「お勤めご苦労様です」の意味とは? 使い方と注意点、言い換え表現
「お勤めご苦労様です」という表現を任侠映画のセリフなどで耳にしたことがある人もいるのでは? ビジネスシーンで目上の人に使って良い言い回しなのでしょうか。この記事では、言葉の意味と使い方、注意点、言い換え表現などを紹介します。
「お勤めご苦労様です」は日常生活であまり聞きなじみのない言葉ですが、ビジネスシーンでは適切な表現なのでしょうか?
この記事では「お勤めご苦労様です」の意味や使い方、注意点などについて例文を用いて紹介します。
「お勤めご苦労様です」の意味
「お勤めご苦労様です」は、「お勤め」と「ご苦労様です」の2つが合わさってできた言葉。辞書によると、それぞれ以下のような意味があります。
つとめ【勤め/務め】
読み方:つとめ1 当然果たさなければならない事柄。任務。義務。「税金を納めることは国民の―だ」
2 官公庁・会社などに雇われて、働くこと。勤務。「一日の―を終える」
3 仏道の修行。また、僧侶が日課として行う勤行(ごんぎょう)。「朝夕の―を欠かさない」
4 遊女などが稼業として客の相手をすること。
「あの娼妓は、あなたにゃあ―をはなれた、仕うちでげすぜ」〈魯文・安愚楽鍋〉5 遊女の揚げ代。また一般に、支払うべき金銭。勘定。
「四十ばかりの女、…―をとりにきたり」〈滑・膝栗毛・六〉(『デジタル大辞泉』小学館)
ご‐くろう〔‐クラウ〕【御苦労】
読み方:ごくろう
[名・形動]1 他を敬って、その人の「苦労」をいう語。お骨折り。ごやっかい。「―をおかけします」
2 他人に仕事を依頼したときなどに、その苦労をねぎらっていう語。同輩以下の者に対して用いる。「遅くまで―だったね」3 苦労の成果がなくむだにみえることを、あざけりの気持ちを含んでいう語。「この暑いのに―なことだ」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「お勤めご苦労様です」とは、その人の任務をねぎらう意味がある言葉だといえます。
ただし、「ご苦労」という言葉は「同輩以下のものに対して用いる」と定義されているため、目上の人に対して使うことは失礼にあたります。
「お勤めご苦労様です」の使い方と例文
前述の通り「お勤めご苦労様です」は、目上の人が部下や後輩などに対してねぎらいの気持ちを表現する言葉です。シーン別で例文を見ていきましょう。
退社時のあいさつ例文
退社時のあいさつとしては「お疲れ様です」が一般的ですが、上司から部下や後輩に対しては「お勤めご苦労様です」に置き換えても問題ありません。
例文
・今日も一日お勤めご苦労様でした。気をつけて帰ってください。
・お勤めご苦労様です。今日は忙しかったでしょうから、ゆっくり休んでください。
退職メッセージの例文
「お勤めご苦労様です」は、部下や後輩が退職する時のメッセージにも使うことができます。
例文
・5年間のお勤めご苦労様でした。これからは新しい道で活躍することを期待しています。
・○○さんと一緒に働いた日々は大切な思い出です。長年のお勤めご苦労様でした。
大きな仕事をねぎらう例文
「お勤めご苦労様です」という表現には、相手をねぎらう気持ちが含まれています。そのため、大きな仕事を終えた部下や後輩への声掛けにも使えるでしょう。
例文
・新規プロジェクトの件、○○さんに任せて本当に良かったよ。お勤めご苦労様でした。
・お勤めご苦労様です。会議でのプレゼンすごく良かったよ。
▶次のページでは「お勤めご苦労様です」を使う時の注意点を紹介します