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【新連載】結婚退職者がこれで3人目……私、どうなるの?

わたしがため息をつくと、
林さんの視線は、ふっとこちらに戻った。
「で、柳瀬さん、すみません。
先にお話しすればよかったかもしれないんですが。
わたし、来月いっぱいでこの仕事辞めたいんです」
「え、どうして?」
一瞬、わたしの叱り方が悪かったのかと、
ビクビクした自分の気の小ささが悲しい。

「実は、彼からプロポーズされたんです。
来月、結婚しようって……」
「まあ、おめでとうございます!
でも、どうしても辞めちゃうの?
わたしとしては、続けて欲しいのだけれど」
「すみません。もう妊娠3カ月なので、
一旦は辞めた方がいいかな、と思って」
「ああ、そうなんだ……じゃあとりあえず、
明日その件をマネージャーに上げておくね」

すると林さんはニコッと笑い
「では、お先に失礼します」と言って、
パタパタと社員食堂を出て行った。

仕事を上がった帰り道、電車に揺られながら、
わたしは今の店で店長に昇格した2年の間、
結婚退職者が3人も出たのをぼんやりと思い返した。