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【新連載】28歳、私の一番きれいな時期はもう終わったのかな……

Story4 ★まだいくらでも取り戻せる

「おれは就職した会社にずっといる。
今の会社がホントに合うかはわからんけど、
でも有利な転職って、マジでむずかしくない?」
そう答えた水野くんに、周囲がうなずく。

「そっか。実はわたしは会社が沈み始めて、
あわてて逃げたって感じ。
本当はもっと早く転職できればよかったけど」
自分で口にして、驚いた。
たしかに、もっと早く会社に見切りをつけて、
転職する決心がついていたら、
あんな不倫にハマらずに済んだ……のかも。

「うん。映美の言うことよくわかる。
実はおれ今、無職なんだ」
なんと向かいに座った近藤くんから、
衝撃の告白があった。

「おれは半導体関係の会社でさ。
海外の得意先の工場が災害で全部やられて、3月で倒産。
でも同じように倒産したとこ多くってさ。
なかなか再就職決まらないんだ。
失業保険が切れるまで、あと3ヶ月。
けっこうヤバいかも」
みんな返事もできずに、ただうなずくだけだ。

「でも目端のきくヤツはちゃんとその前から
次を探して辞めてるんだ……おれってダメだな」

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