこで独身でよかったと思うのはどんなことなのか独身女性119人に聞いてみました。
☆自由な時間がある
・「自分だけの時間が有り余っている。自分のためだけにお金を自由に使える」(49歳/小売店/販売職・サービス系)
・「時間を自由に使える。身近な人の結婚してからの大変な話を聞いたときに、独身でよかったと思った」(52歳/医療・福祉/専門職)
☆好きに行動できる
・「プライベートにおいて、食べる、寝るなど生活全般で誰にも干渉されずマイペースに生きられる」(59歳/その他/事務系専門職)
・「自分の好きなときに好きなものを食べ、行きたい所に行き、誰かに遠慮することなく自分の時間をすごすことができる」(52歳/小売店/販売職・サービス系)
☆家族関係で悩むことがない
・「生活リズムを自分のペースで行える。舅、姑、小姑などに気を遣わないで済むこと」(49歳/その他/その他)
・「家庭内のいざこざがなく、気ままにすごせます」(61歳/その他/その他)
「独身でよかったと思うこと」では、やはり「自由な時間がある」と「自分の思うようにすごせる」の2つが多く挙がっていました。
家族がいると生活スタイルを合わせたり、どこかに行くにも確認や了解が必要だったりしますが、独身ならそうしたことに縛られることがありませんよね。これは独身最大のメリットといえるでしょう。
また、家族関係や親族関係で悩むことがないのもメリットだとする人も多いようでした。
■結婚したい30代以上の女性が心掛けておきたいこと
最後に、「なんとか結婚したい」と考えている30代女性に向けて、独身を後悔したことがある先輩女性38人から自身の経験を踏まえたアドバイスを挙げてもらいました。
◇若いうちからしっかりと考えて自分を磨く
・「しっかりとした将来のビジョンを持ち自立すること。周囲の意見などを参考にするとしても、自分で決断できるだけの判断力と、魅力的な女性であるよう努力できる強い気持ちと行動力を身に付けること」(49歳/その他/その他)
・「将来のことも含め、自分が一番望んでいることを優先させて自分を高める」(46歳/小売店/販売職・サービス系)
◇積極的に出会いを求める
・「待ちの姿勢を改めて結婚相談所に相談したり、周囲の人に結婚したい意思を広めること。より好みせずに見合いもすること」(53歳/その他/その他)
・「いつかいつかと待っていてもすぐに40代になってしまう。結婚したいなら受け身では駄目。仕事よりとりあえず結婚を優先すべき」(49歳/小売店/販売職・サービス系)
◇望みすぎないことも大切
・「結婚したいなら高望みをしないこと。そして自分の価値を客観的に理解しておくこと」(47歳/金融・証券/事務系専門職)
・「結婚相手に対して妥協することも必要」(46歳/運輸・倉庫/その他)
「なんとか結婚したい」と考えている30代女性に向けたアドバイスとして、この3つが多く挙がっていました。「若いうちから自分を磨き、積極的に出会いを探し、自分に合った相手を求めること」を心掛けておくべき、とのことでした。
■独身生活は気楽だけど孤独や不安も大きくなる
独身生活は「自由な時間」があり、「束縛されない生活」ができるなど、自分だけの人生を思う存分に謳歌するには最高の環境です。
ただ、年齢を重ねる中で次第に「孤独への不安」が大きくなっていくもよう。こうした独身生活によるデメリットは、ある程度の年齢になって後悔しても遅きに失する可能性があります。
もし「もう一生独身でいい」と思っている女性は、こうした「年を重ねても独身でいることのメリット・デメリット」をしっかりと考えて、今後の人生を見つめ直す機会を作ってみてはいかがでしょうか。
(中田ボンベ/dcp)
※画像はイメージです
※マイナビライフサポート調べ
調査日時:2018年5月8日~5月10日
調査人数:400人(45~65歳の女性)
婚活に関するキーワード
婚活に関する記事
