多部未華子×綾野剛「きれいごとばかりじゃない! 本気の恋がしたくなる」(その2)
多部未華子×綾野剛スペシャルインタビューの1回目は、映画『ピース オブ ケイク』を通して出会いについて聞きました。今回2回目は、恋のアクションや、役に共感できる点についてさらに聞いていきます。
■人生には、いろいろな人に出会って多くを学ぶ時期がある
映画『ピース オブ ケイク』で、志乃が京志郎に出会った時点では、京志郎には同居する恋人がいます。そんな彼を簡単に好きにならないように自制しつつ、どんどん惹かれていく志乃。ついに想いを抑えきれずに、バイトからの帰り道に京志郎に告白します。実際の2人は、恋は自分からスタートさせるタイプですか? それとも相手のアクションを待つタイプですか?
綾野さんは「自分から」ときっぱり。「好きか嫌いかを言うときは、自分から言います」。相手から言われることは「まずないですね」。
多部さんは「私、自分から好きになることはないかもしれません」と言います。「そうか。押されると『あれ、好きかも?』ってこと?」と聞く綾野さんに、「そうですね。小学生みたい(笑)。男子から『あいつが好きだってよ』と言われて、『え? そうなの?』みたいなレベルです。自分から好きになるってほとんどない。いいなと思っても、いや、この人に私は不向きだ……とか。ネガティブなので、好きにならないようにします」と多部さん。
演じた志乃役について、多部さんに共感する点を尋ねると、「志乃の恋愛観は共感できます。“誰にでもホイホイついていくところ”(笑)」と劇中で志乃が、元カレから浴びせかけられたキツい言葉を引用する多部さんに、綾野さんが「ついていくのは、ちゃんと興味があるからってことでしょ」とフォロー。多部さんも「そうです」とうなずいて、「志乃もそうですよね? 出会う人みんなに興味がある。人生にはいろいろな時期があると思うんです。多くの人に出会って、“こういう人もいるんだ”と学ぶ時期は私にもあります。それは恋に限らず、友だちになるかならないかも含めたいろいろな出会いについて。男性と付き合って、すごい不安で自分でマイナスなイメージを持って……というネガティブ思考もわかりますし。志乃に共感するところはいっぱいあります」。
綾野さんは「京志郎はやさしい人。でもダメなところもあるけど、他人に愛を持っているからこそ人からも愛される。とても人間くさい男なんだと、体感しました。愛の人という部分は京志郎の好きなところ」と分析していました。
プロフィール
女優・多部未華子さん1989年、東京都生まれ。10代から映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン新人賞受賞。舞台『農業少女』で第18回読売演劇大賞・杉村春子賞(新人賞)、同優秀女優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、恋愛に悩む等身大の25歳のヒロインを好演。
俳優・綾野剛さん
1982年、岐阜県生まれ。映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。主演映画『そこのみにて光輝く』で第88回キネマ旬報ベスト・テン、第69回毎日映画コンクールなど、数々の映画祭にて主演男優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、ミステリアスで影のある今カノとまっすぐに気持ちをぶつけてくる志乃の間で揺れ動く京志郎を好演。
(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会
(冨永由紀)
※この記事は2015年08月05日に公開されたものです