お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

一線を引く人の特徴とは? 心理と恋愛・職場・友人関係での効果

小日向るり子

相手と一線を引くとは、どういう意味でしょうか? また、メリットやデメリットとは? この記事では、他人と壁を作って距離を取ってしまう人の心理や特徴、恋愛・結婚・職場で一線を引く効果などについて、心理カウンセラーの小日向るり子さんに解説してもらいました。

まわりに「あの人って、他人と一線を引くよね」「壁を感じる……」と思う人はいませんか?

もしかしたら、彼に対して「距離を取られている」と感じる人もいるかもしれませんね。

今回は、「一線を引く」という心理を紐解き、さらにその是非について、心理カウンセラーの小日向るり子が考察していきたいと思います。

一線を引く人の心理とは

人はひとりでは生きていけません。

つまり、「つながりたい」という願望は、「生きたい」という生存欲求にかなり近いものだといえます。

それではなぜ人は、本能に背いて一線を引くという心理状態になるのでしょうか。

(1)恐怖

もっとも多いのが、この恐怖という心理です。

過去に他人との関係に深入りして傷ついた経験やいじめられた体験があった場合、人と深く関わりそうになると、「もうあんなにつらい体験はしたくない」という恐怖感情がわき起こり、そうなることを避ける心理が働きます。

(2)諦め

これも過去の経験が大きく関係していますが、諦めの心理の背景には、傷ついた、いじめられたといった体験以外に、親からまっとうな愛情を与えてもらえなかったという成育歴が大きく関係してきます。

まっとうな愛情とは、幼少期に甘えたり泣いたりする子どもの本能的衝動や欲求を、ありのままに愛するということ。

この愛情をもらえないと、「自分は人に愛される価値がない」と自意識が過度に低くなるか、「自分以外信じられない」と自意識が過度に高くなるか、極端になりがちです。

それを社会適応させると、たいがいの人は「他人とは一線を引く」というところで落ち着くのですが、根底にあるのは他人に対する諦めの心理です。

(3)個人主義

「人は人、自分は自分」といった個人主義の思想です。

日本は個人主義を美徳としない文化がありますが、欧米では個人主義が尊重される文化として根づいていますので、個人主義には育った場所や親の教育が大きく関係してきます。

(2)の場合は他人からみると「強がり」「意地っ張り」といった性格に見られがちですが、個人主義の場合は「飄々としている」「個性的」といった印象を与えることが多いです。

一線を引く人の特徴とは

それでは、こうした心理を持つ人の言動にはどのような特徴があるでしょうか。

よく見られる特徴を挙げてみたいと思います。

(1)口数が少ない

言葉を発すればそこから人がどう踏み込んでくるかわかりませんので、心に踏み込まれる火種である「言葉」を自ら発することを避ける傾向にあります。

(2)敬語を使うことが多い

敬語は目上の人や親しい関係になる前に使う言葉です。

したがって、敬語で話すことによって「親しい関係ではありません」と相手をけん制しているのです。

(3)ストイック

一線を引く行為は、TPOを誤ると逆に引かれることもあります。

つまり、自分が出すヘルプに応じてもらえないリスクもあるということ。

そのリスクを引き受けられる人ですので、自己管理ができるストイックなタイプであるといえます。

(4)合理主義者

よくいえば合理主義ですが、悪くいえば損得勘定が強いです。

この人と付き合ったらこういうメリットがあるから付き合う、メリットがなければ付き合わない、という価値観の持ち主です。

(5)八方美人

一線を引くことで他人に注ぐエネルギーの集中を避けますので、広く浅い付き合いをする人の数は多くなります。

ただ、この様子はしばしば第三者には「八方美人」という印象を与えます。

「一線を引く」ということの是非については後述しますが、ここからはいったん一線を引くことによる「効果」に焦点をあてて解説します。

次のページを読む

SHARE