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【新連載】雨空を見上げながら、あの人と出会った日のことを思い出す……

「……そうね、片付けるんなら、
みんなで一斉に片付けないと、ダメだわね」

「うんうん、で、そのあと当番制にして、
最後の人か朝きた人が最初に片付けると」

中杉さんと溝口さんは、
いつものおしゃべりの調子で、
あっという間に問題を解決してしまった。

「あ、ありがとうございます……。
わたしどうしたらみんなに動いてもらえるか、
ぜんぜん考えつかなくって」

「ああもう、高野さんは遠慮しすぎよ。
副店長なんだから、もっと偉そうにしなくっちゃ」
「そうそう。もっとデーンと構えてちょうだい」
そういってふたりは「じゃあ、また明日」
と笑顔で帰って行った。

次の朝、わたしは朝礼前に、
店長に片付けの案を報告しに行った。

「片付けは棚卸しの日に全員で一斉にして、
そのあと当番制にして、朝検品した人が、
ザッとでも倉庫を片付けて出るといいと思います」

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