「早い」と「速い」の違いは? 意味や使い分けを解説(例文付き)
読むのが早い、読むのが速い……どっちが正解? 食べるのが「はやい」は? そんなふうに「早い」と「速い」の使い分けに迷った経験はありませんか? ライティングコーチの前田めぐるさんいわく、「それぞれの漢字を使った熟語を思い浮かべると分かりやすい」とのこと。今回はそんな「早い」と「速い」の違いや使い分けを紹介します。
今回解説するのは、「早い」と「速い」の使い分けです。
「まだ出掛けるには早い」「彼は走るのが速い」などは、問題なく使い分けられるのではありませんか?
とはいえ、場合によっては判断がつかず迷ったり、選択しても、なぜその漢字が当てはまるのか、説明しづらかったりするかもしれません。
この機会に、人にも説明できるように「早い」と「速い」の使い分けをマスターしましょう。
「はやい」には複数の種類がある
一口に「はやい」と言っても、いろいろな「はやい」があります。
はやい【早い・速い・疾い・捷い】
(1)すみやかである。速力が大である。
(2)するのに要する時間が短い。
(3)朝・夜・季節などの、時間的に初めの方である。
(4)年月が短い。
(5)時間的に前である。先である。
(6)まだその時期でない。
(7)短い時間ですむ。手っとりばやい。
(8)香りが鋭い。きつい。
(9)(連用形を副詞的に用いて)
(ア)まえから。かねて。以前。むかし。
(イ)その時にはもう。すでに。とっくに。
(ウ)(「はよう」の形で驚きの意を込めて)なんと。たしかに。もともと。(1)(2)はふつう「速」を使い、また「疾」「捷」も使う。他は「早」を使う。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
何かをする時やどこかに着くまでの時間が短いという意味、時間や季節が前の方であるという意味、また動作が機敏という意味。
このように、いろいろな「はやい」があるということが分かります。