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「ご報告いたします」の正しい使い方とは? 「連絡」との違いを例文付きで解説

直井みずほ

「ご報告いたします」という敬語は、ビジネスにおいて使うことが多いフレーズ。正しい使い方と例文について、国際おもてなし協会代表理事・直井みずほさんに教えてもらいました。また「報告」と「連絡」の違いについても解説します。

私たちは、上司や先輩、同僚ならびにクライアント、お客さまなど、社内外のさまざまな方と情報をやりとりしながら日々仕事をしています。その時、「報告・連絡・相談」を正しく行うことは、物事を円滑に進める上でとても重要です。

その中で、何かを人に伝える際に、「ご報告いたします」という言葉を使いますが、皆さんは正しい使い方をご存知でしょうか。

今回は「ご報告いたします」の正しい使い方や、似ているイメージのある「報告」と「連絡」の違いを解説します。

「ご報告いたします」の意味と成り立ち

まず「報告」という言葉の意味を辞書で引くと次のように書かれています。

「しらせつげること。報知。ある任務を与えられたものが、その遂行の情況・結果について述べること。また、その内容」(『広辞苑』第6版より)

また、「ご報告いたします」という言葉は、「報告する」という動詞を、謙譲語の「ご~する」という形にし、その中の「する」という部分も謙譲語の「いたす」という形にしたものです。さらに「いたす」から「いたします」と、「ます」を付け丁寧にした言葉です。

つまり「ご報告いたします」は、相手を立てつつ丁寧に物事を報告していることになります。

これらをまとめると、「ご報告いたします」という言葉は、依頼された任務について、その進み具合や結果を相手への敬意を表す形で丁寧に伝える言葉なのです。

「ご報告いたします」の使い方と例文

では、「ご報告いたします」という言葉の使い方を具体的に見ていきましょう。ビジネスでよくあるシーン別に解説します。

(1)任務が終了した時

依頼された任務が終了した時は、以下のように使うことができます。

例文

「ご依頼を受けました資料作成につきまして、完成いたしましたのでご報告いたします」
「先日ご相談いただきました件につきまして、お手続きが完了いたしましたのでご報告いたします」

(2)任務の中間時点

任務の途中で報告する際は、以下のように使います。

例文

「A社との案件の進捗状況ですが、現在~のような状況で~のように動いておりますことをご報告いたします」
「ご依頼いただきました件につきまして、現在弊社にて~の段階まで進めております。近況をご報告いたします」

(3)問題が発生した時

任務を進める中で問題が発生したことを報告する際は、以下のような形で使います。

例文

「申し訳ございません。私の不注意でお客さまにご迷惑をおかけしてしまいましたことをご報告いたします」

「ご報告させていただきます」の使い方と例文

「ご報告いたします」という言葉は丁寧ではありますが、「させていただく」という表現を使って「ご報告させていただきます」とすると、より敬意と丁寧さを伝えることができます。

特に問題が発生した時などは、相手の納得を得ると共に解決まで待ってもらったり、迷惑をかける可能性があるという点からも、「ご報告させていただきます」とする方がいいでしょう。

例文

「申し訳ございません。私の不注意でお客さまにご迷惑をおかけしてしまいましたことをご報告させていただきます」

また、特に配慮を要するクライアントやお客さまが相手の場合は、より敬語のニュアンスが高い「申し上げます」という表現を使い「ご報告申し上げます」とすると、なお良いでしょう。

▶次のページでは、「ご報告」を使う上での注意点を紹介します。

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