【新連載】結婚退職者がこれで3人目……私、どうなるの?
「そう欠品。グレーをおすすめしてみて」
こんな調子で、わたしの携帯は2時間ごとに、
鳴り響くことになった。
案の定、日報の上げ方もよくわからないらしい。
「もう、子ども作る前に、
自分がもっと大人になってよ……」
林さんに腹も立ったが、
ちゃんと人を育てなかった自分も悪い
……と思うと落ち込む。
しかし電話で何度も起こされたせいもあってか、
その晩は一日中横になっていたにしては、
ぐっすりと眠ることができた。
だが。翌日もちっとも熱は下がらない。
それどころか昨日よりさらに具合が悪い。
食欲はなかったが、あったとしても、
おかゆは全部、松波さんにあげてしまったし、
家で今のわたしが口にできるのは水だけだ。
仕方なく水と頭痛薬だけ飲んで、また休む。
そうしてまた2時間ごとに起こされる、
昨日と同じ1日が過ぎていく。
さらに翌日。多少はマシになったが、
まだ立って歩ける状態ではなかった。
「しまった。早めに病院に行けばよかった」