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時候の挨拶とは。ビジネスメールや手紙での基本の使い方と例文

吉田裕子(国語講師)

時候の挨拶を使わない場合

時候の挨拶は必ず付けなくてはならないものではありません。むしろ、付けることで相手に違和感を抱かせてしまう場合もあります。時候の挨拶を使わないのは次のような状況です。

(1)社内の人とメールをやり取りするとき

時候の挨拶は改まったシチュエーションで求められるもので、社内のやり取りには適しません。

社内のメールでは、簡潔に用件を伝えることが要求されますので、「お疲れ様です、○○です」とシンプルな挨拶で始めれば十分です。

なお、社内の人が相手でも、わざわざ手紙を書いてお礼を伝える場合などには、時候の挨拶を付けるのが一般的です。

(2)何回もやり取りが続いているとき

顧客や取引先が相手でも、メールが何往復も続く場合には、時候の挨拶を省略します。毎回時候の挨拶を付けていては、むしろうっとうしく感じられます。

問い合わせ対応などで、何度もやり取りが続きそうな状況では、

(1)最初にこちらから連絡するときの冒頭部分
(2)最後に一区切りをつける際の締めくくり部分

に時候の挨拶が入っていれば十分です。

(3)LINEやビジネスチャットなどで連絡するとき

LINE、Slackなどのビジネス向けチャットなど、短い文でやり取りするのが基本の環境においては、時候の挨拶が入って長文になると、わずらわしく感じられます。用件のみを簡潔に伝えましょう。

(4)急ぎの謝罪をするとき

突然のトラブルなどで、相手に迷惑を掛けてしまう場合、まずメールで一報を入れることも多いかと思います。

そうした緊急の連絡には、時候の挨拶を付けている場合ではありません。悠長に挨拶せず、用件を早めに切り出すようにしましょう。

【急ぎの謝罪の例】

・会議に遅刻してしまう
・返答・納品などの期限を失念していて、今から対応する
・急遽予定が入り、打ち合わせの日程変更(リスケジュール)が必要になった

なお、謝罪に関しても、改まった書面で謝罪文を送る場合には、時候の挨拶を付けることも多いです。

次ページ:時候の挨拶を使った基本的な文章の流れ

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