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【新連載】偶然再会した彼は、私の過去の汚点を知る人物で……

今考えれば友人たちとのケンカも、
いかにも中学生的な子どもっぽい内容だし、
休んだことで人生上のマイナスはゼロ。
だけれどわたしにとって、
その時の挫折感は今も忘れられない。
あの時から少しずつ薄れてはいるけれど、
罪悪感はずっと途切れずに続いている。

そして「自分は空気を読むのが下手だ」
という意識は今も強い。
だから高校では友だち付き合いも、
とても気を使い続けてきたし、
積極的に恋愛をする気にもなれなかった。

高校からは「自分は人付き合いが下手だから、
1人で打ち込める仕事を選ぼう」と考え、
好きだった絵のレッスンに励み、
美術系の専門学校に進んで、
今の商業デザインの職についている。

「ね、東城さん、どうかした?」
「あ、ちょっと、あの頃を思い出しちゃって」
「そっか。でもあの頃あの時期、
クラスの4分の1ぐらいは学校に来てなかったよ」
「えっ!」
原くんの言葉に、わたしはひどく驚いた。

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