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やっぱり人間関係! 職場で感じやすいストレスと対処法

脊尾大雅(社会保険労務士/精神保健福祉士)

藤奈子

職場でストレスを感じたときの対処法

さきほど述べたように、ストレスが高まった場合のサインが出たら早めに対処をする必要があります。しかし、そのタイミングで対処する場合には遅いともいえます。「ストレスが高まった」ときからではなく、「ストレスを感じることが増えたと思った」ときに対処することが理想です。

では具体的にはどのように対処すればよいでしょうか。重要なのは、職場以外の時間を充実させることです。

週末に自分をリセットする

ストレスからの回復について書いた論文(Fritz Sonnentag,2005)によると、週末の社会活動が週明けのポテンシャルに影響し、健康増進やパフォーマンスの向上につながることが挙げられています。それには次の3つの理由があります。「仕事以外の活動にかかわることで仕事のストレス要因から離れられる」、「職場の人間関係に対して感情をコントロールする努力が少なくてすむ」、「周囲からのさまざまな援助が得られる機会となる」の3つです。これらの効果が得られるのは、社会活動に限ったことではありません。家族や友人との時間、または趣味の時間なども、ストレスの解消につながるといえるでしょう。仕事のない週末に自分自身をリセットするということが重要なのです。

スピルオーバー(流出効果)

スピルオーバーとは、一方の役割での状況・経験などが、他方の役割での状況・経験に影響するというもの。悪いものが影響することもありますが、当然ながらよいことも影響します。仕事がうまくいっていると私生活にもよい影響を与えることや、逆に私生活で母親として身につけた能力が仕事で活かせているといったことが、スピルオーバーの事例といえます。そのためスピルオーバーを意識するのなら、プライベートの時間をいかに充実させるかということが、職場でのストレスの予防につながるといえるのではないでしょうか。

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