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【新連載】28歳、私の一番きれいな時期はもう終わったのかな……

飲み会は土曜日に開かれることになった。
待ち合わせは正門のすぐ横の、
ひときわ大きな木の下だ。
集合時間の夕方6時は、まだ十分に明るい。
こんなに陽が高いうちからお酒?
なんて軽い罪悪感を持ってしまうほどだ。

わたしは仕事を済ませた後、
トイレの鏡で何度も服とお化粧を確認して、
集合時間の場所の木の下へ出向いた。

「おーっ、ひさしぶり!」
1、2、3……全員で8人。
みんなが笑顔で手を振ってくれる。
わたしもみんなのところへ駆けていく。

それは不思議な光景だった。
年を経た仲間が当時と同じ場所にいる。
一瞬だけ、気持ちが大学時代に戻った。
でもみんな、きっちり6年分年をとっている。
周囲には学生がいるせいで余計に年が際立つ。

だけど全員が、以前よりずっとステキだった。
わたしは集まってくれたサークルの仲間と、
この会を開いてくれた芽美ちゃんに、
心から感謝していた。

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