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【新連載】蒸し暑い地下鉄の駅。突然の出会いは思いもよらないもので……

あんなミニスカートで床に座り込んだら、
絶対に下着と床が直に触れるはずだ。
わたしは思わず「気持ち悪い!」
と小さな声でつぶやき、
そのまま前を向き歩み去るはずだった
……のに。
怖いもの見たさで、もう一度わたしは、
彼女たちを見るため振り向き、また向き直った。
その時。反対側から来た、
ひどく急いでいるだろう男性と肩が当たった。
それだけなら、よくある話だ。
でもその男性がバッグといっしょに抱えていた、
折り畳み傘の骨がちょうど、
わたしの着ていたシャツの、
脇腹あたりをかすめていった。

ビリビリビリ………。
低く鈍い小さな音が自分のすぐそばで聞こえ、
驚いて見ると、着ているシャツは鍵状に裂け、
自分の肌がもろに覗いていた。

「キャーッ」と悲鳴を上げそうになったが、
31歳ともなると、
たとえどんなに動揺しても抑制がきく。
わたしは瞬時に口を手で押さえ、
騒ぎを大きくするのを避けた。