お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「心が疲れた」と感じる理由とは? おすすめ対処法を専門家が解説

高見綾(心理カウンセラー)

理由も無く悲しくなったり、けだるさを感じたりする時はないですか? それは心が疲れた証拠かも。そんな時の対処法を、心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいます。心が疲れたサインを見逃さないようにしましょう。

ふとした瞬間に、「心が疲れているのかな」と感じることってありませんか? 心の疲れは目に見えませんが、さまざまな形で変化として表れます。

そこで今回は、心が疲れた時に見られる代表的なサインや、心が疲れやすい人の特徴について解説します。また、疲れた心を回復するためのおすすめの対処法についても紹介しますので、ぜひ試してみてくださいね。

心が疲れているサインとは?

まずは、心が疲れている時に体や言動・思考に表れるサインをご紹介します。あなたにも、当てはまるものはありませんか?

(1)ちょっとしたことでもイライラする

心が疲れている時は、心の余裕が無くなっています。普段なら気にせず流せるようなことでも、いちいち引っかかって怒りっぽくなります。

「他人の言動にイライラすることが増えたな」と思ったら、それは疲れているサインかもしれません。

(2)食欲が無くなる、もしくは食べ過ぎてしまう

ストレスがあると、食欲に表れることも。食べたいという気持ちが湧かないこともありますし、お腹が空いている訳でもないのについつい食べてしまう時もあります。

(3)すぐに不安になる

心が疲れている時は、感情が揺れやすくなります。些細なことをきっかけにして不安になり、なんとかしようと焦ってさらに不安になると、ネガティブのループに入ってしまうことも多いです。

(4)同じことで悩み続ける

気になったことが頭から離れないことってありますよね。気にしないでいようと思っても、ずーっとぐるぐる悩み続けてしまう時は心が疲れているサインです。

(5)なかなか眠れない

体は疲れているから早く眠りたいのに、頭が覚醒してなかなか眠れない時は、何かしらのプレッシャーがかかっていたり、いろいろなことを考え過ぎていたりして心が疲れている状態です。

(6)体が疲れている

心と体はつながっているので、心の疲れが体の不調として表れることも多いです。なんだかだるいと感じたり、胃腸の調子が悪くなったりすることも。

(7)集中力が低下する

仕事で普段はしないようなミスを連発してしまうなど、注意力が散漫になります。頑張って仕事をしようと思っても集中力が続かない時なども、心が疲れている可能性があります。

(8)意欲が低下する

頑張り続けた結果、心が追い詰められてしまうと、無気力な状態になります。

遊びの約束も面倒に感じたり、いつもなら出かけるのが好きなのに外に出たくないと感じたりする時は、かなり疲れているかもしれません。

心が疲れてしまう原因

心が疲れてしまう理由としては、身体的な要因と心理的な要因の2つがあります。

仕事などで多忙を極めている

心と体はつながっていますので、仕事などで多忙を極めていて体が疲れてくると、心も不調になりやすいです。

体が元気で活発に動ける時は、ポジティブに物事を捉えられますが、朝起きた時に体がだるかったりすると、なかなか前向きにはなれず、心の疲れを感じてしまうものです。

人間関係などの悩みがある

心理的な要因としては、自分の思い通りにならないことが多くてストレスを感じていたり、我慢をし過ぎたりしていると、心は疲れてしまいます。

例えば、好きじゃない仕事をやっていて将来に不安を感じていたり、人間関係がうまくいかなくて自分に自信が持てなかったり、婚活を頑張っているけれど結果が出なかったり。すぐに解決するのが難しいような悩みがある時は、心が疲れやすくなるのです。

とはいえ、全てが自分の思い通りに行くのは難しいもの。トラブルがあっても、その都度気持ちを整理して折り合いをつけていくことができていれば、心の疲れは軽いもので済みます。

しかし、大したことないと思って我慢を続けたり、一人で抱え込んでしまったりすると、行き場をなくした感情が蓄積されてもやもやし、心にゆとりが無くなってしまいます。

心が疲れやすい人の共通点

そんな「心の疲れ」を感じやすい人には次のような共通点があります。

(1)自分を責めやすい

例えば、不機嫌な人がいると、すぐに「私が悪いのかな?」と思う癖がある人は、自分に原因が無いようなことでも、自分のせいだと思ってしまうところがあります。

「人間関係がうまくいかない私がダメ」というように、自分を責める癖がある人は心が疲れやすいです。

(2)自分に厳しい

自分に厳しい人は、頑張ることが当たり前だと思っているので、無自覚なことが多いのですが「ちゃんとしなくちゃ」と自分にプレッシャーをかけ過ぎています。

意欲が高い分だけ、できなかった時に悩みが深くなります。

(3)人との繋がりが薄い

友人・恋人・家族など、親密な関係の人が少ない傾向があります。そういった人は、悩んでも一人で抱え込んでしまい、気付けば職場での軽い会話だけで、それ以外はまともに人としゃべっていない、なんてこともよくあります。

(4)周りを優先して自分を後回しにしがち

相手の気持ちを考えることは大切なことなのですが、周りを優先し過ぎて、自分を数に入れていない傾向があります。自分の気持ちを後回しにし過ぎると、自分の欲求に対して鈍感になってしまうことが多いです。

(5)本音を話せていない

友人や恋人はいても、相手を不快な気分にさせたくないという気持ちが強くて、本音を話せていない人もいます。自分が思っていることと言動が一致していないと、心には大きな負担がかかり疲れてしまうのです。

心が疲れていると感じた時のおすすめ対処法

最後に、心が疲れていると感じた時に、健康な心を取り戻すための対処法をお伝えします。

(1)しっかり寝て休息を取る

心が疲れたなと思ったら、まずはたっぷり休息を取って自分を労わってあげたいもの。「私、よく頑張ったね。お疲れ様」と自分に声をかけて、夜12時前にはベッドに入るのがおすすめです。

そして、寝る前はスマホを見るのはやめて、少し暗めの照明にして一人でボーッとする時間を持ちましょう。

(2)マッサージを受ける

心だけでなく、体も疲れているなと思ったら、マッサージなどに行って体をほぐしてもらうと思いの外元気になることも。

心が疲れている時は、安心してリラックスできる時間が必要です。体からアプローチをすることでラクになることも多いです。

(3)自己否定をやめる

精神的に不安定になっている時は、自分を責めていることが多いです。気付けば「私はダメだなぁ……」と考えてはいないでしょうか?

「うまくいかない時もあるよね」「まぁ、しょうがないか」「これでも頑張ってるし」とつぶやいて、自分を責めるのをできるだけやめてみましょう。

(4)日常に運動を取り入れる

これといって何もしていないのに、心が疲れている気がした時や、悩みでぐるぐるしている時は運動がおすすめ。週に1回のペースで軽い運動をするだけでも、心の状態は随分変わります。

疲れている時に動くのは、最初はエネルギーが必要ですが、運動を始めてしまえばむしろリフレッシュします。

(5)友人や恋人との親密な時間を持つ

親密な時間は心の疲れを取ってくれます。悩みを一人で抱え込まないで、「なんか疲れちゃってるんだ」と話してみると、親身になってもらえたり思わぬ気付きがあったりして、気分が晴れることも。

話すことは、「感情を放す」効果があります。相手に負担をかけたくないと思うかもしれませんが、相手はむしろあなたの力になりたいと思っていることがほとんど。ぜひ勇気を出してみてください。

その日の疲れはその日のうちに解消しよう

心の疲れは目に見えないものですし、自分では大したことないと思っていても、心には負担になっていることもあります。

疲れのサインに気付いたら、なるべく早めにケアをしてあげたいもの。ストレスの一つ一つは小さなことでも、蓄積すれば大きなものになります。できれば、「その日の疲れはその日のうちに解消しよう」と思っておくといいかもしれません。

ぜひ、毎日頑張っている自分を労わってあげる時間を持ってみてくださいね。

(高見綾)

※画像はイメージです

SHARE