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休み明けの憂鬱さを簡単になくす方法とは?

小日向るり子

日曜日、いや土曜日の時点で「休み明け、会社行きたくない……」と思っている人いませんか? 今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに、休み明けの憂鬱な気持ちの対処法を教えてもらいます。

日曜日の夕方になると憂鬱感に襲われる……。このような気持ちは多くの人が抱いたことがあるのではないでしょうか。

今回はその心理を掘り下げ、憂鬱感が少し楽になる方法や考え方をご紹介していきたいと思います。

なぜ? 休み明けの会社が憂鬱だと感じる人の特徴

皆が皆、休み明けが憂鬱だと感じるかといわれると、もちろんそんなことはありません。休み明けの会社が憂鬱だと感じる心理には原因があるのです。

(1)仕事に関連したストレッサーがある

「ストレッサー」とは、ストレスをかける物事や人物のことです。

休み明けに困難な交渉がある、苦手な発表を控えている、自分につらくあたる同僚がいる、など明確なストレッサーがある場合、それから逃げたいという心理が憂鬱感につながります

(2)仕事にやりがいを感じられない

仕事には向き不向きがあります。困難でもやりがいを持って仕事に取り組みたいと考える人の場合、自分の能力や意欲を活かせない業務ばかりでは、会社に行く意味を見つけにくくモチベーションが上がりません。

仕事に行くのが嫌というよりは、意味を見出せないという虚無感に似た感覚です。

(3)業務がキャパシティを超えている

逆に、仕事の業務量や求められる技術が自分のキャパシティを大きく超えている場合もモチベーションが上がりません。

また、キャパシティを超えている仕事を強制され続けると脳が疲弊してきますので、鬱々とした気持ちも生まれやすくなります。

(4)お金を稼ぐ目的がない

なぜ仕事をするのか? と問われると多くの方が「生活のため」と回答するでしょう。

しかし生命維持だけのための労働は、モチベーションにはなりにくいのです。

趣味を楽しむため、何かを達成する資金を貯めるため、など目的があってこそ働こうという能動的な気持ちになるのです。

(5)休日に予定を詰め込み過ぎている

休日にリフレッシュするのはもちろん良いことです。しかし、趣味に熱中し過ぎたり、遊びの予定を目いっぱい入れたりしてしまうと身体は疲れます

思い切り遊んだり趣味に集中したりしているときは、脳からアドレナリンが出ているので身体の疲れを比較的感じないのです。しかし、家に帰ると一気に身体の疲れを自覚し、「明日の仕事だるいな……」という気持ちになってしまいます。

休み明けの仕事が憂鬱だと感じたときの対処法は?

では、休み明けの仕事が憂鬱だと感じたときどう対処すべきなのかをお伝えします。

(1)原因を考える

好きなように時間を使える休みから仕事モードに切り替えるのですから、多少の憂鬱は人間として自然な感情です。

ただ、酷い憂鬱感に襲われたり、吐き気や頭痛など身体に不調が生じたりするのには必ず理由があります。「何が」自分をそんなに憂鬱にさせるのかの理由を考えてみましょう。

(2)原因に対する対処法を考える

原因がわかったら対処法を考えましょう。

たとえば、明日の発表が成功するか不安でたまらず憂鬱になっているのであれば、家でとにかく練習する。上司の仕事の振り方が理不尽過ぎると思うのであれば、さらに上の上司に相談してみる、といった具体的な対処です。

また、目の前のストレスを取り除く以外も同様です。長時間の通勤にストレスを感じるなら、通勤しやすい場所への引越しを検討してみる。そもそも自分がやりたい仕事ではないなら、転職に向けて動いてみる。対処法を考えるだけでも、憂鬱な気持ちは消えてきます。

「嫌だ嫌だ」と思っているより、「嫌だ」の正体を見つけてその対処に向けて動くほうがずっと建設的です。

(3)身体を動かす

「明日から憂鬱だ……」とぐるぐる考えているときは左脳を使っています。そんなときは、反対の右脳を使いましょう

人の脳は、左脳と右脳をバランスよく使うことで気持ちがスッキリする傾向があるので、鬱々としてきたときは右脳を使ってみてください。

右脳を使うとは、具体的には身体を動かすということです。ランニングをする、ジムで汗を流すといった運動以外でも、料理の作り置きを数品作る、楽器を弾くなど手を動かす作業でもいいです。

休み明けの憂鬱な気持ちを生み出さないコツ

最後に、憂鬱な気持ちを生み出さないためのコツを3つお伝えします。

(1)単純作業を用意しておく

運動前にストレッチをするのと同様に、休み明けの身体も徐々に仕事モードにしていくことが大切です

休み明け最初に対応できる単純作業などの軽い仕事を用意しておく、メールは難易度が低いものから取り組むようにする、など仕事の段取りを日々工夫しましょう。

(2)楽しみを用意しておく

休み明けの日に楽しみを用意することで、一日を乗り切りましょう

月曜日はデパ地下で好きなお惣菜を買う、好きなコンビニスイーツを買う、マッサージを予約する、といった仕事後のご褒美でもいいです。もしくは、お弁当箱を変えてみる、水筒に入れていくお茶を変えてみる、など休み明けの出勤がちょっと楽しみになるものを用意しておくのもおすすめです。

(3)生活サイクルを崩さない

週末はつい夜ふかしをしてしまい、連休になると昼夜が逆転してしまう方もいると思います。そうなると休み明けの日が寝不足で始まることになり、ただでさえ憂鬱な休み明けに身体までだるくなってしまいます。

基本的には、休みの日であっても起床時間と就寝時間は仕事の日となるべく変えないようにしましょう。どうしても疲れが取れない方は、昼寝で補うようにするのがおすすめです。

モチベーションを上げる「目的」を見つけよう

今回はとりあえずの憂鬱を乗り切る方法と、その憂鬱と向き合ってみる方法をお伝えしました。

アメリカの心理・経営学者ダグラス・マクレガーは、人の動機付けに関わる「X理論・Y理論」という理論を提唱しています。X理論とは「人は元来怠け者で仕事が嫌い。だから強制されたり命令されなければ仕事をしない」という考えで、Y理論とは「人は目的ややりがいがあれば自発的に働く」という考えです。

どちらも人が合わせ持つ感情ですが、生理的欲求と安全欲求が満たされている現代では「Y理論」を向上させていくことが働くモチベーションを上げる鍵になるといわれています。

連休明けをとりあえず乗り切る術とともに、ぜひあなたにとっての「Y理論」も考えてみてくださいね。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

※この記事は2020年02月24日に公開されたものです

小日向るり子 (心理カウンセラー)

心理カウンセラー
フィールマインド 代表カウンセラー
正社員をしながらボランティアの電話相談員をしていました。「どんな電話も切らない」理念の中で恋愛、自死、癖、愚痴、いろいろな話を聴かせて頂きました。資格取得後はハラスメント相談員を経て現職。相談件数は2200件を超えます。悩みに大小はありません。

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