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多部未華子×綾野剛「きれいごとばかりじゃない! 本気の恋がしたくなる」(その3)

冨永由紀

多部未華子×綾野剛スペシャルインタビューの1回目は映画『ピース オブ ケイク』を通して出会いを、2回目は役に共感できることなどを掘り下げてきました。今回3回目は、本作の見どころなどをさらに聞いていきます。

■恋愛にカッコつけて、どうする!

恋愛をしていて誰もが経験する切なさ、ドラマチックに決まらない居心地の悪さもリアルに描いた映画『ピース オブ ケイク』で、お気に入りのシーンを尋ねてみました。

「僕は、天ちゃんのくだりはだいたい好きです」と、松坂桃李さんが演じた志乃の親友で、レンタルビデオ店でバイトする“オカマの天ちゃん”を挙げた綾野さん。「『恋愛にカッコつけてどうするのよ』というのは、なかなか素敵なセリフだなと思います」。

多部さんは「どこだろう」と悩みながら、志乃と京志郎がお風呂に入っているシーンを挙げました。「ちっちゃいお風呂に入って。朝だったよね。よく覚えてる」と綾野さん。ごく短いながら、そのときの志乃と京志郎の関係がものすごいインパクトで伝わってくる一場面です。

撮影について、「ずっとスキンシップをとっていたような気がします。隙あらば、みたいな感じでした。そういうものなのかなと思ってやってましたけど」と綾野さん。

その言葉に反応した多部さんが、綾野さんに向かってインタビュアー風に「そういうものなんですか?」と尋ねます。「ん? どういうものなんですか」と、とぼける綾野さん。「付き合いたてのカップルはそういうものなんですか?」といたずらっぽく食い下がる多部さんに「そういうものなんじゃないの? どうなんですか?」と今度は綾野さんが逆質問。多部さんは澄ました顔で「そういうものじゃないですか!」。「ややこしいな」と綾野さん。2人の息の合った関係が垣間見られました。

映画の見どころについて、多部さんは「志乃はどこにでもいる女の子で、仕事に邁進しようと思ったり、男はもういいやと思っていても結局素敵な男性に出会ったら好きになったり、前の彼氏のことをふと思い出す瞬間があったり。女性であれば共感できる気持ちがたくさんあると思います」とコメント。

綾野さんは、「一筋縄ではいかないような役者がこれだけ集まった、珍道中のような個性豊かなラブストーリーです。壁ドンしてみたけど、体を支える手がしびれてくるとか、寄り添ってみたら相手がなで肩すぎてすべっちゃうとか、そういうところが軽快に描かれています。それがある種の共感を呼ぶ可能性はあるかも。僕自身は照れくさい気持ちを抱えながら演じていました。でも、多部さんを含めた女性スタッフが共感をしている姿を見て、『あ、これでイイんだ』って思えました。恋愛に教科書ってないんですよね」。

現代女性の恋愛バイブルコミックを映画化したこの作品。甘い恋も、切ない恋も、リアルに描かれ、「人を好きになるって、こういうこと!?」と考えさせられます。そして、本気の恋がしたくなるこの話題作、ぜひチェックしてみては?

(最初から読む)出会い方は何でもいい。偶然が重なったら確実に記憶に残る

プロフィール

女優・多部未華子さん
1989年、東京都生まれ。10代から映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン新人賞受賞。舞台『農業少女』で第18回読売演劇大賞・杉村春子賞(新人賞)、同優秀女優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、恋愛に悩む等身大の25歳のヒロインを好演。

俳優・綾野剛さん
1982年、岐阜県生まれ。映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。主演映画『そこのみにて光輝く』で第88回キネマ旬報ベスト・テン、第69回毎日映画コンクールなど、数々の映画祭にて主演男優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、ミステリアスで影のある今カノとまっすぐに気持ちをぶつけてくる志乃の間で揺れ動く京志郎を好演。

■映画『ピース オブ ケイク』

(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

『テケテケ★ランデブー』『平凡ポンチ』のジョージ朝倉が2003年から2008年にかけて手がけた恋愛マンガ『ピース オブ ケイク』(祥伝社 フィールコミックス)が原作。恋も仕事も流されるままに生きてきた梅宮志乃、25歳。付き合っていた同僚男性にふられたのをきっかけに心機一転、新しい生活をはじめる。引っ越し当日の夜、偶然目にした隣人男性の屈託ない笑顔に強く惹かれ、翌日バイトの面接に出かけると、店長はなんと隣人の京志郎だった。はじまりは志乃の片思いだったが、京志郎が恋人と別れたのを機に2人は付き合いはじめる。だが、その恋は山あり谷ありで……。きれいごとじゃすまない恋愛のリアルを描くラブストーリー。

原作:ジョージ朝倉『ピース オブ ケイク』(祥伝社 フィールコミックス)
監督:田口トモロヲ
脚本:向井康介
出演:多部未華子、綾野剛、松坂桃李、木村文乃、光宗薫、菅田将暉ほか

9月5日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー

映画『ピース オブ ケイク』公式サイト
http://pieceofcake-movie.jp

(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

(冨永由紀)

※この記事は2015年08月06日に公開されたものです

冨永由紀

大学卒業後、フランス留学を経て映画雑誌「FLIX」編集部に在籍。その後、フリーランスの映画ライターに。現在は女性誌、映画誌、Web媒体等でインタビューや作品評などを執筆。

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