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【FP監修】独身のまま女性が老後を迎えたら~用意したい貯金と今できること~

石川福美(トータルファイナンシャルアドバイザー)

ファナティック

FPに聞く! 女性が独身で老後を迎えたら起こるリスクとその対処法

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独身女性にアンケート調査をした結果、みんなそろって気になることは「お金」と「健康」のこと。そこで、FPの石川福美さんに、女性が独身のまま老後を迎える際の懸念点やリスクと、その対処法について詳しく話を聞きました。

●女性が一生独身だと起こりうるリスク

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老後の特に大きなリスクの一つが、生活費の不足です。退職後、多くの人の収入の柱となるのが公的年金ですが、男性・女性という観点でリスクを見ていくと、まず所得水準の影響を受ける、厚生年金の受取額の違いがあげられます。現在は女性の社会進出が進んだことにより、高収入を得る女性も増えてきました。しかし数字的に見るとまだまだ男女の平均年収の違いが見られます。これにより将来的に受け取れる厚生年金の受取額が変わってきます。

≪男女の平均年収≫

男性:約430.1万円
女性:約266.8万円

※厚生労働省 平成27年度

≪厚生年金受給額≫

男性:平均17万9,000円/月
女性:平均10万8,000円/月

※厚生労働省 平成26年度

さらに準備資金においては、後ほど述べます「男女の平均寿命」の違いから、女性の方が準備額が大きくなるのは明白です!

結果として「老後破綻」といったフレーズが生まれ、現在では日本の65歳以上の単身世帯の貧困率は48%、ほぼ半分の人が貧困!という事実があります。(約78万人が生活保護を受給)

●独身の老後に用意したい貯金額

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前述したように女性は男性より平均寿命が長いため、より多くの老後生活資金の備えが必要です。女性の老後生活とは何年あるのでしょうか。

≪平均寿命≫

男性:80.79歳
女性:87.05歳

※厚生労働省 平成27年度

現在、退職後の単身世帯の支出の平均は「約15.2万円/月」という数字が出ており、上段で述べたように、女性の厚生年金受給額の平均は「約10.8円/月」です。つまり毎月「4.4万円」が不足する計算になります。

これを女性が平均寿命(87.05歳)まで生きたとすると、60歳で退職してからの27.05年間不足し続けます。65歳までの5年間は年金ももらえないので、不足すると考えられる金額は……。

(15.2万円×12カ月×5年)+(4.4万円×12カ月×22.05年)=約2,076万円

となります!

さらに、将来的には公的年金の受給開始年齢が70歳に繰り上げられるという案も濃厚ですから、そうなると無収入の期間が増え、さらに手厚い備えが必要となります。

(15.2万円×12カ月×10年)+(4.4万円×12カ月×17.05年)=約2,724万円!!

また、難しいのは平均寿命と健康寿命は異なるということです。自身の医療や介護の費用の備えも必要となるのに加え、親の介護問題などにより、自身の老後資金の為の蓄えを充てなければならないケースも増えています。このことから、老後の生活資金として、最低でも3,000万円は備えておきたいものです。

しかし、ぎりぎりの生活よりは、ゆとりのある老後生活を送りたい人は「プラス5万円/月」、さらに公的年金受給開始年齢の繰り上げや、医療技術の進歩による平均寿命の伸びなどの変化が今後も起こると考えると、安心できる金額というのは、さらに変化していきそうですね。

ですので、現金だけでなく、不動産や投資などでお金にも働いてもらいながら、なるべく多くの資金準備をしておくことが求められると思います。

●老後の病気などに備えておく方法

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女性の場合は、そもそも既婚・独身に関わらず、女性特有の病気もあったりなど、健康に関しての備えは必要となります。

独身の場合は、例えば自分が働けなくなったときに、誰かに養ってもらうということが難しいケースが多いと思いますので、給与が止まってしまうような状況になった時の為、半年分の生活費などは貯金・投資などで準備をしておきましょう

陥りやすいのが、不安だからといって安易に保険に頼ること。もちろん必要な保険もありますが、半年分くらいの生活費が準備で来ている人は、日額系の医療保険に入るよりは、しっかりと社会保障制度(高額療養費など)や会社の福利厚生制度を知ることに時間をかけるべきです。

●女性が一生独身の場合に今からできること

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一生独身の場合に今からできることは、知識をつけて、行動しておくことです。

正直、将来のことは誰にもわかりません。ですので、自分の想像を超えた「まさか」が襲ってくる可能性もあるのです。その時に身を守ってくれるのは自分自身の知識と経験、そして信頼できるプロ(FPなど)です。まずは、何に備える、ということより自立する為に、自分の現状を把握し、描けるところから未来描くことから始めてみてください。

保険に入る、投資をする、といった手段は、あとからでも対策は可能です。

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