【新連載】彼に振られたあの日から、もう何もかもが面倒で……
ビデオを2本見終わると、
さすがに疲れて1時間ほど寝てしまった。
そうして目覚めると部屋は真っ暗だった。
「もう6時か……」
一日中、部屋の中にいるのもよくないと、
フラフラと街へ買い物に出た。
駅ビルへ入り、洋服を眺める。
「明日には、買わないと」
ため息をついて通り過ぎたあと、
いつものカフェでチキンプレートを食べ、
書店で雑誌を買って部屋に戻った。
でも何もする気がおこらず、
早めにお風呂に入ってベッドに入る。
だけど昼間がたたって眠れない。
「来週末は、優子先輩の結婚式二次会か」
憂鬱だった。
今は正直、華やかな場所に出る気には、
とてもなれない。
今年の春、2年間付き合った将に、
突然振られたあの日からわたしは、
ひどく無気力な女になってしまった。