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【新連載】彼に振られたあの日から、もう何もかもが面倒で……

日が経つうち、わたしは塚本さんの申し出を、
断ったことを強く後悔した。
そして鳴らないスマートフォンを眺めながら決心する。
「やはり、もう一度会いたいです」
とLINEでメッセージを送ってみる。

塚本さんからは「いつにします?」
という答え。
わたしはうれしくて一番直近の週末で、
と答えて再び会うことになった。

場所は、最初に会った優子先輩の、
結婚式の二次会をしたレストランにした。

すでになつかしささえ感じる場所だった。
塚本さんを前にしたわたしは、
急に意味もなく彼が怖くなったけれど、
がんばって深呼吸して自分の気持ちを言葉にした。

「あの時は、どうしても自分に自信が持てなくて、
断ってしまったんだけど……でも、もし今でも、
あの時と同じ気持ちがまだあるなら、
お付き合いしてもらえます?」

「ええ、もちろん」
塚本さんの笑顔が、目にしみるほどうれしかった。

(おわり)

※この記事は2014年10月02日に公開されたものです

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