お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【新連載】28歳、私の一番きれいな時期はもう終わったのかな……

「へい、いらっしゃーい!」
飲み会の会場は居酒屋「有吉」の2階。
濃い茶色に変色した縄のれんの向こうだ。
予約の旨を告げ、
全員で木の階段をドカドカ音をたてて上がる。

「うわー、懐かしすぎるな」
2階に上がるなり全員が周囲を見回す。
壁に貼られたホッピーのポスターも、
天井のシミも変わっていない。
「そうそう、メニューも相変わらずだね。
やたらに大きな特製唐揚げと、
キャベツをちぎっただけの有吉サラダ」

「では、映美の母校への再就職と、
みんなの再会を祝って乾杯!」
「乾杯!」
仲間の笑顔が本当にうれしかった。
そしてたいしておいしくはないけれど、
当時と同じくメニューを、
みんな懐かしがってバクバク食べる。
その中で、少し勇気を出して、
他の人の近況を聞いてみる。

「わたしは転職したけれど、
あとの人は、ずっと最初の会社のまま?」

次のページを読む

SHARE