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人生を楽しむために必要不可欠な「1日5分」の習慣とは

内藤みか(作家・イケメン評論家)

会議の合間にあれとこれを片づけて、あがった書類をチェックしてると、お客さんから大クレーム、対応に追われていたら、あー、今日もこんな時間……! 時間に追われ目の前のタスクをやっつけるだけで、毎日精いっぱい。そんな余裕のないアラサー女性も少なくないのでは。でも、ドタバタと余裕がない状態は、本来の自分の魅力を損ない、新しい出会いやきっかけも遠ざけてしまうもの。気持ちに余裕を持ち、今の暮らしをもっと楽しめるようになるには、どうすればいいのでしょうか。恋愛作家の内藤みかさんに教えていただきます。

「毎日忙しくバタバタしていて、帰ったら寝るだけ」「自分の時間が欲しい」などと思うことが、時にはあるものです。人によってはそれが長期間化し、「いつになったら時間ができるの?」と悲鳴をあげたくなることも。

そんなときでも“自分らしさ”を見失わないためには、どうしたらいいのでしょうか。

1日にたった5分でいい

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これは以前、私が実際に遭遇したことです。

育児中、子どもが1歳のいたずら盛りで目が離せないうえ、仕事のしめきりがいくつも重なった時期がありました。日中は子どもを保育園にお願いし、夕方保育園から戻ってから寝るまでの数時間は、遊びの相手をしながら家事をこなし、子どもが寝たらまたデスクに深夜まで向かい……、自分のプライベートな時間がまったく取れない日が続いていました。

かなり疲弊していた私でしたが、それでも「子どもの母親なんだし、自宅にいるときくらいは私が世話をしなくては」という責任感から、フラフラになりながら育児を続けていました。

そんなとき、あるカウンセラーさんから、子育てというのは、かけた時間ではないよ。1日たった5分でも、思い切り集中してその子を愛すれば、ちゃんと伝わるはずだよ」と教わったのです。

“毎日続ける”ということが大切

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その話を聞いたとき、正直ほっとしました。

母親なのだから、子どもと毎日しっかり向かい合わなくてはならない」という考えにしばられている自分に気づいたからです。

仕事が忙しいと、子どもにかかわるほとんど時間がなくなる、という父親は少なくありません。さらに今は男女雇用機会均かつ夫婦共働きがあたりまえの時代なので、母親も多忙で育児が困難になる、ということもありうるのです。そんなときは、“誰かの手を借りるしかない”、と、やっと思いいたりました。

以来、どうしようもなく忙しいときは、シッターさんにお願いし、部屋にこもって作業をするようにもしました。その代わり、5分だけは「大好き」と言って子どもを抱きしめ、愛情を伝えたり、短い時間ですが、コミュニケーションを楽しんだりするようにもしました。

すると子どももあまりスネることなく、ちゃんといい子で多忙期が過ぎるのを待ってくれて、いい関係が築けるようになったのです。

“心をどこに置くか”で変わる

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この1日5分ルール」は、育児だけでなく、いろいろなことに当てはめることができます

家の中を片づける時間がなくてイライラしてしまうときは、5分だけ作り、たとえばデスクまわりなど、どこか「聖地」を決めて片づけるようにしています。とりあえずそこだけきれいにして心を落ち着かせることができれば、あとは仕事が一段落したら、と自分を納得させられます。

あまりにも忙しくて自分がやりたいことができない、自分の時間がない、という人は、まず「自分は一体何をしたいんだろう?」「時間ができたらやりたいことってなんだろう?」と、自問自答してみることをおすすめします。

そして、本当にやりたいことを、1日5分でいいからするのです。

そのとき、ほんの一瞬ですが、自分の魂がとても輝き、生きる喜びを得られたり、もしくは心がとても安らぎ、幸福感を得られたりと、“5分だけ”とは思えないほどの充実を感じることでしょう。

一日一歩は、1年で365歩

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以前、知り合いの作家さんからも、同じように“1日短時間ルール”の話を聞いたことがあります。

その人は会社員時代に書いた小説でデビューしたのですが、忙しい日々の中でも、毎日1行でもいいから“とにかく書くこと”をおこたらなかったそうです。

1日1行書けば、1年で365行も書くことができます。もし1日1ページを書くことができたら、365ページ。単行本1冊分のボリュームになるし、投稿作としても十分な長さです。毎日の積み重ねは、1年単位で考えると大変なボリュームになるのですから、あなどれません。

どんな人にも大好きなもの、“それをしているだけで心が安定する何か”があるものです。それにほんの一瞬でも触れることは、ひたすら疲れる日々を送っているときに、何よりの励ましになることでしょう。

どんなに忙しくても、5分だったら時間はなんとか作れるもの。たとえば映画を好きな人だったら1日5分だけ観る、絵が好きだったら1日5分だけ描く、でもいいと思います。

たった5分では何も進まないと思うかもしれません。けれど頭の中には「映画を観た」「絵を描いた」という行動の記憶が残り、それが心のよりどころとなるはずです。

私がおこなっている「1日5分」

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私自身も、毎日必ず何か原稿を書くようにしています。子ども時代からですから、もう30年以上、“何も書かなかった”という日はありません。

毎日続けるということは、自分の中の“揺るぎない落ち着き”を作ってくれます。どんなにつらいことがあっても、「私にはコレがある」と戻っていける、“心のふるさと”のような場所になってくれるのです
とはいえ私の場合、“書くこと”は仕事も兼ねているので、別の5分も作るようにしています。

最近では、読書を1日5分するようにしています。たった5分では何も読めない、と思われるかもしれませんが、それが読めるのです。なぜならそれは『洋書絵本』だからです。

我ながらこれはとてもよい方法で、英語の勉強にもなるうえに読書もできるので、一石二鳥になりました。「英語絵本翻訳検定」に挑戦し、3級を取得できたのも、毎日『洋書絵本』を読んでいた成果だと思っています。ちなみに洋書絵本はKindleなどで、山のようにダウンロードできます。

毎日何かを続けるパワー

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原田隆史さんという方がいます。決して強くはなかった公立中学の陸上部を、7年連続日本一に導いた、すごい先生です。

この原田先生がおこなった指導のなかに、毎日何かをする」というものがありました。そうすると心が強くなり、自分に自信がつくのだと。

たとえば家で皿洗いをすると決めた生徒は、たとえ体調が悪いときも、少しでもお皿に触れるようにして、“習慣を途切れさせない”ようにしていたそうです。原田先生は、毎日何かをすることのパワーをよくご存じだったのだと思います。

毎日大好きなことに取り組む=不思議な使命感が生まれる

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あまりにも忙しくて、心が折れそうになっているときこそ、毎日5分、自分のために何かをはじめるチャンスです。寝る前に5分、日記を書くでもいいし、本を少しだけ読み進めるでもいいでしょう。

大切なのは、自分が「これ」と思ったことを、連日おこなうことなのです。そうすると次第に習慣の存在は大きくなり、実生活で何かつらいことが起きたときにも、「私には読書がある」と、自分の支えになってくれるようにまでなるでしょう。

あまり最初からはりきりすぎず、“これなら毎日続けられそう”と思える、ささやかなことからはじめてみると、苦になりません。そして自分が好きなことであるほうが、ストレスにならないでしょう。

たとえば1日1回、インスタグラムに今日の夕食の写真をアップする、などでもいいのです。続けていくうちに、その習慣をせずに眠るわけにはいかない、というような不思議な使命感も出てくるかもしれません

毎日本当にわずかでも大好きなことに取り組める、そんな生活を送ることこそ、忙しいときでも自分を見失わなくなるための“自衛策”なのです。

(内藤みか)

※画像はイメージです

※この記事は2019年08月21日に公開されたものです

内藤みか(作家・イケメン評論家)

作家。慶應義塾文学部卒(通信課程)。著書80冊以上。大学時代に官能小説でデビューし、ケータイ小説で話題に。その後電子媒体を中心に活動。原作&脚本の舞台「男おいらん」が再演を繰り返し、脚本参加のラジオドラマ「婚活バスは、ふるさとへ」(YBS)が文化庁芸術祭優秀賞など脚本でも活動。複業のイケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。著書に「イケメンと恋ができる38のルール」(ベストセラーズ)「美男子のお値段」(角川学芸出版)「男はときどき買えばいい」(マガジンハウス)「いじわるペニス」(新潮社)など。

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