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【新連載】彼に振られたあの日から、もう何もかもが面倒で……

こんな風に将が去ってからというもの、
わたしは何をしても、
心からおもしろいと思えなかった。

気持ちを癒すために、旅行にも行った。
カラオケや飲み会にも出席してみた。
だけど、気持ちは沈む一方。

特に暑い時期は、外に出て行き交う人を見るのが、
ひどく苦痛だった。
みんながこんなに開放的で、楽しそうで、
男女を問わずいっしょに歩く人同士、
愛情にあふれているというのに。
わたしは4つも年上の女性に彼をとられて、
強い日差しの中をひとり歩いている……。

そんな調子なので、家でビデオを見ている時が、
一番心が落ち着くようになった。

だけど来週は優子先輩の結婚式の二次会。
フラワーショップの新店舗立ち上げで、
ずっといっしょにがんばった優子先輩の結婚は、
どうしてもお祝いしたい。大好きだから。

わたしはそれ以上何も考えないために、
布団をかぶって強く、目を閉じた。

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