「大丈夫です」の敬語は? 使い方や上司に使う際のマナー【メール例文付】
「大丈夫です」を敬語にしたときの正しい使い方は? 了承、断るなど、意味別に言い換え方をマナー講師が解説します。いざというときに使えるメール例文も紹介。正しい敬語を使えるビジネスパーソンを目指しましょう。
多くの意味合いが含まれる「大丈夫」という言葉。
最近では、若い世代を中心に、肯定や否定の場面で用いられている便利な言葉です。ただ状況によっては、こちらが伝えたい気持ちとは違う意味で伝わる可能性もあるため、相手に誤解を与えないよう言い換えることが必要です。
そこで、「大丈夫」の本来の意味を確認し、シチュエーション別に使い方をご紹介します。
「大丈夫」が持つ意味
では、表現を理解するために、大丈夫という言葉の意味を押さえていきましょう。
精選版日本国語大辞典を引くと、「大丈夫」には3つの意味があります。
1.「だいじょうふ」と読み、立派な男子
2.「非常にしっかりしているさま」や「危なげのないさま」、「間違いないさま」
3.「間違いなく」や「たしかに」、「心配いらない」
「大丈夫」は「丈夫(じょうぶ)」の美称(丁寧にした言い回し)で、本来は1つ目の「立派な男の子」という意味の漢語でした。
しかし、日本では2つ目の「非常にしっかりしているさま」や「危なげのないさま」、「間違いないさま」が発達しました。
さらに「大丈夫」と「丈夫」は、ほぼ同じ意味でしたが近世に分化が起こり、明治以降、「丈夫」が達者な状態や堅固なさまを表すのに対し、「大丈夫」は危なげのないさまや間違いのないさまを表すという区別が明確になりました。
肯定の意味
現在では、肯定と否定、どちらの意味やニュアンスを併せ持つ言葉になっています。肯定の場合は、許可や承認、賛成を意味します。
「構いません」の言い換え
「~しても構いません」に言い換えるイメージをすると分かりやすいでしょう。何かを承認、許可したり、意見に賛成したりする表現として使えます。
「気にしないで(やってください)」「問題ありません」といった言い換えも可能でしょう。
「構いません」の使い方とは? 「大丈夫です」との違いも併せて解説します。
否定の意味
否定のニュアンスでは、断る時に使われます。強く断ったり、否定したりすることを濁すために使われる曖昧な言い回しです。
「結構です」の言い換え
イメージとしては、「結構です」の言い換えです。「(しなくて)結構です」という意味合いを伝える際、「大丈夫です」を使う人がいます。
「結構です」の意味や、目上の人への使い方を解説します。
ビジネスシーンで「大丈夫です」は使ってOK?
ビジネスシーンにおいて、「大丈夫です」を使っても、全く気にならない方もいらっしゃるでしょう。
ただ、繰り返しになりますが「大丈夫です」はさまざまな意味合いを持つため、返答がわかりづらく、かえって相手に迷惑をかけてしまう場合があります。
ですから、特にビジネスシーンでは避けた方がいい言葉でしょう。
「全然大丈夫です」に注意!
また、最近では「全然」という副詞をつける表現をする人がいます。全く問題ないことをポジティブに伝えるための気遣いかもしれませんが、言葉としても正しくないため注意しましょう。
本来、全然とは打ち消しの表現であり、「全然/~ない」と否定の表現を伴って使います。従って、意味は伝わるものの好ましくない表現であり、ビジネスシーンにはなおさら向かないはずです。
▶次のページでは、「大丈夫です」を言い換える敬語表現を解説します。