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住宅ローン最小限で家を買いたい。15年ローンはアリ!?

花輪陽子

恋愛、転職、結婚、出産……、さまざまなライフイベントに、マネーの悩みはつきもの。なかなか人には相談しにくいお金とライフプランのお悩みを、編集部が読者に代わり、FP花輪陽子さんにガチンコ相談!

今回の相談者は将来に備えてマンション購入を検討中だという、あこさん(仮名・30歳)。結婚半年ですが、共働きで夫婦どちらかの給料は全額貯金しているとか。マイホーム取得の夢をかなえるために知っておきたい基礎知識や失敗しないための秘訣をFP花輪陽子さんに聞きました。(取材・文/島影真奈美)
※あこさん後編はこちら

住宅ローンを最小限にしたい!

共働きで子どもはまだいませんが、35歳になるまでに2人ほしいと考えています。夫は転勤の可能性があり、私も仕事を続けたいため、おそらく単身赴任してもらうことになると思います。そのため、もし転勤になっても帰省しやすいよう、都内の駅近物件を購入したいと考えています。「郊外で一戸建てより、都会のマンション」という意見は夫婦で一致しています。とはいえ、今はまだマンションの相場もわからず、漠然としたイメージで捉えているだけなんですが、20~30年といった長期間のローンを組むのはもったいないような気がしています。現在、貯蓄が夫婦で2,000万円以上ありますが、頭金をできるだけたくさん貯めて、長くても15年くらいで返済したいです。(あこ/電力・ガス・石油/専門職/30歳)

【あこさんprofile】夫と2人暮らし。手取り年収500万円、手取り月収28万円。夫の収入も同程度。ほぼ毎日2~3時間の残業があり、残業後はそのまま帰宅して夕飯をつくったり、夫と2人で外食したりすることも。夫婦ともにアクティブなタイプで、土日どちらかは2人で出かけ、ドライブや散歩、買い物、映画を楽しんだあと、百貨店などでちょっと贅沢な食材を購入し、夕飯は家で食べることが多いそう。子どもが生まれても仕事は続けたいが、今のように“残業が当たり前”というスタイルは難しいのでは、という不安もある。

編集部 今回の相談者、あこさんは結婚して半年という共働きカップルです。偶数月はご主人がすべての生活費を支払い、あこさんの給料は全額貯め、奇数月は逆にあこさんが生活費を全部負担し……といったようにルールを決め、順調に貯蓄しているとか。

花輪 ユニークなやり方ですよね。マイホーム資金を貯めはじめると、貯蓄にばかり意識が向いてしまう人が多い中で、あこさん夫婦は2人の時間も楽しんでいて、バランスもとれています。

編集部 ご主人が将来、単身赴任する可能性があり、帰省しやすいよう、都内の駅近物件がほしいそうです。頭金を2,000万円ぐらい貯め、5,000~6,000万円の物件を買いたいという希望もあるとか。

花輪 もし、頭金2,000万円で4,000万円のローンを組むと、金利1.5%で35年返済だとしても、住宅ローンの返済額は月々約12万円。さらに、管理費や修繕積立金が2万円以上かかります。

編集部 月々の住居費が大きくはねあがる計算になりますね。

花輪 そうなんです。今は社宅住まいで住居費が2万1,000円と貯蓄しやすい環境なんですが、住居費が増えるとこれまでのようには貯蓄できなくなるかも。子どもの教育費やいざというときの備えを考えると、向こう2年ぶんくらいの生活費は現金で残しておくのがベター。貯蓄が2,000万円あるなら1,000~1,500万円を頭金にするなど、一部は貯蓄として残しておくのがオススメです。

編集部 ただ、「20~30年もの長期ローンを組むのはもったいない」と感じていて、できれば、15年ぐらいでローンを完済したいという希望もあるそうですが、「15年ローン」は選択肢としてアリでしょうか?

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