ヤマアラシのジレンマとは? 意味や解決法を心理学で解説
囚人のジレンマとは
ちなみに、囚人のジレンマ・イノベーションのジレンマとは何かも簡単に解説しておきます。
「囚人のジレンマ」はゲーム理論の一つです。
2人の容疑者を別室で尋問し、「一方が自白でもう一方が黙秘の場合、自白者は釈放、黙秘者は重刑に。2人とも黙秘の場合は減刑。2人とも自白の場合は本来の刑に」という条件を与えます。
この場合、お互い黙秘することが最も利益になるはずですが、双方が自白を選ぶというジレンマの話です。
このことから、個人にとって利益になる選択をしていても、全体にとって合理的な選択にはならないジレンマの例となっています。
「囚人のジレンマ」の具体例
例えば、牛丼チェーンの値下げ競争があります。
A社が値下げをしてB社が現状の価格を維持した場合、A社には多数の集客が見込め、B社の来店客が減少する可能性があります。
逆に、B社が値下げをしてA社が現状の価格を維持した場合、B社には多数の集客が見込め、A社の来店客が減少する可能性があります。また、2社とも現状の価格を維持した場合は、現状の売上を維持することになります。
もし自社が価格の維持をして、他社が値下げをした場合は、来店客が減少してしまいます。このため、他社との値下げ競争をせざるを得ないといったことが起こります。その結果、両社とも価格を維持していた時よりも売上が落ちてしまうのです。
イノベーションのジレンマとは
「イノベーションのジレンマ」は企業経営の理論の一つです。
成功している企業は、既存顧客のニーズを満たすため、より高品質な製品やサービスの提供に尽力します。
一方で、品質低下を招きやすい革新的な技術の導入にチャレンジしにくい、市場の需要とミスマッチな技術開発を進めて売上を確保できない、小規模の魅力的な新規市場に参入しにくいといったジレンマが起こりやすくなります。
大企業や老舗企業になるほど、ベンチャー企業のようなイノベーションを起こしにくいというジレンマに陥りやすいのです。
「イノベーションのジレンマ」の具体例
アパレル業界の事例では、かつては高級ブランドの製品であることやファッション性に優れた商品などに需要がありました。
その後、安価で機能的なファッションアイテムや、流行を取り入れた低価格・短期流通のファストファッションなどが台頭し、市場にイノベーションが起こりました。
イノベーションのジレンマによりかつての事業方針を転換しなかった企業は、新規参入の企業にシェアを奪われることになりました。
ヤマアラシのジレンマを乗り越える勇気を持とう
もっと近づきたいけれど、近づきすぎるとお互いを傷つけてしまうヤマアラシのジレンマ。
人との関係も、「傷つく」「傷つける」ことを怖れてばかりでは、なかなか関係性が深まりません。
勇気を持って関わってみましょう。そして、多少のすれ違いがあったとしても、2人でコミュニケーションを取って乗り越えていきましょう。
(大塚統子)
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※この記事は2021年07月02日に公開されたものです