まわりの人から「顔が赤い」と指摘されたことはありませんか? お酒を飲んでいるわけでもないのに、なぜ顔が赤くなってしまうのでしょうか。そこで今回は、赤ら顔の原因や病気の可能性、赤ら顔を解消するコツについて、皮膚科医・小澤佑美先生に解説してもらいました。
赤ら顔の原因と解消するコツ
赤ら顔の原因は、大きくわけて2つ。くわしい原因と解消法についてチェックしてみましょう。
タイプ1:血管や血管中の血液に原因がある
皮膚にある毛細血管は、気温に合わせて血管を拡張・伸縮させることで、体温を調節しています。血管の収縮力が低下して拡張したままだったり、血液の量が過剰に増えて、通常では見えないはずの血液が透けて見えてしまいます。そのせいで顔が赤く見えるのがこのタイプ。これは、病気だけでなく、生まれつきや体質のケースもあります。また、人前に出るなど、緊張する場面で顔が赤くなってしまう「赤面症」もこのタイプ。赤面症は、強い緊張によって、自律神経が乱れるため、血管が一時的に拡張して起こります。
【タイプ1】赤ら顔を解消するコツ
(1)十分な睡眠をとる
睡眠不足は、自律神経の乱れにつながります。血管の拡張や収縮調節の役割がある自律神経の不調は、毛細血管の拡張を起こすので、しっかりと睡眠をとりましょう。
(2)気温差の大きいところに気をつける
室内外の気温差が大きいと、血管の拡張や収縮が激しくなります。これを頻繁に繰り返すうちに、いつしか血管が開いたままとなり、赤ら顔になることも。なるべく気温差の少ない環境で生活しましょう。
(3)刺激物のとりすぎに注意する
アルコールや刺激の強い香辛料は、毛細血管を拡張させる作用があります。これらを習慣的に摂りすぎると、血管が開くだけでなく血流も滞り、血管内に血液がたまりやすくなります。刺激物のとりすぎに注意しましょう。
(4)赤ら顔に効くツボを押す
東洋医学において、赤みの原因は熱とされています。熱は、物理的な熱だけでなく、気の流れや血の滞りによって生じると考えられています。ここでは、熱をとるツボとして代表的な「印堂」、「迎香」、「合谷」、「労宮」についてご紹介します。
・印堂(いんどう)……眉間の中央にあります。
・迎香(げいこう)……左右の小鼻の脇にあります。
・合谷(ごうこく)……万能ツボとしても有名。人差し指と親指の骨が合流するところから、やや人差し指よりにある窪んだところにあります。
・労宮(ろうきゅう)……手を握りしめたときに中指が当たるところにあるツボ。神経の興奮を鎮める効果があるので、赤面症にオススメです。
タイプ2:皮膚に原因がある
皮膚自体が炎症を起こして赤くなっていることが原因です。皮膚に炎症を起こす病気はたくさんあるため、あとでくわしく解説しますが、さまざまな肌トラブルも皮膚の炎症を引き起こします。また、まちがったケア方法により、血管が透けて見えてしまい、顔が赤く見えるケースもあります。これは、皮膚が薄くなることが原因です。特に、鼻や頬の皮膚は、毛細血管がたくさん通っているため、皮膚が薄くなるとすぐに透けて見え、赤ら顔に見えます。ほかにも、皮膚が薄い人は、少し血管が広がるだけで、すぐに顔の毛細血管が透けて見えるようになるので、気温の変化などの影響を受けると赤くなりやすいです。
【タイプ2】赤ら顔を解消するコツ
(1)メイクオフ・洗顔をていねいにする
洗顔のとき、極端に熱いお湯を使っていたり、強い力でこすったりしていないでしょうか。過剰な洗顔は逆効果。また、洗顔ブラシを使っている場合も注意が必要です。メイクオフや洗顔はていねいに行いましょう。
(2)スキンケア方法を見直す
水分と油分のバランスが大切です。肌が乾燥しているのに保湿剤を塗らなかったり、脂性肌なのに余計なクリームをつけていると、ドライスキンや毛穴のつまりを引き起こし、肌トラブルへとつながります。
(3)バランスのとれた食事を摂る
いわずもがな、野菜はビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富で、健康な皮膚に必要不可欠。積極的に野菜を食べるようにしましょう。また、野菜だけでなく、食事全体の糖質や脂質、タンパク質のバランスも肌に影響します。食事内容が偏らないように意識してください。
(4)お通じをととのえる
便秘は、皮膚に老廃物がたまり、ニキビやアトピー性皮膚炎を悪化させます。便秘解消のために、根菜などの食物繊維を含む食品の摂取と、ウォーキングやジョギングなどの運動を行いましょう。
(5)皮膚の赤みに効くツボを押す
皮膚の赤みに効くツボを取り入れてみてください。
肩髃(けんぐう)……肩と腕の境目あたり。肩を前から触ったときに少し窪んでいるところです。さまざまな肌トラブルを解消する効果が期待できます。
尺沢(しゃくたく)……肘の内側にある筋の上、真ん中よりやや外側にあります。肌の水分代謝を改善し、たまっている老廃物を排出するデトックス効果があります。
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