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【新連載】蒸し暑い地下鉄の駅。突然の出会いは思いもよらないもので……

Story4 ★今日が最後の

そして、3週間後。
わたしたちは今度は夕暮れ時に、


前回と同じカフェで待ち合わせして、
オーダーメイドの靴店に足を運んだ。

店員さんにハイヒールを履かせてもらい、
丁寧に仕上がりの確認をする。
その間、鏡に映った自分の全身を見て、
少し驚いた。

自分でも、こんなにハイヒールが似合うとは、
思ってもみなかった。
ただその代わり、身長はとても高くなってしまう。

井上さんは隣で、ニコニコ笑って言う。
「すごくきれいです。とても似合ってますよ」
「あ、ありがとうございます」
「よかったら、その靴を履いて、
今晩ぼくといっしょに、お食事してもらえます?」

わたしはちょっとだけうつむくと、
柄にもなく小さな声で「はい」と答えた。

それから井上さんは近くにあるビルの、
ほぼ最上階までわたしを連れていき、
大理石で床を貼った、
自分ひとりや自分と友だちだけだったら、
絶対に入らないような高級店に入る。

正直、少し気後れしてしまった。