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【新連載】偶然再会した彼は、私の過去の汚点を知る人物で……

Story1 ★偶然の再会

「お客様にお知らせいたします。
この列車は雪のため運行不能となりました。
運行可能となり次第発車いたしますが、
回復の目処はたっておりません……」

仕事での打ち合わせの帰りにわたしは、
心の中で小さく「うそっ」とつぶやいた。
今日は大雪だけど本当に止まるなんて。
窓ガラスの曇りをふき取り外を確認すると、
吹雪と言ってよいほど雪と風が激しかった。

そのうち、だんだん列車内も寒くなる。
土曜の夜で乗客も少ないせいか、
座席はヒーターで暖かいが肩のあたりは冷える。
わたしは打ち合わせで使った、
デザイン画の入った大きなバックから、
ストールを取り出して羽織った。
でも、こんな場所で止まるなんて。
わたしが中学3年まで住んでいた、思い出深い町。
今は雪で見えないが、線路の向こうには、
見慣れた町並みが続いているはずだ。

いい思い出もたくさんあるけれど
……心の痛む思い出も、ある。
あの出来事がなければ、わたしは人間関係にも、
恋にも、もっと積極的だったと思う。