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多部未華子×綾野剛「きれいごとばかりじゃない! 本気の恋がしたくなる」(その1)

冨永由紀

現代女性の切ない恋や仕事におけるリアルな心情を描いたコミック『ピース オブ ケイク』(原作:ジョージ朝倉)。このたび映画化された『ピース オブ ケイク』(2015年9月5日公開)で本音でぶつかり合いながら歩んでいく等身大のカップルを演じた多部未華子さんと綾野剛さんに、映画の見どころや出会い、恋愛観について聞きました。

■出会い方は何でもいい。偶然が重なったら確実に記憶に残る

恋も仕事も流されるままにこれまで過ごしてきた、“恋愛ベタ”な25歳の梅宮志乃(多部さん)。心機一転、引っ越した新居の庭先で出会った隣人・京志郎(綾野さん)の笑顔に心を動かされ、その後、面接に出かけたバイト先の店長がなんと京志郎で……。

偶然の出会いから生まれる恋をリアルに描く映画『ピース オブ ケイク』で演じた役どころについて多部さんに聞いてみると、「志乃は恋愛体質で、ふらふらと流れに身を任せて生きてきた女性。私もどちらかというと普段は弱くて流されやすいタイプなので、原作を読んだときも志乃の気持ちがよくわかるなと思いました」。

綾野さんは、「京志郎はわりとどしんとしている人で、屈託なく、ふにゃーっとしてるところがある。扉を開きっぱなしというか、いろんな人が入ってきても追い出すことをしない」と語ります。

京志郎を演じる上で、綾野さんが気をつけたのは、「(京志郎の恋について)来るもの拒まず去るもの追わずからはじまって、きちんと来るものを選び、去る前にちゃんとつなぎ止めることを最終的にできたらいいなと思いました。とは言いつつ、多部さんとも話してましたが、これは人生の中の一断片でしかなくて。2人にとって、これは通過点かもしれないし、そのままどうなるかわからない。別れて、またちがう恋愛をしてもおかしくないような部分は残さないと、と思いました」と綾野さん。

映画『ピース オブ ケイク』より (C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

印象的なのは、2人の出会いと、恋のはじまり方。隣人同士、そして仕事先まで同じ、と偶然が重なっていきます。

「私、偶然が重なったら舞い上がるかもしれない」と多部さん。

綾野さんは「偶然が重なったら、確実にしっかりと記憶に残るので。ましてや、好きなバランスの人だなとか思っている相手だったら、あれ? ってなるんじゃないですか。悪い気は絶対しないですよね。でも、出会い方は何でもいいと思います。その後の関係が大事だから」と語りました。

(次回更新)人生には、いろいろな人に出会って多くを学ぶ時期がある

プロフィール

女優・多部未華子さん
1989年、東京都生まれ。10代から映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。映画『HINOKIO』『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン新人賞受賞。舞台『農業少女』で第18回読売演劇大賞・杉村春子賞(新人賞)、同優秀女優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、恋愛に悩む等身大の25歳のヒロインを好演。

俳優・綾野剛さん
1982年、岐阜県生まれ。映画、ドラマ、舞台、CMで活躍。主演映画『そこのみにて光輝く』で第88回キネマ旬報ベスト・テン、第69回毎日映画コンクールなど、数々の映画祭にて主演男優賞を受賞。今年9月5日公開『ピース オブ ケイク』では、ミステリアスで影のある今カノとまっすぐに気持ちをぶつけてくる志乃の間で揺れ動く京志郎を好演。

(C)2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会

(冨永由紀)

※この記事は2015年08月04日に公開されたものです

冨永由紀

大学卒業後、フランス留学を経て映画雑誌「FLIX」編集部に在籍。その後、フリーランスの映画ライターに。現在は女性誌、映画誌、Web媒体等でインタビューや作品評などを執筆。

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