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【新連載】結婚退職者がこれで3人目……私、どうなるの?

どうしよう。
ここ2年ほどは仕事に追われていて、
友だちからの誘いも断ってばかり。
こんな時だけ見舞ってなんて言いづらいな……。

そんなことを考えているうち、
具合はさらに悪くなっていく。
「だめだ。ともかく寝てよう」そう考えて
「よほどのことがない限り電話は控えて」
と店に電話し、眠りについた。
たぶん今日のわたしは今までの人生で、
最高に寂しく弱り果てていたと思う。

目が覚めると4時間が過ぎていた。
わたしは朦朧としながらもふと腕を伸ばし、
枕元にかけてあったコートのポケットから、
一枚の名刺を取り出した。
そうだ、松波さんに助けてもらおう。
男の人だけれど……でも近所に住んでいるし、
先日のこともあるので、頼みやすい。
わたしは寝ながらスマートフォンから、
松波さんに当ててメールを打った。
最後「お願いします」の後に、
はずみでハートマークを入れてから、
あわてて消して送信する。
正直、返事が楽しみだった。

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