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【新連載】偶然再会した彼は、私の過去の汚点を知る人物で……

「わたしね、その時に学校に行ってなかったこと、
ものすごく気にしてたの。
中学卒業してから、今までずっと」
「そっか。じゃあ、今日わかってよかったね」

原くんの声はおだやかで温かかった。
わたしは、心の底からリラックスしていた。

「お客様にお知らせいたします。
全線で列車の運行をストップすることが、
ただいま決定いたしました。
この列車は最寄り駅で停車となります。
お客様にはたいへんご迷惑をおかけしますが、
次の駅でJRにお乗り換えをお願いいたします」

「JRの駅って、けっこう離れてたよね」
「うん、何だか、すごい事態になってるね」

わたしたちは車内アナウンスに従って、
次の駅で降りると、30cm以上積もった雪の上を、
少しはしゃぎ気味に歩いていった。
気持ちは完全に、中学の頃に戻っていた。

でも笑っていたけれど、革靴の原くんは、
靴の中に雪が入り、かなり辛そうだ。
「ああもう、ぼく絶対しもやけになってる!」

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