ストレスによる食欲不振はなぜ? 食事のポイントと改善法
心配事があると、ご飯が喉を通らない……。こんな経験のある人は、きっと少なくないはずです。でも、ストレスを感じると、なぜ人は食欲がなくなってしまうのでしょうか? 今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに「ストレスと食欲不振の関係性」や「食欲不振の改善法」について、教えてもらいました。
<目次>
ストレスを感じると食欲不振になるのはなぜ?
そもそも、ストレスを感じると途端に食欲がなくなるのはなぜなのでしょうか? まずは、その根本的な原因について探っていきましょう。
ストレスと食欲不振の関係性
ストレスと食欲不振の関係性とは? さっそく小日向さんに解説をしてもらいました。
人が満腹だと感じる理由は、食事を取ることで血液中の血糖値が上昇し、この上昇によって満腹中枢に「おなかがいっぱいです」という信号が送られる、というメカニズムが身体にあるからです。しかし、血糖値は大きなストレスを感じることによっても上昇する場合があります。つまり、脳がストレス反応による血糖値の上昇を満腹だと錯覚することによって、食欲が落ちてしまうのです。
そのほか、ストレスによるホルモンバランスの乱れが満腹中枢の誤作動を引き起こすことも食欲不振の原因です。
ストレスによって起こる体調不良
ストレスによって引き起こるのは、「食欲不振」だけではないですよね。その他、ストレスが原因として考えられる体調不良にはどんなものが挙げられるのでしょうか?
ストレスの影響が身体に現れる箇所ですが、生まれつき弱い部分が「不快症状」となって出てきます。ですので、ストレスを感じても、個人によって出る症状がさまざまなのです。
たとえば、神経質な気質の方でしたら、少しのストレスでもセロトニン不足になり、不眠症状が出ます。また、ストレスのせいで血液が脳に集中的に送られ、胃腸に送られる血液量が少なるため、もともと胃腸が弱い方は胃腸の不快症状(胃痛、下痢、嘔吐など)が現れます。一方、皮膚が弱い方はストレスで身体の抵抗力が弱まり、帯状疱疹や蕁麻疹という症状を引き起こすことも。代表的な身体のストレス反応としては、睡眠障害、胃腸障害、頭痛が挙げられますが、このようにストレスを感じても、すべての人に同じ症状が現れるわけではないのです。