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住宅ローン最小限で家を買いたい。15年ローンはアリ!?

花輪陽子

花輪 借入期間が短くなると月々の返済額の負担も増えますし、住宅ローンでは無理のない返済計画をたてるのが先決です。とくにDINKSカップルの場合、子どもが生まれると生活環境が大きく変わる可能性があります。出産後も仕事を続けるつもりでいたけれど、やむをえず、キャリアダウンしたり、仕事をやめたり……といったことも。

編集部 たとえば、あこさん夫婦の場合、現在希望している物件を買った場合、何があろうと奥さんが働かざるを得なくなるということでしょうか。

花輪 そうですね。ダンナさんの手取り年収が500万円とのことですので、ダンナさんひとりの収入で住宅ローンから生活費まで負担するのはかなりきついと思います。なので、早く返してしまいたいという場合も、35年ローンで月々の返済額をできるだけ少なくし、繰り上げ返済を活用するのがオススメです。また、物件の価格帯も3,000万円台までに抑えたほうがいいですね。

編集部 月々の返済額を考える上での目安があれば、教えてください。

花輪 ダンナさんひとりの稼ぎでも払っていける金額というのが、ひとつの目安になると思います。あこさん夫婦の場合でしたら、月々約10万円前後であれば、ひとりの収入でも何とか払えるし、共働きであれば繰り上げ返済をすれば、返済期間を短縮できます。ローンの返済が遅れると、金利の優遇が外れてしまうことも。ゆとりを持った返済計画を立てることが大切です。

編集部 購入を検討するタイミングについてはどうでしょうか。

花輪 頭金がしっかり貯まっているという意味では、あこさん夫婦は問題ないのですが、
「35歳までに子どもが2人ほしい」と具体的な希望があることを考えると、できれば“子どもの人数の見通しが立ったあと”に買うほうがベターです。

編集部 「最初の妊娠をきっかけにマンションを購入した」という話をよく聞きますが、“子どもが生まれたあと”のほうがいい……?

花輪 「子どもは授かりもの」というように、ふたを開けてみると、双子が生まれたり、結果的にひとりっ子になったりと、あらかじめ人数の予測がしにくいもの。子どもの人数の見通しが立ったあとであれば、必要な部屋の数や収納スペースの量なども算出しやすくなります。広すぎたり、逆に狭すぎたり……といったことも起こりづらいので、結果的にコストパフォーマンスの高い家選びができるんです。

編集部 確かに、子どもが生まれると住宅環境に求める条件も変わりそうですね。

花輪 今は大人だけの生活なので、都会のマンションが魅力的に感じるけれど、子どもが生まれたら、もしかしたら「同じマンションでも郊外がいい」と思うことがあるかもしれません。また、生活スタイルが変わると「和室があったほうがよかった」など、間取りに対する希望も変わります。

頭金は物件価格の約2割を確保!

人生のなかで最も大きな買い物だと言われるマイホーム。子どもの教育資金や老後の資金が準備できなくなるといった事態に陥らないためにも、無理のない資金計画をたてる必要があります。頭金なしで購入できる物件もありますが、金利や返済額を考えると、分譲価格のうち2割は自己資金からまかない、残りの8割を住宅ローンで返済するのが安全。また、月々の返済額は手取り月収の20~25%が目安。ローン以外にも固定資産税・管理費・修繕費の支払いもあり、こうした住居費全体で手取り月収の30%以内を目指すのがポイントです。(花輪陽子)

※この記事は2013年08月06日に公開されたものです

花輪陽子

ファイナンシャル・プランナー。OL時代は借金200万円の“貯まらん女”だったが、2009年に「夫婦同時失業」を経験し、ファイナンシャル・プランナーに転身。『夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』(PHP研究所)、『大増税時代を生き抜く共働きラクラク家計術』(朝日新聞出版)、『貯まらん女のお金がみるみる貯まる魔法のレッスン88』(マガジンハウス)、『貯金ゼロ 借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)など著書多数。 http://yokohanawa.com/

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