八方美人の意味とは? 心理と特徴、克服方法
八方美人とは、誰にでも良い顔をして、あちこちで調子よく振る舞う人のこと。具体的には、どのような言動をする人を指すのでしょうか? この記事では、八方美人の心理や特徴、周囲からのイメージ、克服方法について紹介します。
「八方美人」とは、どのような人を指す言葉なのでしょうか。
誰にでも調子よく振る舞うイメージで、なんとなくネガティブな印象を抱く人も少なくないのでは?
今回は、八方美人という言葉の意味を解説。また、八方美人の特徴や心理、身近にいる八方美人との上手な付き合い方についても紹介します。
八方美人とは
まずは、「八方美人」という言葉の意味を正しく理解しましょう。
「八方美人」の意味
「八方美人」を辞書で調べてみると、次のように説明されています。
はっぽうびじん【八方美人】
どこから見ても欠点のないすばらしい美人の意から、転じて、だれからもよく見られたいと愛想よくふるまうこと。また、そのようにふるまう人。
(『四字熟語辞典』学研)
つまり、誰に対しても愛想よく振る舞う人のことを「八方美人」といいます。
なお「美人」とつくと女性に対してのみ使われる言葉のように感じますが、「八方美人」は女性に対してだけではなく男性に対しても使われる言葉です。
「八方美人」はほめ言葉?
「八方美人」という言葉は、前述の通り、「どこから見ても欠点がない美人」という意味から派生したとされています。
そのため、ほめ言葉として使っている人も中にはいるかもしれません。
しかし、辞書によっては「だれに対しても、如才じょさいなく振る舞うこと。また、そのような人。どこから見ても欠点のない美人の意から。▽「八方」はあらゆる方向。この言葉は、悪い意味で用いられることが多い」(『新明解四字熟語辞典』三省堂 )と説明されています。
ほめ言葉として使うより、揶揄や皮肉を込めて使われる場合が多いことを覚えておきましょう。
八方美人の心理3選
続いては、八方美人の心理を紹介します。なぜ、誰に対しても愛想を振りまくのかその理由をチェックしてみましょう。
(1)嫌われたくない気持ちが強い
八方美人は、「みんなから嫌われたくない」という気持ちを人一倍強く抱いているようです。
「誰からも好かれたい」というよりは、嫌われることへの不安や恐怖心が強いのです。
そのため、誰に対してもある程度の愛想を振りまき、自分が嫌われることを回避していると考えられます。
(2)1人になるのが怖い
八方美人は、孤独になることを恐れているともいえます。
前述の通り、誰かから嫌われることを避けたいという心理のさらに奥には、「嫌われて1人ぼっちになりたくない」という気持ちが隠れているのです。
そのため、周囲に対してにこやかに振る舞うことで、自分が1人になる不安を防ごうとしていると考えられます。
(3)争いたくない
争いごとが苦手という心理から、八方美人になることも考えられます。
好んで人と争いたいと思う人は多くないはずですが、場合によってはどうしても相手と衝突せざるを得ないこともあるでしょう。
しかし八方美人の場合、「人と争いたくない」という心理が優先されるため、特定の意見に賛同するのではなく、誰にでも良い顔をしてしまうのです。
「争いたくない」という気持ちの裏には、「自分が悪者になりたくない」「嫌われたくない」という心理が隠れているとも考えられます。
(4)八方美人でいることに疲れることも
八方美人は誰とでもある一定の良好な関係を築ける一方、自分の本心を隠すことにストレスがたまってしまうことも。
ふと気づいた時、八方美人でいることに「疲れた……」と感じることがあるようです。
人間関係に波風を立てたくない思いで取り繕っても、やはり人に合わせてばかりいるのには限界があるのかもしれませんね。